原子力損害賠償制度に関わる議論の経緯 tnihei さんによるまとめ

Takafumi Nihei (@tnihei) さんが、立法当時まで遡って、これまでの原子力損害賠償法・制度に関わる答弁、議論の経緯を丁寧に調べて頂いております。非常に参考になるため、ご本人の了解の下、まとめてみました。 ご興味ある方はこちらも。→ http://togetter.com/li/114221
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tnihei @tnihei

…被害者に故意または過失のあった場合…民法の一般原則に基づく…たまたま核燃料物質を運搬中の輸送手段等と衝突し、原子力損害を被った場合等の被害者…当該被害者に酷であると考えられるので、過失相殺の適用を故意(または故意、重過失)の場合に限る等の配慮をすることが望ましい…

2011-03-22 17:31:28
tnihei @tnihei

原子力損害賠償制度問題懇談会、昭和54年改正(昭和54年法律第44号)に先立つ検討のために昭和53年9月に原子力委員会に設置、報告書の他は議事概要のみ原子力委員会月報で確認可能 http://bit.ly/ias7rY

2011-03-22 17:35:41
tnihei @tnihei

昭和53年12月26日「原子力損害賠償制度問題懇談会報告書」…賠償措置額は、保険契約及び補償契約の締結や供託によって万一原子力損害が発生した場合、被害者集団に対する賠償の履行を確実ならしめる最小限のファンドとしての重要性を有しており… http://bit.ly/fd0D2q

2011-03-22 17:35:49
tnihei @tnihei

原子力損害賠償制度専門部会(昭和63年版)、平成元年改正(平成元年法律第21号)に先立つ検討のために昭和63年8月に原子力委員会に設置、報告書の他は議事概要のみ原子力委員会月報で確認可能 http://bit.ly/fQ1bR5

2011-03-22 17:44:43
tnihei @tnihei

昭和63年12月2日「原子力損害賠償制度専門部会報告書」…海外再保険市場での制約等…原子力に対する国民の不安の除去の観点…被害者の保護と原子力事業の健全な発達…政府補償契約に関する規定及び国の援助に関する規定をいずれも存続させる必要… http://bit.ly/hSbo2N

2011-03-22 17:44:48
tnihei @tnihei

原賠法に規定する原子力損害…放射線等の作用と相当因果関係がある限り間接損害も含まれる…原子力施設の異常事態により、周辺住民が避難した場合の避難費用についても、具体的事例にもよるが、このような放射線等の作用と相当因果関係のある限り、原子力損害として原賠法が適用される

2011-03-22 17:44:55
tnihei @tnihei

原子力損害賠償制度専門部会(平成10年版)、平成11年改正(平成11年法律第37号)に先立つ検討のために平成10年6月に原子力委員会に設置、報告書の他に議事概要と配付資料が閲覧できる http://bit.ly/eXZnih

2011-03-22 18:24:51
tnihei @tnihei

平成10年12月11日「原子力損害賠償制度専門部会報告書」…パリ条約及び現行ウィーン条約では、異常に巨大な天災地変が免責…昨年採択されたウィーン条約改正議定書においては、従来免責とされていた異常に巨大な天災地変が免責とされなくなったhttp://bit.ly/ewaDMq

2011-03-22 18:24:55
tnihei @tnihei

異常に巨大な天災地変とは、一般的には歴史上例の見られない大地震、大噴火、大風水災等が考えられる…責任の免除事由を通常の不可抗力よりも大幅に限定免責事由の内容は、責任制限、保険条件、国家補償を含む損害賠償制度全体及び地理的条件等との関連において総合的に検討されるべきもの…

2011-03-22 18:24:59
tnihei @tnihei

…無過失・無限の賠償責任及びいわゆる責任の集中…更に事業者の免責は単なる天災地変でなく、異常に巨大な天災地変に限定…異常に巨大な天災地変による原子力損害については国の救済措置が別途講じられることとなっていることから、国際的水準との関係においては、改めて法改正を要しないと考えられる

2011-03-22 18:25:04
tnihei @tnihei

パブコメQA…不可抗力性の特に強い場合のみに限定する趣旨…関東大震災や阪神淡路大震災は、巨大な地震ではあっても、「異常に巨大な天災地変」には該当しません。すなわち、歴史上例の見られないような、これらの大震災を相当程度上回る規模のもの… http://bit.ly/gWmC2W

