OL川内×女子高生時雨百合【R18】

ここぞとばかりにフェチを詰め込んだ
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深海さかな @dzurablk_kai

OL川内×女子高生時雨の半同棲的なお話 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:24:16
深海さかな @dzurablk_kai

時雨は夜が嫌いだった 二日に一回は悪夢で目を覚ますからだ 「羽黒より敵艦隊捕捉の電、敵巡一、駆逐三、ムッピナ角の330度五十カイリ」 「艦長、今夜は風が強くて後続艦の距離が安定せん 注意してやってくれ」 「左舷に赤色の吊光弾! 味方偵察機が敵艦隊と接触!」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:34:28
深海さかな @dzurablk_kai

夢に見るのはいつも同じ光景だった 暗闇で飛び交う号令や怒号などだ 「27駆隊、左魚雷戦、左砲戦」 「怪しい艦影四つ!! 左70度!!」 「全艦へ打電しろ 『敵見ユ、我ヨリノ真包囲六〇度』」 「川内より敵発見の電!!」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:38:08
深海さかな @dzurablk_kai

「このブーゲンビルより後ろはノンズロ同然だ 何としても敵を食い止めねばならん 各員、六尺褌をよく締め直しておけ!」 「おもーかーじ!!」 「左魚雷戦、発射始め!」 「時雨より五月雨並びに白露へ、魚雷発射始め」 「取り舵、原進路へ 当て舵は10度」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:43:37
深海さかな @dzurablk_kai

「せ、川内が右へ転舵しました!!」 「面舵一杯、なんとしても回避しろ!! 五月雨と白露に打電!!」 「ダメです、間に合いません!!」 ここでいつも真っ暗だった夢の光景には、決まって赤い閃光が瞬いた 「旗艦川内、被弾した模様!!」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:48:02
深海さかな @dzurablk_kai

「なんだ今の音は!?」 「五月雨と白露が衝突しました!」 「川内より入電、『我、三水戦司令部ヲ移乗セントス 接舷セヨ』です!」 「司令!」 「・・・無理だ、戦闘中に移乗はできん 駆逐艦を伴い戦闘を続行する」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:50:53
深海さかな @dzurablk_kai

悪夢がこの場面に差し掛かると、時雨は決まって跳ね起きた 目を覚ましたときにパジャマや布団が汗まみれなのもまた常である 時雨が動悸収まらぬまま枕元の目覚まし時計を確認すると、時刻はまだ丑三つ時を抜けやらぬ午前3時 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 18:59:15
深海さかな @dzurablk_kai

今夜は比較的長く眠れた方だ 貧血気味の血液が過剰な勢いで全身を駆け巡った結果巻き起こされる偏頭痛に呻きながら時雨は簡素なベッドを出ると机に用意しておいた水差しから直に、カラカラに渇いた口と喉を洗った #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 19:04:54
深海さかな @dzurablk_kai

都内の中高一貫校に通うただの女子高生であるはずの自分がなぜこんな夢を見るのか、時雨には皆目見当がつかなかった 前世の記憶の断片なのか、或いは今の学校に通うより以前の失われている記憶の真相なのだろうか 確かなのは、そんな疑問と偏頭痛で朝まで眠れなることくらい #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 19:08:51
深海さかな @dzurablk_kai

何にせよ、悪夢について分かっていることは今のところ三つ 一つは、軍艦らしきものが戦っているらしいということ もう一つは、その中の一隻が自分と同じ「時雨」という名前らしいこと 三つ目は、ブーゲンビルや白露などという名前にはさっぱり聞き覚えがないこと #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 19:28:53
深海さかな @dzurablk_kai

・・・そう、ついこの間までは 夢に出てくる単語や固有名詞はどれも難解で理解できないものも多かったが、その中には一つだけ、最近知ったばかりの名前があった スマホの通話履歴やメールボックスで常に先頭に上がってくる、その名前は「川内」 #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 19:33:49
深海さかな @dzurablk_kai

夢の中で時雨が見捨てることになった艦は、時雨にとって人生初の恋人と全く同じ名前だった #今夜の川内時雨R18

2017-09-09 19:38:41
深海さかな @dzurablk_kai

時雨が川内と出逢ったのは半年前、何のことはない通学途中の駅のホームだった 東京都心とを直通で結ぶ路線のホームはその日、日本特有の最高気温を誇る盆地特有の熱気を容赦なくコンクリートから立ち上らせ、低血圧な時雨の意識を瞬く間に奪ったのだ #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:11:31
深海さかな @dzurablk_kai

