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2017年9月14日

キリスト教 聖書の悪魔 サタンなど

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TOMITA_Akio @Prokoptas

異教の神々との対決は、先ず異教の神々の価値性を低減させなくてはならない。その方策に松村は4つを挙げる。 1)異教神を悪魔化する。 2)神々の滑稽化(巨人にするか侏儒にするか)。 3)キリスト教の聖人に変化させる。 4)神々の史実化(信仰の対象から歴史の対象に)。

2017-08-29 05:29:05
TOMITA_Akio @Prokoptas

「これらの手段は……苟も基督教が接触する異教のすべてに通じて採用せられたといふ意味に於いて、一般法則として容認せらるべきものである」(松村武雄『神話学論考』)。

2017-08-29 05:30:08
TOMITA_Akio @Prokoptas

ギリシアの神々にはその魔術性が少なかったこと、及びキリスト教以前から「優秀な造形芸術によつて具象化せられ永久化せられてゐた」ことが、キリスト教による悪魔化を阻んだと松村はみる。 対して北欧神話の神々は、徹底的に悪魔化された。その矛先は真っ先に主神オーディンに向けられた、と。

2017-08-30 05:47:16
TOMITA_Akio @Prokoptas

「オーディン神は、その呼称原義からして濃厚にmagicやsorceryの要素を内存させ、「而してこれらの要素は、基督教の最も忌むところのものであり……基督教徒は、オーディンの表象を醜化して、一個の妖術師となした」(『神話学論考』)

2017-08-30 05:47:32
TOMITA_Akio @Prokoptas

「悪魔は荒猟師を率いて夜に馬を駆る。デーモンじみた吠えたける犬に取り巻かれ、サタンとその配下どもは、うつろな角笛を吹き鳴らし、幽霊の馬に乗って森を駆け抜ける。夜に荒野でこの恐ろしい音を耳にした不運な者は、荒猟師を見ることはすなわち死を意味する……」(ラッセル『悪魔の系譜』)。

2017-08-30 05:49:58
TOMITA_Akio @Prokoptas

「悪魔にかかわる新約聖書の観念は、もっぱらヘブライ思想、とりわけ黙示文学の伝統に由来するものである。……悪魔は堕天使である。デーモンたちの首領である。悪の原理である。悪は非存在である。新約聖書はこうした要素を吸収し、洗練させ、変化させたのである」(ラッセル『悪魔の系譜』)。 pic.twitter.com/yljp2EHXjq

2017-08-31 04:02:57
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TOMITA_Akio @Prokoptas

「初期のヘブライ人は天と地のいずれで何が起ころうとも、すべてを神に帰せしめた。ただ一人の善なる神に対立する別個の悪の力の進化は、キリスト誕生の二百年前に始まったにすぎない。……神は……1つの分離不可能な原理のうちに創造と破壊をはらんでいた」(ゴドウィン『天使の世界』)。 pic.twitter.com/oohJVjsvaJ

2017-09-01 04:43:13
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TOMITA_Akio @Prokoptas

「神」はみずから語っている。「我は光をつくり、また暗きを創造す。われは平和をつくり、また禍害を創造す」(イザヤ書45章7)。 ヨブ記では、「サタンはまだ神に敵対する「悪魔」ではなく、神に仕え、人間の行状を調査する検察官的な役目を果たしている」(岩波版訳註)。

2017-09-01 04:47:54
TOMITA_Akio @Prokoptas

新約聖書にみる「悪魔」。「対立者を意味する普通名詞にすぎない」ヘブライ語・アラム語のサタンを、ギリシア語で音訳したΣατανᾶςは、例えば荒れ野の試みの場面に現れる。「サタンよ、退け。主なる汝の神を拝み、ただ神のみを礼拝せよ、と書いてある」(マタイ4:10)。 新約聖書で36回。

2017-09-02 05:54:16
TOMITA_Akio @Prokoptas

サタンの意訳として新約聖書が使うのはδιάβολος。これは「誣告者」の意。マルコは使わない。 この語を使うのは、新約の中では、やや後期に属する諸文書(擬似パウロ書簡、公同書間、黙示録など)の特色」(田川建三)。 ルカ5回、 ヨハネ3回、 マルコ0回 パウロも使わない。 pic.twitter.com/Xb8c80fJ0e

2017-09-02 05:59:25
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TOMITA_Akio @Prokoptas

Βελιάρ。旧約聖書では「無価値・邪悪」を意味する形容語を人格化した。『十二族長の遺訓』に出る。「だから女に気をつけよ。……というのは、〔情交は〕たとえ涜神の行為がなくても、女には不治の病となるし、われわれ男にはベリアルの滅び、永遠の呵責となるからである」(長男ルベン第6章)。

2017-09-03 03:53:15
TOMITA_Akio @Prokoptas

新約では人格化されて、「キリストはベリアルに対してどういう調和があるか」(2コリ6:15)。 具体的な表象は難しかったようだが、図は14世紀の『ベリアルの書』の挿し絵という。向かって左からソロモン王、モーゼ、ベリアル……。 pic.twitter.com/xramxzxCHU

2017-09-03 03:57:33
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TOMITA_Akio @Prokoptas

