たゆさいのお話。「アリクル砂漠サルモール秘密基地の戦い」その3

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たゆさい @tayusai

たゆさいのお話。 「アリクル砂漠サルモール秘密基地の戦い」その3 pic.twitter.com/s0eNwhFdbE

2017-09-14 23:46:19
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たゆさい @tayusai

『前回までのあらすじ』 これはオタマがスカイリムに向かう1年前の話。ハンマーフェルでの工作活動を行うサルモール砦を強襲したオタマ・ブランシェは駐在するサルモール戦士達を次々と虐殺する。彼等にも様々な境遇があり、想いがある。だがオタマはそれを容赦無く踏みにじり、蹂躙し突き進む。

2017-09-14 23:50:41
たゆさい @tayusai

彼女の目的は何か? それはサルモールがハンマーフェルで行う活動記録と予定表、その連絡手段等を奪取することだ。これを公にすればハンマーフェルを自治領に加えんとするサルモールの思惑は大きく退く事になる。オタマは傭兵としてこれを強奪しに向かったのである。

2017-09-14 23:54:50
たゆさい @tayusai

「おい、状況はどうなっている!?」「1階に戦力を集中させておりますが敵いません!このままではこの司令室を突破されるのも時間の問題です!」ここは秘密基地内のサルモール司令部。膨大な量の活動記録が記された羊皮紙が暖炉の火で燃やされ中は煙で満たされている。1

2017-09-14 23:58:05
たゆさい @tayusai

「資料の焼却はまだか!?」「火炎術師による焼却を急がしていますが何分膨大なもので。重要書類の類は魂石にバックアップを取り他は既に処分しましたが」「その魂石が奪われたら結局は解析されてしまうぞ!脱出口の確保はできたか?」秘密基地の隊長らしきハイエルフが冷や汗をかきつつ叫ぶ。2

2017-09-15 00:00:47
たゆさい @tayusai

「第一非常脱出路は既に破壊され第二脱出路にも情報によると伏兵がいるとの事……」「ええい! やはりあの侵入者一人だけでは無かったか。アリクルめがッ!」隊長は苛立ちながら机の資料を両手でひっくり返したその時、キュイイイイン……。突然奇妙な音が司令部に響く。3

2017-09-15 00:06:12
たゆさい @tayusai

「な、なんだ!?侵入者か?」隊長が慌ててきょろきょろと周囲を見回す。すると、バグォボボボッ!突如謎の稲妻を放つ物体が司令部の天井を突き抜け、机と資料、何人かの憐れなサルモール非戦闘員をバラバラにして落下したではないか!「オワアアアェェッ!」隊長は悲鳴を上げる!4

2017-09-15 00:11:49
たゆさい @tayusai

「いやいや、申し訳ありません。この様な急な登場で。しかし火急の事態であると本部が言われた為、私こうして”飛んで”来たので、どうかお許し願いたい」その物体の正体はサルモールの高官のローブを纏った男だ!「あ……あなたは……?」隊長は腰を抜かしながら問う。5

2017-09-15 00:19:40
たゆさい @tayusai

「申し遅れました。私、サルモール第一級魔闘士を務めさせて頂いております『ウリフォン』といいます。今回この秘密基地に襲撃しているのが特別危険指定人物として名を挙げられている「オタマ・ブランシェ」であると報告がありましたので、この私直々に抹殺する次第となりました」6 pic.twitter.com/wiN3Dab9rd

2017-09-15 00:28:30
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たゆさい @tayusai

「お、おお、おおお、そうですか。とにかく本部からの救援となればこれほど心強い事はありません。どうかこの秘密基地に侵入するあの女を抹殺してくだされい!」隊長は深々と頭を下げる。しかし!ウルフォンは容赦なく隊長の下げた頭を電撃を帯びた手刀で跳ね飛ばした!残虐!7

2017-09-15 00:31:12
たゆさい @tayusai

「ボロバッ!」隊長の首が断末魔の叫びを上げて司令室を飛ぶ。「当然侵入を許した貴方に罰を下す命令もこの私受けておりますので、どうかお許しを」ウルフォンは腰を90度曲げたまま首からぴゅうぴゅうと血を噴出する隊長に頭を下げ、1階で戦士達を虐殺する怪物に意識を向ける。8

2017-09-15 00:34:21
たゆさい @tayusai

その頃、サルモール砦の1階は地獄と化していた。「ガバラッ!」「べギャッ!」戦士は次々とマジカの怪物に殺戮されていた。逃げようとする者は後ろから魔法弾に当てられて死ぬ。立ち向かう者も死ぬ。命乞いする者も死ぬ。この場に存在する全ての生命が唯一人を除いて生存を許されていなかった。9 pic.twitter.com/42LmQzzBf8

2017-09-15 00:44:48
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たゆさい @tayusai

「おいおいその程度かサルモールってのはよぉ!よくこれで高等生物名乗れたもんだなぁ。エエッ!」怪物オタマは喜悦の表情を浮かべる。この戦いで貰うであろう多額の報酬。そして初めて戦うサルモール戦士達の強さの程が知れ、己の力を改めて知るその喜びに酔っているのだ。10 pic.twitter.com/PKVCWlUrA8

2017-09-15 00:52:37
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たゆさい @tayusai

オタマは魔法の力を信じている。魔法の可能性を。己はどこまで強くなれるのか。この力をどこまで広める事ができるのか。この力がどれほどの利益をもたらすのか。オタマはその全ての限界に挑む。その為に戦う。このサルモール基地襲撃はその挑戦の一環だ。11

2017-09-15 00:56:53
たゆさい @tayusai

「アアアアッ!」「アアアアッ!」戦士達が悲鳴を上げ、彼等が守る筈の司令部へ続く階段へ逃走する。すると「アギャギャギャギャッ!」「ガガガグババァッ!」戦士達は突然雷光に覆われ、原子レベルで分解されてしまった。そして一人の電撃纏うハイエルフが奥から現れた。12 pic.twitter.com/VVDLtM8gUY

2017-09-15 01:01:13
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たゆさい @tayusai

「おやおやいけませんねぇ。この砦を死守しろと命令を受けていた筈。それを無視するとはアルドメリの戦士としてあるまじき行い」男はオタマを見る。オタマはじっと睨む。「ほほう、貴方が、オタマ・ブランシェですか。お聞きする報告から想像できぬ、何とも可憐な御姿でございますね」13

2017-09-15 01:05:43
たゆさい @tayusai

「それはそれは、褒めてくださりどうも」オタマは睨んだ表情のまま、この男の強さを放つマジカから読み取る。かつて対峙した事が無い程の強敵。今の自分と互角……いや、それ以上か。オタマは口角を上げる。「面白い。こういうのがいなきゃね」14

2017-09-15 01:09:40
たゆさい @tayusai

オタマは再び体内のマジカを練り上げる。身体から火の如きマジカが放出する。男も一切動じず、即座に魔弾を放てる姿勢を取り、名乗りを上げる。「私の名前はウルフォン。以後、お見知りおきを……」空間全体に殺意が満ちる。恐るべき怪物同士の闘いが今、始まる。15 pic.twitter.com/irpb264sQr

2017-09-15 01:14:04
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