そんな折、偶然通りかかった夜勤明けの川内という名のOLが線路へ向けて倒れこもうとした時雨の身体を支え、家に連れ帰り介抱したのが馴れ初めである そのことがきっかけで知り合うようになった二人が恋人となるのに、さほどの時間は要しなかった #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:13:31
深海さかな @dzurablk_kai

「また例の夢、見たんだって? 難儀だねえ」 夕刻、まるで他人事のようにぼんやりとした声でボヤキながら川内はハイヒールを脱ぎ捨てると、時雨を自室へ招きいれた 「お邪魔、します・・・」 「それを言うならただいまでしょ」 #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:17:37
深海さかな @dzurablk_kai

「あの・・・ただいま・・・」 「ごめんねー散らかってて 最近夜勤が多くってさあ」 時雨の赤面などお構いなしに川内は散らかったスーパーのビニール袋を踏みつけながら、器用にパンツスーツを脱いで行く 「あ、なんか飲む? ビールしかないけど」 #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:20:02
深海さかな @dzurablk_kai

「僕は未成年なんだけど・・・」 「いいのいいの、私だって君くらいの時には酒もタバコも飲んでたし」 そう言って川内はからからと笑った #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:21:47
深海さかな @dzurablk_kai

時雨はこの社会人の女性と交際を始めて数ヶ月にもなるが未だに川内は謎多き人物だった 身なりは端整そのものでパンツスーツを着こなす様は歳の若さこそあれ、同じ路線で朝晩見かける他のサラリーマンとは一線を画しており、一目で優秀な出世頭だと誰の目にも映るルックスだ #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:25:29
深海さかな @dzurablk_kai

反面川内の借りているワンルームは残業・夜勤の相次ぐシステムエンジニアという職業のせいか、整頓の行き届かない雑然とした空間でもある 実際、家にいる川内は下着姿で缶ビール片手にタバコをくわえるのが常であり、その二面性は付き合い始めの時雨を少なからず困惑させた #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:30:05
深海さかな @dzurablk_kai

もっとも、今となってはそういったルーズなプライベートとカッチリした仕事姿というギャップも、朝の食卓で新聞を広げる際にだけ見せる眼鏡姿と相まって、時雨の愛して止まない恋人にのみ見ることを許された姿でもあるのだが #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:31:49
深海さかな @dzurablk_kai

「それにしてもビックリしたよ 君を部屋に寝かしつけてたとき、急に私の名前呼ぶんだから」 銀色の缶ビールのプルタブを起こす軽快な音と共に川内は口元だけで笑ってみせる 彼女が笑みを見せるのはアルコールが入ったときだけであることを、時雨は誰よりもよく知っている #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:35:18
深海さかな @dzurablk_kai

「僕も、ビックリしました・・・ まさかおんなじ名前の人に出会えるなんて」 「あー確かにね 私の名前、分かりにくくて初対面で正確に読まれること、ほとんどないからね」 そんな会話を交わすうち、帰りにコンビニで買ってきた弁当を温め終えたレンジが軽快な音を鳴らす #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:37:54
深海さかな @dzurablk_kai

「今夜も泊まっていくんでしょ?」 と箸をくわえたまま焼肉弁当の包装を乱雑に破く川内 その色気もそっけもない動作にも関わらず、時雨の胸は一際大きく脈動した 「あの、迷惑なら・・・」 「いや、全然? むしろ君は大丈夫なのかなーと思ってさ?」 #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:41:47
深海さかな @dzurablk_kai

片道一時間の電車通学を要するという点から川内はおろか本人ですら時折失念しかけるが、時雨は名目上は女子寮に身を寄せる女子高生である ただ寮というのは往々にして外部からの侵入者に対するセキュリティは厳しくとも、内部からの脱走は想定していないのか存外容易いのだ #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:46:29
深海さかな @dzurablk_kai

「朝までに戻れば大丈夫です」 「ふーん ま、起きられれば問題ないか」 「川内さんが寝かしてくれるのなら、ね」 そう皮肉っぽく時雨が返すと、川内はタバコをくわえる口の端を、時雨だけに見せる子供っぽい笑みで歪ませた #今夜の川内時雨r18

2017-09-09 22:51:15
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