「少年向け物語における「敵」について」
- DecoponMAGI
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「思想地図vol.4」大体読んだ。なんか非常に面白かった。エヴァ破とか村上春樹とか扱ってたですよ。他の記事も面白かったし、お得な雑誌だった。http://d.hatena.ne.jp/episode_zero/20091129/p1
2009-12-01 11:53:37磨き上げられた結晶のように完成度の高い作品より、あっちこっちを向いて統一感のないジャンクの集積のような作品のほうが可能性があると言ってるんですよ。う~ん、正しいと思うなあ。
2009-12-01 17:15:59とは言え俺もコードギアスが内容に比して、あのデザインの統一感のなさ洗練のなさ、と言うか画的な世界観のなさはどうなんだろう、と思ってたんだけど、こう言われると納得してしまう。なるほどなあ。
2009-12-01 17:19:37それはそうと「敵」について………思想地図vol.4座談会「物語とアニメーションの未来」 「今「敵」はどこにいるのか」から
2009-12-01 17:24:37黒瀬陽平「現在では、アニメの物語内において「敵」や「悪」を設定することそのものが困難になっていると言われますが」
2009-12-01 17:26:09氷川竜介「大きく言えば冷戦体制後、そもそも世界に敵がいなくなったという大状況が、まずあると思います。その後の紆余曲折は、アニメの物語の「敵」のつくりにくさにも波及していると思います。」
2009-12-01 17:28:02宇野常寛「(サマーウォーズは)やっぱり「敵」の設定には失敗している気がします。(中略)無意識の回避に近いと思うんですよ。スタッフに聞いたら「敵を書きたくなかった」と言うかもしれないけど、実は書けなかったということだと思います。」
2009-12-01 17:30:49山本寛「敵を措定して物語を作るのはもう限界に来ていると思います。細田さんも見つからなかったんじゃないでしょうか。敵を措定して物語をつくるのはそろそろ諦めた方が良いですね。」
2009-12-01 17:33:46座談会面白かったけど、エヴァ破の話はみんなで話した王道回帰のほうが建設的な話だったような気がするなあ。しかし山本寛の↑この話はとても重要な気がする。
2009-12-01 17:37:36山本「日本のアニメは子供しか描けないという話しがありましたが、ごく単純に、子供ではない年代の人物を入れていくだけでも違うと僕は思っています。」
2009-12-01 17:38:44東浩紀「さらに付け加えれば、日本のアニメでは年齢だけではなく、階級や民族の引き出しもほとんど封印されている。これだとさすがに強い物語がつくれないとは思います。」
2009-12-01 17:40:07海外ドラマの「グレイズアナトミー」とか階級民族の話はバンバン出てきてまたそれがさわやかで面白いからなあ。もともと階級民族の意識が希薄な上に、変な自粛癖が日本の特にメジャー媒体にはあるんですよね。…これはもうどうしようもない所なのかも知れないけど。
2009-12-01 17:42:44でも、階級や民族ってのがあるだけで、物語ってのはぐっとロマンチックになるんですよね…。エンタメ的にも絶対いいのに…。うーん。架空世界をガッチリ作って階級とか書いてるのはFSSですが。
2009-12-01 17:47:10このエンタメ業界の階級や民族や宗教に対する自粛癖って、民族性なのか、敗戦のせいなのか、一億総中流化のせいなのか、…なんなんでしょうね。
2009-12-01 17:49:11架空世界なら民族や階級も宗教もいける。でも架空世界は敷居が高い。うむ、手詰まり(笑)それに、架空世界の宗教とかってやっぱ陳腐になりがちですよね。ホンモノは歴史も重層性も世界の深部への到達度も桁違いだからなあ。
2009-12-01 17:51:53「グレイズアナトミー」とかだとアーミッシュの女の子とかが患者として出てくるだけで、(アーミッシュについて詳しく知らなくても)パッとその子の背景の物語が想像できたりするんですよね。
2009-12-01 17:54:50結構ガーンと来た。思想地図vol.4東浩紀「二〇世紀の公共性やリベラリズムは、どこまで「遠い」他者を許容できるかということをひとつの原理にして進んできた。~しかしよく考えてみると、いま僕達に最も必要なのはむしろ「近くの他者」への寛容なのですね。」……あぐぐ。
2009-12-02 01:57:29これを読んで藤子不二雄の変遷を追った批評を思い出した。藤子作品の敵は「海の王子」の悪の秘密組織と言う外部の「敵」から、「ドラえもん」のジャイアンのような日常の中の「いじめっ子」へ「洗練」されていったと言う。漫画の文脈では藤子先生が既に乗り越えられた道だったのかもしれないなあ。
2009-12-02 02:05:39どんな社会活動も、世界を救うと言うような大きな目標も全ては趣味の問題に過ぎない。クラブ活動と同じ。あえて、少年に向けて、マクロを書くことに意味はあるのか。…やっぱりないのかも知れないなあ。
2009-12-02 02:10:23「敵」…やはり「敵」はネックですね。考えてみればこの間の王の話と言うのに、「敵」は必要じゃないんですよ。少なくともマクロのエネミーとしての「敵」は必要じゃない。打ち勝たなくちゃいけないのはライバルか自分ですよね。
2009-12-02 02:22:50