前島賢氏の語る、パラメーターやレベルなどのRPG的表現を直接作品内に持ち込んだ最初期の例としての『魍魎戦記MADARA』 「エイジの先見の明には恥じ入るばかりである」

まとめました。
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リンク はてな匿名ダイアリー 物語におけるキャラクタ能力のパラメタ化への違和感 もしくはキャラクタとスキルシステムについて。いつの頃からか分からないけれど、物語(特に異世界転生系)の中でスキルという概念が確立されてき… 147 users 5
前島賢(大樹連司) @MAEZIMAS

主にSFとライトノベルを中心に活動するライター。 大樹連司名義で小説、アニメ脚本、ゲームシナリオ等。 著作:amzn.to/4aUCigp amzn.to/3xt120P  連絡先:maexima@gmail.com amazonアソシエイト利用中。

MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

RPG的なステータスを別媒体に持ち込んだ最初期の例は『魍魎戦記MADARA』(1987)だと思う。 anond.hatelabo.jp/20170913234644

2017-09-14 19:34:11
リンク Wikipedia 魍魎戦記MADARA 『魍魎戦記MADARA』(もうりょうせんきまだら)は、MADARA PROJECTによる漫画。1987年からゲーム雑誌『マル勝ファミコン』に連載された。魍魎戦記MADARAシリーズの第1作目であり、続編と区別するために『摩陀羅壱』とも呼ばれる。小説・コンピュータRPG・OVA・ラジオドラマ等へ幅広く展開した、メディアミックスの先駆け的作品である。MADARA PROJECTとはシリーズの制作者集団を指し、連載当時は原作の大塚英志、作画の田島昭宇、世界設定担当の阿賀伸宏(当時は工画堂スタジオ所属)の3人であ 3
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

この時点で大塚英志はRPGのウケる理由を、「ファンタジーだから」じゃなくて「強さがパラメータとして数字化され、増えたり減ったりすること」だと見抜いてたんだと思う。

2017-09-14 19:35:32
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

TRPGやCRPG発のファンタジー小説の書き手には、「レベル」や「能力値」といった数字はゲームにおける便宜的なもので、小説には出すべきではない、という意識があったのではないか。『ロードス』や『ルナル』にはレベルやスキルと言った言葉は確か出てこなかったはず。

2017-09-14 19:37:49
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

Wizノベライズの金字塔『隣あわせの灰と青春』には主人公がレベル13になったみたいな表現が出てくるけれど、確かに書き手のベニ松先生自身が新装版のあとがきかどこかで「稚拙な表現だった」と言っていた記憶があるし、事実、続編の『風よ、龍に届いているか』ではレベルという表現はなくなる。

2017-09-14 19:40:46
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

しかしながら現在の『SAO』をはじめとするMMOものや異世界ファンタジーの流行を見るに、多くの読者が求めていたのは「あえてレベルと書かない、うまい小説」ではなく「敵を倒すと経験値という数字が増加しレベルやスキルが上がる」というゲーム的な世界観だったと言っていいんじゃないか。

2017-09-14 19:43:21
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

俺は書くときも読むときも、そういう「小説のうまさ」を求めてしまう人間で、「レベルが上がった」「スキルを獲得した」という表現は直接的に過ぎるなぁと思ってしまうタイプだったので、エイジの先見の明には恥じ入るばかりである。

2017-09-14 19:54:36
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

多分派生して『Fate/stay night』のステタース表記と、TRPG、JRPGとの関連と、それの『FGO』への貢献、みたいな話もできると思うのですが、これはもっと詳しく精緻にやれる方々がいくらでもいると思われますので、お任せします。

2017-09-14 19:56:40
SAGA @menuhin

@MAEZIMAS アリスソフトのランスシリーズはいかがでしょうか? あれはゲームそのものではありますが、能力を便宜的に表したものに過ぎなかったはずのパラメータをシナリオ上でそのまま扱ってるという特異さがあると思います。

2017-09-14 19:58:48
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

一応、補足するけどここの「うまい」は「レベルとか経験値といった概念は小説で出してはいけない等々の暗黙のお作法、制度」ぐらいの意味で、僕が本気でスキルやレベルという概念の出てくる小説は質が低い、ヘタと考えているわけではないからね。 twitter.com/EGFinal_mada/s…

2017-09-14 20:10:00
はがねてつろ⋈ @HaganeTeturo

@MAEZIMAS 私の連想した『フォーチュン・クエスト』も『魍魎戦記MADARA』と同じところから生まれたみたいです >元々『フォーチュン・クエスト』はマル勝ファミコンの増刊号「魍魎戦記MADARA」内にキャラクター紹介及び冒頭部分が掲載されていた ja.wikipedia.org/w/index.php?ti… pic.twitter.com/SZQlog7Vbq

2017-09-14 20:18:25
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MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

@HaganeTeturo おお、ありがとうございます。「『フォーチュン・クエスト』は例外的にレベルなどのゲーム的概念をそのまま本文中で扱ってしまう小説」と補足して置くべきだったかなと考えていたのですが、出所が一緒だったとは。

2017-09-14 20:20:28
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

@menuhin おっしゃるとおり、ランスはそういうRPG的概念をシナリオで扱っていますね、僕も十ゴニョゴニョ歳の時にプレイして衝撃を受けました。

2017-09-14 20:24:48
読みづらい文章 @jirisan_524391

前島先生のこの話は確かに納得できる。文章の表現を工夫するのが本という表現の形式であって、表現の形式が変われば中身も変わる。だからそれがゲームなら数字になる。本なら文章表現になる。だが、ゲーム小説という言葉もあるように(そういう意味ではないかこの語は…)、その境目は曖昧になってきて

2017-09-14 20:35:16
MAEJIMA Satoshi @MAEZIMAS

思えば『電撃ゲーム小説大賞』なんて言っていた電撃文庫が最初に求めていたのは秋山瑞人や古橋秀之や上遠野浩平ではなく、今で言う「なろう小説」みたいなものだったのかもしれない……。そしてようやく『SAO』が出てくる頃には「ゲーム小説」の名はなくなっていた……

2017-09-14 20:41:08

リンク b.hatena.ne.jp 『前島賢氏の語る、パラメーターやレベルなどのRPG的表現を直接作品内に持ち込んだ最初期の例としての『魍魎戦記MADARA』 「エイジの先見の明には恥じ入るばかりである」 - Togetterまとめ』へのコメント babamin: ちなみにMADARAのコマ内の『パラメーター表示』は、復刻版コミック以降は全部削除されてる。原作の大塚英志は自他共に認めるファミコン音痴なので、作中に露骨なゲーム的表現を出すのは、実は不本意だった可能性も大。

「ちなみにMADARAのコマ内の『パラメーター表示』は、復刻版コミック以降は全部削除されてる。原作の大塚英志は自他共に認めるファミコン音痴なので、作中に露骨なゲーム的表現を出すのは、実は不本意だった可能性も大。」