アニメや漫画を映画化する時、その出来栄えの理由を製作者の「原作愛」のあるなしに求める人が多いけど、
#デスノート 原作の大場つぐみ先生、小畑健先生よりいただいた #ネトフリ オリジナル映画『Death Note/デスノート』の感想をご紹介します🍎 pic.twitter.com/Vcfq1XCIou
2017-08-27 17:53:49NetFlix版デスノート、鑑賞して1日経ったので詳しい感想を述べます。 最初は原作版との月の差異、彼女役のミアというキャラクターが面白かったので「これは化けるかな??」と思ったんだけど、駄作でした。見るか、見ないかで言ったら、見ないでいいです。
2017-08-27 17:57:26原作とのキャラクターの違い……に関しては何も言いません。私はああいう変え方はオッケーだと思ってるから。こんなの月じゃない、Lじゃない! っていうのは「これはこれでこういうものとして作った」のだから言っても仕方がない。問題はそうした上で、どう作ったかで。
2017-08-27 17:59:03まず、作品としてのコンセプトがガラリと変わってしまっていました。原作のデスノートなる作品は、たまたま運命の悪戯でデスノートなる超自然的アイテムを手に入れてしまった月という男と、Lという対極にある男と頭脳戦を繰り広げるコン・ゲームだったわけですが……
2017-08-27 18:01:34NetFlix版デスノートは違いました。「たまたま運命の悪戯でデスノートなる超自然的アイテムを手に入れてしまった男女が、その力に振り回されて破滅していく」というストーリーでした。「世にも奇妙な物語」に近い。
2017-08-27 18:02:35いや、それならそれでいいんです。そういう再構築の仕方もアリだと思う。問題は、そういうストーリーラインにするとした上でどう作るかであって……ところがこれが失敗してしまっているのです。
2017-08-27 18:05:14まず、月──NetFlix版ではライト・ターナーなる高校生がデスノートを手に入れて、ミアというチアガールの娘にその秘密をホイホイと明かして共有して、わりとあっさり「犯罪をなくすために新世界の神になる」という決意をして、悪人殺しまくって、世界中で信者を獲得します
2017-08-27 18:07:27……という所までものすごく早回し。デスノートという物語を知らない人なら、「え、こいつら唐突にイってないか?」「罪の意識や逡巡は無いのか?」と思うし、デスノート知ってる人が見ると「デスノートの物語内部の流れや設定をお気軽に脚本に入れてデスノート名乗るつもりだな……」と思います。
2017-08-27 18:09:08そして名探偵のLがこれもまたいきなり登場。こっちの推理力は原作準拠なので、いきなりあっさりライト・ターナーが犯人だと目星をつけ、おもむろに「お前キラだろ」とぶっちゃけます。動揺するライト。頭脳戦の話ではないことは、ここでもう確信した。
2017-08-27 18:11:40あとはもう「デスノートを使った人間操作能力(死ぬ前にこういう行動を取れ)」というのを使いまくった、「実は事前にこうデスノートに書いておいたのだ」の張りたおし。サスペンスにしても伏線が全然ない
2017-08-27 18:14:30「実は事前にこうデスノートに書いておいたのだ」じゃ、何でもできるから。しかもこのNetFlix版のライト・ターナーとミアは、原作月ほど頭よくないのに、中盤~終盤で怒涛の「実はこうしていた」のオンパレード。納得いかん。
2017-08-27 18:16:00また、Lは「顔と名前が知られたら操作されてしまうらしい」というところまで掴んで、自分の顔を隠して行動するということまでしているのに、自分の名前を暴いてしまえる可能性を持ったワタリについてはノーガード。案の定、デスノートで操作されてしまい、Lさんブチ切れ(例えじゃなくて本当に怒る)
2017-08-27 18:17:33ワタリを失って取り乱し、拳銃をひっつかんで自分の脚で走ってライト・ターナーを逮捕/射殺しようとするんですよ! Lが! これを見た時、「キャラクターの再構築は自由だけどこれは叩かれても仕方ないだろー!」と思いました
2017-08-27 18:19:08とにかくLのキャラクター構築は大失敗。「特徴のある椅子の座り方」「甘い物をひたすら摂取」という特徴「だけ」かいつまんで、それでいて割とマヌケで熱血漢で銃を掴んで走り出すもんだから、デスノ初見者にとっては「ただのアホ」だし、デスノ経験者は「Lの剽窃物」としか見えない
2017-08-27 18:22:25ネタバレになりますが、最後の最後で、ライトの父親(刑事)が「お前がキラだったんだな」って気づきます。が、その理由がすごくあっけない。NetFlix版のライトは残念な子だからしょうがないとはいえ、そんな理由ならもっと早くに気づけよ的な。わりと苦労したLの残念さがまた際立つみたいな。
2017-08-27 18:25:52「話題の原作を手に入れて、こことここのディティールさえ押さえておけばいいんだろ?」「あとはハリウッドの売れる脚本のエッセンスを注入して……よっしゃ、これでヒットや。まあ製作費ぶんは稼げるやろ」という、いつもの最悪のハリウッドがそこにありました──
2017-08-27 18:28:29いやね、重ねて言うけど、「コン・ゲーム」という原作のコンセプトをサスペンスアクションに変えるならそれでもいいし、キャラクターを全く変えちゃうのもいいんです。でも、それならそれで、まじめに取り組んでいただきたい。
2017-08-27 18:30:37原作ファンはディティールのつまみ食いによる「不気味の谷現象」に似た違和感が不快だし、原作知らない層にとっては、キャラクターにしろストーリーの要素にしろ、原作では回を積み重ねて説得力を持たせていたものを早回しでポコポコ見せられるせいでチグハグさを強く感じてしまう。
2017-08-27 18:33:39全体の出来栄えとしては、ハリウッドドラゴンボールよりはましです。でもね、ゴジラをレジェンダリーに作らすにあたり、ちゃんと契約で提携してキャラクターやストーリーにしっかり口を出すことにした東宝はやっぱり正解だったと改めて思い知りました。
2017-08-27 18:36:14監督の話だと「三部作を予定してる」「あと2作ある」らしいけど、やめたほうがいい。これじゃ続かない。今回は「ご笑納」ということで、また仕切り直してくれい。以上。
2017-08-27 18:37:26もっと話すとさらにネタバレに踏み込むのであれなんだけどねー。ミアが一線を踏み外す理由として「犯罪者にひどいことをされた過去があった」「そのためなら何でもやってしまう」とか、そういう背景の一つでもあったらねー
2017-08-27 18:41:29「うっかり見てしまってガッカリする被害者」を減らそうとして「見ないでいいです」って感想書いたのになんで「逆に見たくなる」とか言われんだよ、オモシロ文章力が仇になったってこの場合ちっともうれしくないよ
2017-08-27 19:09:54アニメや漫画を映画化する時、その出来栄えの理由を製作者の「原作愛」のあるなしに求める人が多いけど、私は違うんじゃないかと思う。よく引き合いに出される最近のマーヴェル映画も、愛じゃなくてひとえに製作者が「マーヴェル・スタジオ」で、マーヴェルが作ってるからだ。
2017-08-28 08:17:02@MyoyoShinnyo 原作のエッセンスを一番よく知ってるのはそりゃ原作者なわけで、権利者としてしっかり手綱を取れば、悟空が高校生になったり月やLがアホの子になったりはしない。一度痛い目を見て考えを変えて成功したのが東宝じゃないの
2017-08-28 08:22:50