十和田湖から奥入瀬川を下ったカタストロフィックな大洪水説は憶測の域を出ない。

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Shintaro Hayashi @Tonchi_Hotahota

Kataoka(2011)はめっちゃおもしろい。15000年前の十和田の火砕流で奥入瀬がダムアップされ,その決壊で巨大洪水が起こったという論文。 どこかで無料でPDFが手に入る。 sciencedirect.com/science/articl… #ブラタモリ#ブラタモリ案内人#ブラタモリ十和田

2017-09-02 20:05:22
早川由紀夫 @HayakawaYukio

どちらの写真の丸い巨れきも、八甲田山から蔦川を経て流れてきたものだと思う。 pic.twitter.com/PFzzSDuQVk

2017-09-06 14:58:09
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

Kataoka (2010)論文は、八戸火砕流後に一回のカタストロフィックな洪水が奥入瀬川を下ったとしたが、提示されたどの証拠も私には説得力がなかった。大規模火砕流のあとによくある小洪水の繰り返しで三本木扇状地が作られたと私は思う。

2017-09-06 15:03:21
早川由紀夫 @HayakawaYukio

奥入瀬川の三本木(十和田市)で見られる八戸火砕流を覆う洪水砂礫層と同様のものは、大湯川でも、小坂川でも、浅瀬石川でも、五戸川でも見られる。これらの河川は十和田湖から流れ出していないから、せき止め決壊による大洪水は発生し得ない。

2017-09-06 15:07:53
早川由紀夫 @HayakawaYukio

大量の土砂が河川をせき止めて湖が一時的に生じたと主張するなら、湖底に堆積した地層をみつけるとよい。たとえば、1500年前の榛名山火砕流は吾妻川をせき止めた。湖底に積もった粘土層がある(未報告)。

2017-09-06 15:13:57
早川由紀夫 @HayakawaYukio

888年6月20日に千曲川を下った大洪水は、厚い砂を残している(平安砂層)。 pringles.blog23.fc2.com/blog-entry-270… 10ヵ月前の東海地震で崩れた八ヶ岳天狗からの崩壊土砂がつくったせき止め湖が決壊した。(せき止め湖の底に堆積した粘土層はまだみつけてない。調査不十分)。

2017-09-06 15:17:33
早川由紀夫 @HayakawaYukio

奥入瀬の箱型渓谷は、溶結した八甲田火砕流を削り込んだから。溶結凝灰岩の箱型渓谷はふつう。高千穂渓谷は阿蘇火砕流を掘った。奥入瀬の流れが、少量で安定しているのは、十和田カルデラがたたえた大量の水が子ノ口のノズルから安定して常時流れ出ているから。

2017-09-06 15:22:49
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ワシントン州東部の Channeled Scabland は、その顕著な浸食で大洪水があったことが知られる。 「最新氷期のおわりにコロンビア川で繰り返し起こったミズーラ洪水(1996年12月) hayakawayukio.jp/seminar/missou…

2017-09-06 20:28:25
早川由紀夫 @HayakawaYukio

奥入瀬川の場合、せき止め湖底に堆積した粘土層もないし、洪水が残した砂層もないし、顕著な浸食地形もない。1回のカタストロフィックな大洪水説は、証拠に基づかない憶測の域を出ない。(八戸火砕流堆積物の表面を覆う砂層は、台地の上に何度も広がった小規模ラハールの堆積物だ。ピナツボを見よ)

2017-09-06 20:33:38
早川由紀夫 @HayakawaYukio

蔦川合流後の奥入瀬川の河床に点在する丸くて大きな巨岩は、赤倉岳東斜面の崩壊時に運ばれてきたものかもしれない。蔦温泉はその崩壊地の下部に位置する。崩壊土砂は6300年前の中掫軽石に覆われている。 pic.twitter.com/fFfbC3xHCB

2017-09-06 20:49:20
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