2011-03-22 18:25:08
tnihei @tnihei

原子炉施設の設計基準をはるかに上回る場合や未知の事象が出現した場合等、現在の知見ではおよそ予測不可能な巨大な自然災害を想定しています…なお、人為的な運転ミスや法令違反のように原子力事業者の明確な過失によって原子力損害が生じた場合には、原子力事業者が免責となるものではありません

2011-03-22 18:25:12
tnihei @tnihei

原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会、平成21年改正(平成21年法律第19号)に先立つ検討のために平成20年6月に文部科学省研究開発局長の下に設置、報告書の他に議事録と配付資料が閲覧できる http://bit.ly/iepBIe

2011-03-22 19:05:48
tnihei @tnihei

平成20年12月15日「原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会第1次報告書」…補償契約が補償することとされる地震等に伴う原子力損害の賠償による損失…海外再保険市場が十分に整っていないことから…引き続き補償契約の締結を行っていく必要性… http://bit.ly/hLMWCQ

2011-03-22 19:05:52
tnihei @tnihei

事業者の資力が不足し、賠償を完全に履行するために親会社が支援したJCO臨界事故…国民の理解を得ながら原子力利用を進めるためには、事業者が無限責任を負うことを前提としつつも、なお賠償責任の履行に資力が不足するような場合に備えて、引き続き政府の援助を制度として用意しておく必要性…

2011-03-22 19:05:56
tnihei @tnihei

紛争の自主的な解決の促進のための賠償の参考となる指針の策定原子力損害の賠償に関する知見・経験を有する専門家を集約することが既に制度化されている紛争審査会を活用することが効率的…賠償の参考となる指針の策定主体を紛争審査会とすることが妥当…

2011-03-22 19:06:05
tnihei @tnihei

原子力損害賠償制度の運用ガイドライン(仮称)…JCO臨界事故の経験を踏まえた損害賠償対応のマニュアル化…初動対応…賠償の参考となるべき指針…事業者・被害者間の調整…紛争の解決…政府の支援(被災者・被災地域の支援方策、損害賠償額が賠償措置額を超える場合の国の援助の在り方)…

2011-03-22 19:06:10
tnihei @tnihei

「異常に巨大な天災地変」は英語では「a grave natural disaster of an exceptional character」 CSC http://bit.ly/ftrlE3 ウィーン条約(1963年採択版) http://bit.ly/e99MwK

2011-03-22 19:27:45
tnihei @tnihei

@shinjitwt まとめありがとうございます。原子力安全・保安院の資料では「津波による溢水により」と地震より津波による被害が大きかったようですが、地震としての規模はさておき津波の規模としてどの程度「異常に巨大」だったのか気になります。 http://bit.ly/gNOpoD

2011-03-23 02:35:13
tnihei @tnihei

@ny47th 4条1項の免責の範囲については、現段階では自信を持って断言できるだけの資料が見つかっていないのですが、平成10年改正時のパブコメQAでは、「人為的なミスや設置・建設上の誤りが併存した場合」に関するコメントへの回答で、 http://bit.ly/eREYBN

2011-03-27 15:04:31
tnihei @tnihei

@ny47th 「原子力事業者の明確な過失によって原子力損害が生じた場合には、原子力事業者が免責となるものではありません」とあり、3条1項但書の場合に4条1項の免責を認めるべきかにつき、事業者側の過失の有無(少なくとも重過失の有無)も考慮するものとされているようにも読めました。

2011-03-27 15:04:44
tnihei @tnihei

@ny47th ご指摘の通り、原子力事業者以外のメーカー等について、原子力事業者への責任を集中して事業者からの求償権の行使についても故意の場合に限定した趣旨から言っても、原賠法の枠外で過失責任を追及することは想定外と思われます。

2011-03-27 15:28:09
tnihei @tnihei

@ny47th 先ほどのQAは、事業者の過失(又は重過失)が併存した場合で、当該巨大な天災等があったとしてもその過失がなければ損害が生じなかったであろう場合は、「その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたもの」ではないとして、3条1項但書の適用外と読むのかもです。

2011-03-27 15:28:28
tnihei @tnihei

原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)と原子力損害賠償補償契約に関する法律(原賠補償法)が成立したのは第38回国会(昭和36年)ですが、最初に法案が提出された第34回国会(昭和35年)での議論(衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第12、13、15号)も参考になりそうです。

2011-03-29 06:40:33
tnihei @tnihei

提案理由説明は実際に法案が成立した翌年の議事録を参照するとして、答弁の中で参考になりそうなものをいくつかご紹介。 http://bit.ly/dUjSFu http://bit.ly/hbWaga http://bit.ly/eTBq4N

2011-03-29 06:40:37
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