Fake＆Gimmick

よつげ @Eight_os

１ 小さい頃思い浮かべていた王子様は かっこよくて 優しくて 誰にでも平等な でも 王子様を信じて社会に出てみたところで そんな人どこにもいない #エイトで妄想

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２ それは女も然り。 『琴葉ー、私、結婚するんだー♪』 わかりきったことを言ってくる私の親友。 と、思っていた人。 ━━元々彼と付き合ってたのは私だよ？ シェアハウスとかふざけたこと言って割り込んできたのはそっちでしょ？ 奪ッタンデショ？ #エイトで妄想

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３ そう言いたいのを押し込めて。 「おめでとう、よかったね」 言葉に嘘を隠す。 復讐なんてするつもりはない 今更戻りたいとは思わない けど。 結婚式での２人を見て思う。 私は あの２人以上に幸せになることができるのだろうか… #エイトで妄想

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４ そして、それより何より最大の心配は… 帰るところがなくなった← 親にはその彼と付き合う時に大喧嘩して縁を切るとまで言って、それから会ってないし。 不動産屋は何件も回ったけど、会社に近くて風呂つきで…と希望をあげていくと予算がないかろくでもないところか、だ #エイトで妄想

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５ 「やってられっかあ！！！！！」 そういう訳で、 私は盛大に酔っ払っていた← （※酒に弱いのでそんなに飲んだ訳では無い） 友だちの家に泊まるとかしてなんとか食いつないできたが 流石にもう迷惑はかけられない。 #エイトで妄想

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６ 気にしなくていいのにと粘る友だちを「彼氏できたからさー（嘘）」の一言で黙らせ、荷物持参で飲み真っ最中。 優しい嘘なら許されるって何度も言い訳して。 私何やってんだろう… 飲み屋を出ると雨が降っていた。 傘…は、折り畳みならあるけど荷物の中だ… #エイトで妄想

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７ …面倒臭い！ と、判断した酔っぱらいの頭は、行き場もないのでとりあえず歩き回ることを推奨した。 「…へくちゅっ」 寒い。 そして、荷物を持つ手が痛い。 限界を感じた私は目の前に立ち塞がった大きな建物を見上げた 「…ハハっ」 #エイトで妄想

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８ こんなのに住んでる人は、この雨の中街を見おろしてればいいんだな、気楽だな 皮肉めいた思いがよぎる。 そうだ、いっそここらで凍死するのもありかも。 どうせ寝る場所ないんだし。 自嘲的になった私は、とりあえずその建物の看板？みたいな所の下に腰を下ろした。 #エイトで妄想

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９ 冷たい雨も、自然と暖かく感じるようになってくる。 背中に当たる看板の感触が今は頼もしい。 あ、スカート濡れちゃったや。 ま、別にいいか… ━━━━━━━━━━━━━━━━ 「…い。」 何、うるさいな… 「おい、起きろや！」 ガッ #エイトで妄想

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１０ 音とともにうっすらと開けた目の端に靴先が映って。 「ひぇっ！？」 蹴られた！？と思って飛び起きたけど、その人が蹴ったのは私のすぐ横の看板だった。 よくよく考えたら蹴られてたら起きれないしな… 思い直して、改めて蹴った張本人を見る。 #エイトで妄想

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１１ 立ったまま私を見下ろすその男は、背が高くてまあそこそこイケメン。 けど、 「ほら、人んちの前で何ぼさっとしとんねん。目さめたんならはよ帰り」 …やっぱり。 蹴った時から思ってたけど、 こいつ、 こいつ、 むっっっっっちゃ、性格悪い！！← #エイトで妄想 pic.twitter.com/7lDqSy4KQl

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１２ 「帰る場所がない」と言ったら最大級のため息を頂戴し。 私は何故かあのおっきい建物にお邪魔することになった。 てか、この人。 腹立つ！！！！ なんかこっちを見る目とか態度とか全てに腹立つ！！！！ 一旦嫌いになると全部イラつく。 「んで、名前は？」 #エイトで妄想

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１３ 「…峰村です」 「名前言うたらフルネームやろ」 ｶﾁﾝ 「…峰村琴葉です。何か文句ありますか？」 あ、やらかした。 絶対に引かれた… これはダメなやつだ 何初対面のコイツにイライラぶつけてんだ私。 「へー、なんか…名は体を表すってほんまやな」 #エイトで妄想

