「欧米列強の魔の手を払い除けて独立と近代化を達成した日本」と「反日コンテンツ」

幕末から明治時代を取り上げた小説・ドラマ・映画などにつきものの「欧米列強の魔の手を払い除けて独立と近代化を達成した日本」というモチーフ、それを”国民の歴史”という観点で見れば所謂「反日コンテンツ」も同じようなものでは?と能川元一氏(@nogawam)が論じる。
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能川元一 @nogawam

大学非常勤講師(哲学)。著書に『海を渡る「慰安婦」問題』(共著、岩波書店)、『憎悪の広告』(共著、合同出版)、『まぼろしの「日本的家族」』(共著、青弓社)、『右傾化・女性蔑視・差別の日本の「おじさん」政治』(共著、くんぷる)など。 threads.net/@nogawamotokazu

nogawam.blogspot.com

能川元一 @nogawam

幕末〜明治を舞台とするコンテンツはフィクション、ノンフィクションを問わず多数あるが、そこにしばしば登場するのが“欧米列強の魔の手を払い除けて独立と近代化を達成した日本”というモチーフだ。(1)

2017-09-07 15:07:53
能川元一 @nogawam

歴史修正主義者が好む言い方をするなら、これは「歴史についてのいろいろな見方の一つ」にすぎない。欧米や中国、韓国朝鮮の視点からはまた違った光景が見えるはずだが、日本人は学校で受けた「民族教育」のせいで先に述べたようなモチーフを自明視している。(2)

2017-09-07 15:10:16
能川元一 @nogawam

で、“欧米列強の魔の手を払い除けて独立と近代化を達成した日本”モチーフに相当するようなものを中国や韓国がつくったらどうなるか? 中国の場合なら“抗日戦争モノ”が(国共内戦モノとならんで)それにあたる、というのは当然のことだろう。(3)

2017-09-07 15:12:09
能川元一 @nogawam

「国民の歴史」批判という観点からそうした抗日ドラマを批判することはできるしまた必要でもあるだろうけど、それにはまず私たちが『坂の上の雲』(や『私は貝になりたい』)的なものを批判的に再検討することが必要なはず。(4)

2017-09-07 15:13:54
能川元一 @nogawam

幕末〜明治コンテンツ(や太平洋戦争〜占領期コンテンツ)がはらんでいる「反欧米列強」性を自覚できぬまま「反日ドラマ!」だの「反日映画!」だのと言うのはまさに天に唾するようなものだ。(終)

2017-09-07 15:15:26
能川元一 @nogawam

例えば映画『明日への遺言』岡田陸軍中将をまるで悲劇の主人公みたいに描くけど、米軍捕虜を軍律裁判抜きで処刑させてますからね。自分が裁判抜きで殺したのに自分の裁判を「法戦」と称するのって厚かましくない? という視点は忘れたくない。

2017-09-07 15:21:28
明日への遺言

藤田まこと

能川元一 @nogawam

天唾といえば、百田土下座広告本“韓国人の法意識”をあげつらい、ケント儒教本中国の縁故主義を論ってるんだけど、安倍内閣が憲法53条ネグり続けお友達への“忖度”疑惑が炸裂している最中にこの2冊がベストセラーになる、というのも結構な天唾ですよ。

2017-09-07 15:24:23