「前もって思考」はお母さんならではの得意ワザ

「なんで前もってやっておかなかったの!いつも言ってるでしょう!」と子どもを叱るお母さんは多い。しかしお母さんの「前もって思考」は、「お母さん」だからこその特別な能力であることに気づいてほしい。
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shinshinohara @ShinShinohara

お母さんたちの話を聞くと、子どもたちに対して「前もって準備しておけばこんなことにならなかったのに」という口が多い。宿題だってテスト勉強だって、自分のことなんだから自分で考えて前もって準備したらいいのに、いつも直前になってからバタバタして!とご立腹。なるほどなるほど。

2017-09-01 17:12:01
shinshinohara @ShinShinohara

で、お母さんは? 「私も子どもの頃はそのへん全然分かっていなくて。どうせやらなきゃいけないんだから、やっておけばよかったと今になって反省しています」という答えが多い。「だからこそ子どもには言いたくなるんですよ。なんであんたの将来のことなのに、もっと真剣に考えないのよ!って」

2017-09-01 17:14:33
shinshinohara @ShinShinohara

女性は男の子と比べたら、子どもの頃から「前もって」ができる子が多い。親の言うことを比較的よく聞く子が多いからだろう。それでも子どもの頃は、将来のことを言われてもピンと来ず、自分のことだと言われても実感が湧かず、ダラダラ時間を無駄に過ごしてしまった、というお母さんが多い。

2017-09-01 17:16:32
shinshinohara @ShinShinohara

実はお母さんたち、ある時期を境に自分が変わってしまったことに今一つ自覚が薄い。その時期を迎える前では、女の子でもなかなか「前もって準備」が苦手だったりする。後になってバタバタする人も多い。しかし「ある時期」を過ぎてから、「前もって」が身につき、当然になってしまう。

2017-09-01 17:19:28
shinshinohara @ShinShinohara

それは「お母さん」になったときだ。出産の疲れも癒せぬまま、昼夜問わずに3時間おきに授乳し、退院したら家事と育児をこなさなければならない。ひどい睡眠不足なのに起きて授乳、たまる洗濯物を、思い体を動かしてお洗濯。すると赤ちゃんが泣く。「ちょっと待って」と思っても泣き止んでくれない。

2017-09-01 17:22:11
shinshinohara @ShinShinohara

少し離れただけで泣き叫ぶ赤ちゃん。進まない家事。これでは洗濯も料理もできやしない。女性は次第に、睡眠不足で動かない頭ながら、授乳しつつ「この子が眠った隙にあれとこれを片付けよう」と考えるようになる。赤ちゃんは一人にされるのに敏感で、すぐ泣く。わずかな時間に家事を済ませなくては。

2017-09-01 17:24:23
shinshinohara @ShinShinohara

育児の過程の中で、お母さんは「前もって思考」が完璧に身に付く。「子どもが目を覚ましたら買い物に行ってあれを買ってこよう。昼寝してくれたら洗濯と、あの部屋の掃除。あっちの部屋は明日にしよう。料理はこの時間から作り出さないと間に合わないな・・・」常に次の段取りを考えるようになる。

2017-09-01 17:27:04
shinshinohara @ShinShinohara

「前もって思考」をしないと育児と家事を回せないものだから、女性は「お母さん」になると前もって段取りを考えておくクセがすっかり身に付く。そんなお母さんたちから見ると、子どもたちの計画性のなさが許せなくなってくる。「これをやっていたら次こうなるって分かるでしょ!」

2017-09-01 17:29:24
shinshinohara @ShinShinohara

共感力の強い女の子は、母親の「前もって思考」に同調し、言われた通りにこなそうとする子もいる。しかし男の子はたいがい、そうはうまくいかない。特に長男はムリ。「今」が大切で、先のことなんてどうでもいいからだ。だから「前もって」がピンと来ない。何言ってるの?という感じ。

2017-09-01 17:31:43
shinshinohara @ShinShinohara

「お母さん」になる過程では、自分の時間を全く持てないというこれまでにない体験の中で、これまた「自分が頑張らないとこの子を守れない」という責任感で、どうにか時間をやりくりする必要に迫られ、「前もって思考」が身につくのだが、子どもはそんな切羽詰まっていないからピンと来ないのだ。

2017-09-01 17:34:30
shinshinohara @ShinShinohara

今日、頑張らなくても明日は来る。頑張らないとお母さんがやかましい、という面倒臭さはあるけど、そうは言ってもお母さんはご飯も作ってくれる。世話してくれる。じゃあ、お母さんのやかましいのをなんとかしのいで、とにかく今を楽しもう、というのが子どもの立場からの景色。