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１４ 「え？」 あれですか？ 名前も見た目も可愛いなとか言っていきなり口説いてくる系な… 「なんか…地味やわ笑」 はい、完っっっ全に殺意湧きました。 この人嫌。← 「はぁ！？琴葉って名前のどこが地味なんですか！？ 全国の琴葉さんに謝れ！！」 #エイトで妄想

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１５ 「琴葉って名前そんな人口おおいん？」 「ぐ」 それを言われると弱い… 「…にしたって！ 私一応女の子ですからね！！！ もうちょっと優しくしてくれたってバチ当たんないと思いますけど！？」 あぁ、なんか私相当イタい。 優しくして欲しい系女子かよ（泣） #エイトで妄想

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１６ 「は？女子やから優しくせなあかんの？ めんどくさ（笑）」 やはり。 そして笑顔と言ってることのギャップについていけない（萌えはしないけど）。 「それに…琴葉ちゃんやったっけ？ 拾われた分際で、そんな生意気な口利けるん？」 ぐうの音も出ない。 #エイトで妄想

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１７ 「まあ、とりあえず、帰れんくなった理由くらいは聞いてあげてもええけど？ 迷子の琴葉ちゃん？笑」 ムっっっっカつく！！！！ 話そうかともちょっと考えたけど、 最後の一言があまりにもウザすぎて口を閉ざしてしまった。 この人は…今のところ信用出来ない。 #エイトで妄想

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１８ するとその人は上手いこと勘違いしてくれたらしく、 「話したくないならええけど」 そう言って儚げに笑った。 ほんとこの人黙ってたらモテそうなんだけどな… 「まあここなら寝床としては充分過ぎるくらいやし？」 「え」 「メシは俺が作るし？」 「え！？」 #エイトで妄想

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１９ これは… なんかここに居候する流れになってる！？ んー、 どうしよう… こいつは…ウザい でも…今のままじゃいけない。 「…ここに、いていいんですか？」 結果、このままじゃいけないと思う方の私が勝った。 こいつのウザさは…そのうち慣れるだろ笑 #エイトで妄想

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２０ 「やから、」 「え？」 「さっきも言うたやん？ 俺にそんな上からで言ってええん？笑」 上からなんて言ってないっつーの！！ と、ツッコみたいのは山々だけど、 「…イサセテクダサイオネガイシマス」 同居人とトラブルを起こす訳にはいかない。 #エイトで妄想

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２１ すると、その人はちょっと考えて、 「俺のペットとしてと俺の女として、どっちがええ？」 「はぁ！？」 ペット！？って…絶対服従的な？ で、女、は…彼女だよね。 こいつの女は絶対に嫌だ。 でもこいつに服従するのも嫌だ。 #エイトで妄想

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２２ 「…他人でお願いします。同居人で（怒）」 結局どっちも嫌だった。 「二択以外から選ぶかい普通（笑）。 …まあええわ、んじゃよろしく」 そう言って去ろうとするその人。 …そこでふと気づく。 「あ！あの！そっちは名前なんて言うんですか！？」 #エイトで妄想

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２３ ゆっくりと…面倒くさそうにそれはそれはゆっくりと振り返るその人。 「だ、だって、私ばっかり名乗るの、へ、変なのでは、と…」 上から目線で言うなー！と言われたのを思い出して俯き加減で呟く。 私の問いに、彼は答えた。 …大倉、忠義。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/cbk5WTWZcd

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２４ 《大倉家ルール》 ・料理は全て大倉さんが作る。 ・洗濯は峰村担当（但し下着類、靴下類は各自洗濯） ・掃除は自分の部屋は各自、共同スペースは水回りが峰村、その他大倉さん互いの部屋には入らない。 ・無断で相手のものを借りない。 ・互いの生活には干渉しない。 #エイトで妄想

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２５ 「…何これ」 その日の夜、これを書いていると大倉さんがやってきた。 「同居するならルールが必要かなと。こんなんでどうですか？」 「別に書かんでもええし…」 だって書かなきゃまたケンカになるでしょーが。 「…あ、せや。 １番大事なこと忘れとるで」 #エイトで妄想