東方天空璋と被差別民の神としての摩多羅神について

まとめました。
天空璋 摩多羅神 東方 ゲーム
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蛍光流動 @fluorescentflow
天空璋の話。本編のスペカで回収されてない「被差別民の神」について。
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こないだの摩多羅神と天狗の相関図を微修正しました。大した点ではないが以降の話と関連があるので。 pic.twitter.com/kOCE70e4Dn
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参考文献は、主として谷川健一「賤民の異神と芸能」(河出書房, 2009) 左から二冊目。 twitter.com/fluorescentflo…
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主にこの4枚の台詞の解釈について。多分ネットの情報だと厳しいと思う。 pic.twitter.com/RXYjs3dMqG
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デリケートな話かつ、文献によって解釈が別れる話なので大っぴらに扱うのもあれだけど、入手が難しい摩多羅神関係の本を集めちゃった分、まとめないのも良くないので。
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ざっと私が引っかかった疑問と一応の推論を並べます。
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Q1.障碍の「民」とは誰のことか? (ふつう神と民が混同されることはない)
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A1.村の境界の民=山の民・川の民のこと。 天空璋の背景には、平地を耕し穀物を喰らう「里の民」と農地を持たず蛋白を喰らう「境界の民」の対立構造がある。村々の境界に位置する山や川に住む狩猟民は、人畜問わず流血を穢れとして嫌う中世日本では差別対象であった。
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同時に「境界」自体が魔を呼ぶものとして畏れられており、「岐の神」「塞の神」「道祖神」は境界や余所から魔が入るのを防ぐために配置された「障碍神」である。天狗のルーツの一つである猿田彦がクナト大神の子である点で同根であり、後述する「岐の神」と「宿神」も同根である。
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Q2.境界の「民」としての天狗とは?
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A2.天狗のルーツの一つの修験道者。山林修行を通し、鉱脈や水脈を発見する。鉱山を所有し、賤民をもって採掘をさせていたともされる。起源である役小角が在家を通したため、山伏のうち優婆塞(在家の信者)の占める割合は多い。明治以後、在家の山伏の家系も差別の対象であったとか。
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Q3.「河原者」のルーツは?
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A3.概ね以下であるが、それ以外にも多くある。鉱山の金掘り(鉱脈の枯渇により一部が浮浪)、鉱石運搬のための川の渡し守、勧進を行う俗聖(改心する猟師)、牛馬の処理および皮革業、クグツ(=莎草で編んだ籠を担ぐ者)→人形芸人、クチヨセ系(=イタコ・狐憑き)の歩き巫女。
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Q4.「宿神」は何の神か? (文献によっては星宿神=星神を示すがそれ以外の面として)
蛍光流動 @fluorescentflow
A4.村境に配置された「産所」を起源とする「夙=宿」に集う河原者の信仰のこと。流血を伴う出産は中世日本では穢れであり、村境界に仮屋を建てて留まった。出産の後に上記の河原者が住み着いたのが宿の起源。宿で信仰を得たのが地主神(境界の地主神=岐の神)であり、「宿神」と呼ばれる。
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宿に留まる芸能者の神「宿神」と、「翁」による祭祀の祖である秦河勝、河勝の流された先の播磨の地主神が結びついて、摩多羅神の日本サイドの源流となる。これに円仁の帰朝時の神や、各種荒神、仏教・道教との習合により摩多羅神としてまとめられることとなる。
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以上を踏まえて本編について
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Q5.なぜExtraの隠岐奈はフランクなのか?キャラ変わり過ぎじゃない?
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A5.自機側が「境界の民=同類」まで落ちてきてくれたから。6面の自機は四季の魔力を背負い「里の民」として来たから邪険に扱った。基本的に差別民が被差別民を「退治」することは許されないため、6面で自機達は負ける必要があった。
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EXの自機は「土用」という、(今作のExtraだから使えたものの)、普通なら使い勝手が極めて悪い「境界」の魔力を背負ってきたから信頼した。被差別民の秘密は被差別民にしか明かさないのは当然であり、自機が自分と同じ「境界の民」まで落ちてきたから親切になった。
蛍光流動 @fluorescentflow
落ちるといっても、自機キャラの素性は「巫女」「森の隠者」「不自然な妖精」「天狗」とかいう、もともと「境界の民」そのものなのだから、同類と認識しただけの話かもしれない。
蛍光流動 @fluorescentflow
Q6.なぜ摩多羅神に四季の能力が関連付けられたのか? (北斗七星は通年天空にあるからどの季節にも対応可能とは別にして)
蛍光流動 @fluorescentflow
A6.摩多羅神の文献には関連性はほとんどないが、おそらく(四季)=「里の民」、(土用)=「境界の民」を印象づけるための隠喩。または、天狗を追い払う為に狂った天狗の真似をする摩多羅神の特性上、自身を隠して里の民を追い払うために、各季節の魔法の狂った部分を見せつけてみせた。
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Q7.なぜ射命丸だけが自分で土用を集められたのか?
蛍光流動 @fluorescentflow
A7.天空璋を通して最も「河原者」であったのは彼女。対戦前の皮肉が通例の東方作品とは言え、各面ボスに「天狗だから」という理由で謂れのない怨嗟を浴びせられる事態。二つ名は「里に最も近い」天狗、集落の外縁は被差別民の主な住処、そして「宿神」の信仰の源。
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