新約聖書にみる「悪魔」Βεεζεβούλ( Βεελζεβούλ, Βεελζεβούβとも)。 ペリシテ人の都市エクロンの治癒神。アハジャは高殿の欄干から墜ちて病気になったので、使者に、エクロンの神バアル・ゼブブに、病気が治るかどうか尋ねせしめた(列王記下1:2)。 pic.twitter.com/JAMwa5oXkJ

2017-09-04 05:50:05
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TOMITA_Akio @Prokoptas

Βεεζεβούλの語源は、「蝿の主」「館の主」など様々に言われるが、「ベール」とは「バール」神の転訛。 古代人にとって、羽根ある生き物は魂ψυχή(ギリシア語では蝶をも意味する)と同義であった。まして屍体に群がる蝿は、霊魂導師ψυχοπομπόςとして尊崇されていた。 pic.twitter.com/6h6PqK7gvq

2017-09-04 05:53:00
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TOMITA_Akio @Prokoptas

そのうえ、蝿の幼虫=蛆は、(南洋で戦った日本兵の体験談にあるとおり)化膿した傷の膿を綺麗にしてくれる医神でもあった。 キリスト教の戦いとは、古来の治癒神アスクレピオスとイエス・キリストとの「治癒神」同士の戦いだと山形孝夫の論考。これは最高に面白かった!

2017-09-04 05:54:31
TOMITA_Akio @Prokoptas

新約聖書にみる「悪魔」。 底知れぬ所の使い、その名をヘブル語でアバドンといい、ギリシア語ではアポルオンという(ヨハネ黙示録9:11)。 Ἀβαδδών はヘブライ語「ペシッタ」穴の抗(詩篇55:24)の意訳。 pic.twitter.com/ovaofJqNvS

2017-09-05 05:32:41
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TOMITA_Akio @Prokoptas

「アポルオン」は、アポッローンἈπόλλωνを、「破滅させる」意の動詞ἀπόλλυμιとの語呂合わせによって悪魔化。 異教の神アポッローンの悪魔化とともに、発想の根にはゾロアスター教の「岩中の太陽」からの連想が働いていたと考えられる。

2017-09-05 05:35:03
TOMITA_Akio @Prokoptas

ラッセル『悪魔の系譜』は言う、「悪魔とデーモンどもの出自はまったく異なっている。デーモンが近東の下位の悪霊から派生する一方、悪魔はヘブライのマラク、主の影、マズダー教徒の悪の原理から派生する。デーモンは下位の霊であって、悪魔は悪そのものの人格化である。

2017-09-06 05:20:54
TOMITA_Akio @Prokoptas

新約聖書はディアボロスδιάβολοςとδαίμων(その縮小辞であるδαιμόνιον)とを区別することで、その差異を維持したが、この区別はしばしばぼやけ、多くの英訳がダイモニオンを「悪魔」と翻訳することで、区別をさらに混乱させている。

2017-09-06 05:21:33
TOMITA_Akio @Prokoptas

……悪魔をデーモンと融合させる傾向には2つの源泉があった。1つは後期ヘレニズムの哲学伝統であり、あるレヴェルの霊が神と人類の間に存在するとしたが、こうした霊には善なるものも悪なるものもいる。このヘレニズムの分類は、サタンを他の悪霊たちとともに、ダイモニアの範疇にまとめたのである。

2017-09-06 05:22:41
TOMITA_Akio @Prokoptas

悪魔とデーモンとを融合させる第2の源は、堕天使にまつわる後期ヘブライの伝統である。始め、200柱の天使たちが堕天した次第は『エノク書』に詳しい。その数は13世紀の記録では133306668柱にまで増えたが、まだ天使の2//3は神に忠誠を保っていたという(ゴドウィン『天使の世界』) pic.twitter.com/Nao8pLnrsO

2017-09-07 05:36:32
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TOMITA_Akio @Prokoptas

天使堕天の理由は、7つの伝説にうかがえる。 伝説1「神の影」 悪魔は神の影にすぎない。神の威光が増せば増すほど、その影も闇を深くしてゆく。新約聖書がまとめられた頃には、影はハ=サタン、つまり善でも悪でもない対立者という中間段階を経て、善なる神の対立者であるサタンになっていた。

2017-09-07 05:40:11
TOMITA_Akio @Prokoptas

旧約では、エジプトの初子を殺し、愛する息子イサクを生け贄に捧げるよう命じたのは神自身である。それから1世紀たたないうちに、『ヨベル書』17:16では、そそのかしたのが悪魔マステマ(ギリシア語表記はΜαστιφάμ)ということになる。

2017-09-07 05:44:07
TOMITA_Akio @Prokoptas

伝説2「自由意思」。 最も影響力のあった神学者の一人オリゲネスの主張では、天使たちは自由意志によって神との合一から離れ、下界の大気に堕ち、さらに堕ちて人間の体をまとい、最も遠くまで堕ちたものがデーモンになったという。オリゲネスはエピファニオスによって最大の異端と断じられた。 pic.twitter.com/7fdPdv7kjR

2017-09-08 05:17:55
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TOMITA_Akio @Prokoptas

伝説3「欲情」。 『エノク』は200柱のベネ・ハ・エロヒム(見張る者、もしくは神の子)を挙げ、彼らが12000年前にヘルモン山にくだったとした。……問題なのは、彼らの過度な教育活動に、思いがけずもアダムの娘たちとの姦淫まで含まれていたことである(ゴドウィン)。

2017-09-09 03:52:38
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