2017-09-01 17:36:00
shinshinohara @ShinShinohara

お母さんたちの「前もって思考」と子どもたちの「今楽しければそれでいい思考」との間には、天と地ほどの開きがある。お母さんの「私のように前もって段取りを考えて行動しなさい」と言ってもムリがある。否応なしに前もって思考をしたことないんだから。

2017-09-01 17:38:11
shinshinohara @ShinShinohara

宿題を忘れた。プリントを親に見せるのを忘れた。今日はこれ持ってこいと言われてたのを忘れてた。「なんで前日のうちに荷物を準備しておかないの!」とお母さんは怒るけど、まあ、忘れ物をしてもどうにかなるし、「前もって思考」を毎日やるのは邪魔くさい。だからやらない。

2017-09-01 17:40:26
shinshinohara @ShinShinohara

お母さんたちは、自分が育児と家事を回す必要に迫られて「前もって思考」をマスターしたことを忘れてはいけない。子どもはそういった切羽詰まった体験がないから、今の楽しみを犠牲にしかねない「前もって思考」は面倒くさくて仕方ない、特にお母さんがやかましいから余計にイヤになるというのが実態。

2017-09-01 17:42:34
shinshinohara @ShinShinohara

子どもは「今」を楽しむ生き物だ、と達観する(諦める)必要がある。切羽詰まった体験がないし、子どもの間は望めない以上、「前もって思考」を、お母さんたちが「お母さん」になるときに味わったような形(やむをえず切羽詰まった感じ)で子どもがマスターできるものではない、と考える必要がある。

2017-09-01 17:44:58
shinshinohara @ShinShinohara

子どもに「前もって思考」を身につけてほしいなら、「今を楽しむ」という子どもの性質を利用した方がいいだろう。「明日プールあるよね。さて、ここでクイズ!プールに持っていくものどれとどれでしょう!」子どもがノリやすいクイズにしたりして、「今」を楽しいものにする。

2017-09-01 17:48:49
shinshinohara @ShinShinohara

「水泳パンツ、たためるかな?お、上手だねえ!」「バスタオルを袋に入れられるかな?大きいから難しいよ?がんばれ!やったあ!」 「今」を楽しむと子どもは乗ってくる。「前もって」が「今」を犠牲にすることなく、むしろ「今」を楽しくするゲームに変わる。

2017-09-01 17:51:20
shinshinohara @ShinShinohara

そして準備ができたら「お、明日の準備までできちゃうなんて、やるねえ。前もって段取りできる子、だーれだ?」「はーい!」 前もって準備することが楽しいことだと、進んでやるようになる。「今」を楽しみたい子どもは、「前もって」が楽しいこと、誇らしいことだと進んで実践する。

2017-09-01 17:54:10
shinshinohara @ShinShinohara

しかし「前もって」がつらいこと、苦行だと、嫌いになってしまう。テレビが面白いところなのに「あんた!あれ準備したの?!」強制になると、つまらない。お母さんみたいに切羽詰まった体験もないから、「前もって」はイヤなこと、楽しくないことになるだけに終わる。

2017-09-01 17:56:42
shinshinohara @ShinShinohara

家族の中でも、お母さんほど「前もって思考」ができる人種は他にいない。夫もだいたい、行き当たりばったり。弟妹はお兄ちゃん(長男)がいつも叱られているのを見て学習し、「前もって」叱られないように準備するようになるが、それでもお母さんほどではない。

2017-09-01 17:59:21
shinshinohara @ShinShinohara

お母さんは、「お母さん」になるときに異様に「前もって思考」を身に付けてしまったということを自覚した方がいい。そして家族の中で誰もお母さんほど「前もって思考」ができる者はいない、と思った方がいい。それを子どもに押し付けても、叱っても、効果はない。だって、やりたくないんだから。

2017-09-01 18:01:10
shinshinohara @ShinShinohara

しかし子どもは、楽しければ進んでやる。だから楽しいことにしてしまった方がいい。楽しくするのは手間隙もかかり、体力も気力も必要だから、大変。だから「あんた前もって準備しなさいよ!」と口で言って済ませたい。でもそれではなかなか身につかない。子育ては、辛抱が必要だ。

2017-09-01 18:03:15
shinshinohara @ShinShinohara

子どもに何かマスターしてほしいことがあるなら、「ねばならぬ」というイヤな色彩で染め上げないこと。マスターしてほしいことを楽しいこと、誇らしいこととして染め上げること。すると子どもはそれを望んでするようになり、習慣化する。一番上が男の子なら、「楽しい」でしか動かないのだから。

2017-09-01 18:24:24