結婚、不倫、離婚を生物学的に考える(仮題)

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⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

【本棚登録】『愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史』ヘレン・E・フィッシャー booklog.jp/item/1/4794205… #booklog

2017-09-12 14:00:03
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

生物学的に結婚や不倫を考えるという、失礼ながらまあちょっと眉に唾つけてから読みましょうかという本ですよね。ただ「とりあえず疑ってかかる」という姿勢は、アカデミックな分野においてはある意味誠実なのかもしれない。

2017-09-12 14:01:46
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

人間の男性が女性の前でいい格好をしたがるのは、動物にも似た習性があるとか、そういう切り口の本書である。現代の人間の習性というのはあまりに「文化」に染まりきっているので、どこまでそうした先史時代の行動を当てはめられるかはよくわからない。

2017-09-12 14:04:38
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

動物の中には一夫多妻制のものがいる。いわゆるハーレムだ。ハゴロモガラスもそれに該当するのだが、この雄を去勢してみたところ、それでもハーレム内の雌カラスの多くが有精卵を産んだ。夫は一羽だけではなかったのである。遺伝子検査をしたところ、「流れ者」や隣の縄張りの雄と交尾していた。

2017-09-12 14:09:02
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

他の鳥類や猿に見られる一夫一妻のいわゆる「おしどり夫婦」であっても浮気は珍しくない。ここから重婚を許可していない人間社会と浮気、不倫の話に持っていくのでホントに大丈夫かいなという気分にもなる。

2017-09-12 14:12:04
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

一般的に複数の妻を持てるのは力を持つ男であり、安定を求める女性は(貧弱な男に嫁ぐとか、未婚のままでいるよりは)ハーレムに入りたがる。遥か昔においては、一夫多妻を望んだ男、ハーレム生活に順応した女たちは他の男女より子孫を残す可能性が高かった。淘汰の法則で言えばそれが自然状態である。

2017-09-12 14:21:57
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

とはいえ現代においては、一夫多妻を認める社会であっても実際に多くの妻を持つ男は少ない(少ない事例が話題になるので多く見えるだけである)。一妻多夫はさらに少ない。女性が多くの富を持つ場合に、それが認められることがある。

2017-09-12 14:28:22
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

一妻多夫が他の動物たち同様人間に少ないのは、妊娠出産という特性がある。メスが一生に産める子供の数には限りがあるから、一人の女性が多くの夫を持つことは、(不妊男性が数人いても問題ないので)その女性の遺伝子存続には有利かもしれないが、種族の存続としては無駄が多くなってしまう。

2017-09-12 14:31:42
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

多妻多夫はもっと少ない。インド北部のとある部族がその希少なひとつだ。ここでは妻を迎えるのに非常に高額な「花嫁代」が必要になるので、時には兄弟で出しあって一人の妻を買う。そして稼ぎが増えたらもう一人を買い、どちらの妻もどちらの夫とも性的関係を持つ。

2017-09-12 14:35:59
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

オナイダ・コミュニティ - Wikipedia ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA… 集団婚は過去のアメリカでも散見され、オナイダ・コミュニティにおいては、合意があれば誰とでも性交でき、子供は共同体の子供として養育された。ここでは女性は育児に縛られることはなかった。

2017-09-12 14:44:11
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

それでも特定の相手を求めることは少なくなく、現代の人間においては一夫一妻制はある意味自然であるとも言える。かつての日本では結婚の日に初めて相手の顔を見るということがあったが、ヨーロッパや北アフリカの農耕社会、インドや中国の前工業社会でもそうしたことはよくあった。

2017-09-12 14:49:23
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

見合いから恋に落ちることも多い。特にインドではそういった話が多く、「ロマンスの花が開くことを期待して結婚生活にのぞむ」のだという。もちろんうまくいかない見合い婚も多く、離婚が許される地域では離婚して次の相手を探しもする。

2017-09-12 14:54:33
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

現代人が一対一を基本としておきながら性的な裏切り(不倫)をするのはなぜか。結論を急ぎたいところだが別の事例を見てみよう。 妻を貸す、もてなしとして妻を提供するのはイヌイットの一部に見られるという。夫が狩り仲間との絆を固めたいと思ったとき、その仲間と妻の同意が得られれば、妻を貸す。

2017-09-12 14:58:54
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

イヌイットの女性はこの婚外性交渉を血縁の提供という貴重なプレゼントと考えていて、社会的に不謹慎な行為とは考えていない(戦前の日本に見られたタネモライと同じと考えてよかろう)。

2017-09-12 15:01:35
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

初夜権 - Wikipedia ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D… 真偽については議論があるが、一部のヨーロッパでは領民の結婚に際して領主が花嫁の処女を奪う権利を持っていたという。 さて不倫とは一体なんだろう。性交渉の有無が問題なのか。

2017-09-12 15:05:16
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

文化圏によるが、配偶者以外の異性と二人きりで過ごせば、性交がなくても配偶者への裏切りと感じられることは多い。ただ少し時代を遡れば、特に農耕社会、家父長制社会において、不倫ということばは男性には使われない。繁殖し、家系を残すのは男の義務だったからだ。

2017-09-12 15:10:07
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

とはいえ、堂々と妾を持つことが許された日本や中国であっても、既婚女性と関係を持ってしまえば男性も不倫の烙印を押される。中国では火あぶりになった。インドでは目上の男性の妻を誘惑した男は焼き土下座の上ペニスを切り落とされた。日本でも責任をとるために腹を切ることがあった。

2017-09-12 15:14:25
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

こうした男女で不倫の重さが変わる二重基準が初めて歴史に現れるのはのは紀元前18~11世紀頃に書かれた古代メソポタミアの法典である。不義密通をおかした妻は女性が鼻を切り落とされたが、夫は好きなときに売春婦と遊ぶことができた。罪になるのは他の男性の妻を寝取ったときである。

2017-09-12 15:18:36
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

つまり男性の不倫は「他人の資産の侵害」に当たるときだけ処罰の対象になったのであって、不倫そのものは神への冒涜には該当しなかった。 古代アメリカでは、豊穣祭の時に限って婚外性交渉が当たり前になっていることもあった(これもまた過去の日本に見られる風習である)。

2017-09-12 15:21:45
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

西欧で初めて不倫を罪と捉えたのは、バビロン捕囚後、紀元前五世紀頃からで、ユダヤ人が性慣習と信仰を結びつけるようになった。モーゼの戒律では女性は初夜において処女でなければならないとされた。他にも同性愛、獣姦、服装倒錯、自慰が禁じられたのもこの頃である。

2017-09-12 15:27:05
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

古代ギリシア人も男性は妾や売春婦といくらでも楽しみ、時には若い少年との男色も満喫した。古代ローマ人も放蕩ぶりでは負けていないが、そんなギリシア人、ローマ人の中にも「道徳的だった古きよき時代」を重んじて禁欲を尊ぶものが哲学者や教師などに少数だがいた。

2017-09-12 15:34:28
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

この辺の禁欲思想が不倫を罪とするヘブライ人の考え方と混ざりあって、初期のキリスト教指導者を経由して西欧の人々に広まった。マルコ福音書等によればイエス自身も不倫、離婚、再婚を規律違反としていたようではある。時代が下るにつれてキリスト教社会ではますます性的な禁欲を強めていく。

2017-09-12 15:38:36
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

それでも現代に至るまで浮気、不倫は後を絶たない。アメリカに関して言えば、男女の差もなくなってきている。既婚女性も積極的に、比較的若いうちから不倫をしているのである。

2017-09-12 15:44:07
⚡波島想太🐈 @ele_cat_namy

結婚、不倫、離婚を生物学的に考える(仮題) - Togetterまとめ togetter.com/li/1149947 とりあえずここまでのまとめ。

2017-09-12 15:49:52
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