私の文章修行~「手紙」は逃げも隠れもできない、スパルタな文章能力向上の手段である

ふと、自分の「文章修行」について思い出したので書いてみました。「手紙」は「常に本番」であることにおいて、逃げも隠れもできないメディアだと思っています。
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barbara_asuka 1307view 0コメント
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  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 18:44:11
    私の文章修行は、間違いなく「手紙」であったと思う。文通が好きで、人をつかまえては手紙を送りつけていた。小学生の時は佐々木淳子先生に毎週ファンレターを書き、中学でさだまさしのおっかけを始めてからは信田かずお氏にファンレターを書いた。 amzn.to/2jPuQOY
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 18:50:28
    手紙と日記の違いは、「読者の有無」である。日記は基本、自分しか読まないし、人に見せる内容でもない。しかし手紙は、一人ではいるが読者がいる。極めてパーソナルなメディアではあるが、一人に見せるということは、全世界に見せるのと実は大差ない。その事実は、私に膨大な手紙を書かせた。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:01:08
    文通でもファンレターでも同じだけれど、書く相手は少なくとも程度の差こそあれ、「好意を持っている人」である。嫌われたくはない。だからおもしろい、興味深い内容を書かなければならない。誰に強制されたわけでもないけれど、私は頭をひねって「おもしろく、興味深い手紙」を書くことに没頭した。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:01:28
    その頃、念頭にあったのは、小説「あしながおじさん」である。実は、今日まで私は「あしながおじさん」を読んだことはない。ただ、「あしながおじさん」のことは、中学の「学力テストの課題文」で知っていた。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:01:55
    えっ、と思われるかもしれないが、「学力テストの課題文」をなめてはいけない。世界の狭い中学生が、「何の接点もない事柄」を知るチャンネルは限られている。特に、ネットもなかった時代である。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:02:04
    さらに、テストに使われるくらいであるから、歴とした人が書いた文章ばかりだ。私は「課題文」で、例えばウォルト・ディズニーやスティービー・ワンダーのことを知ったのである。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:02:34
    それで、「あしながおじさん」は、「手紙形式で綴られた文学」であると知った私は、気分だけはジュディになりきって、せっせと手紙を書き続けた。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:02:46
    文通は返事が来ないと次が書けない。目的が「コミュニケーション」でなく、「手紙を書くこと」になっていた私が、文通よりもファンレターに没頭していくことになったのは当然のなりゆきであった。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:03:07
    ファンレターの重要な点は「返事が来ない」という点である。文通であれば間違ったことを書けば指摘ももらえるし、つまらなければ苦情も言われるだろう。しかし、ファンレターは「返事が来ない」だけに、クオリティ管理は自分自身の手にゆだねられる。ひたすら推敲するしかない。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:03:33
    当時の私は「推敲」という言葉など知らなかったが、一度書いた手紙を何度も読み返し、誤字がないか、句読点の量は適切か、接続詞はおかしくないか、内容は充分におもしろいか、読後感は悪くないか、一生懸命チェックした。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:03:47
    何しろ読ませる相手が「とても好きな、憧れの人」である。粗相があってはいけない。正直、今書いている仕事の文章なんかよりもずっと、詳細に推敲したのではないか、と思っている。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:04:22
    さて、高校に上がり、好きな人ができると、当然のごとく手紙を書く対象はそちらに移った。「ファンレター」と言えば聞こえはいいが、返事も来なければ縁もない相手である。まあ、はっきり言えば、書いた後のことは考えなくて良い。しかし「好きな人」に書く手紙は違う。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:04:36
    内容がおもしろく興味深いことに加えて、「最終的には、好意を持たれなければならない」というミッションが追加される。ハードルがまた一段と上がったわけである。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:04:58
    たまたま、その、好きになった人は、同じ高校に在学しておらず、いわゆる「OB」であった。さすがの私も、同じ高校で毎日顔をつきあわす相手であれば手紙なんか書かない。私はその人にせっせと、いわゆる「ラブレター」を送ったわけである。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:05:45
    ここでの重要な点は、「ラブレターの相手が、返事を書くような人ではなかった」ということである。書いても書いても返事は来ない。つまり「文通」ではなかったわけで、書こうと思えば書きたいだけ書くことはできた。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:05:53
    しかし相手と交流がないわけではない、という、ファンレターのようでありラブレターでもある、よくわからない手紙、であった。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:06:21
    もうひとつ重要な点があって、「相手は、モテる男性」であったのは大きかったと思う。「モテる人」は、モテることを特別と思ってはいない。空気のように当たり前のことと思っている。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:06:45
    名著『平成ノ歩キ方』に、「初心者が求愛するなら、まずはモテモテの女性で練習しろ」というようなことが書いてあったと記憶しているが、それは正しい。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:07:03
    モテる男性にとって、「ラブレターをもらう」ということは、蚊に食われるほどの異変ですらないのだ。だから彼には、私の手紙を黙って受け取り、読むくらいの余裕があった。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:07:28
    さて、相手の返事を待つ必要はないが、あまり頻繁に送ってもまずい。高校時代の私は、自分では頭がいいつもりであっても、今にして思えば相当のバカだったと思うが、まあ、そのくらいの頭はあったようだ。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:07:58
    頻度は週に一通、多くて二通。手紙にはともすれば怨念がこもりやすく、「差し出す頻度」には気を遣った。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:08:20
    さすがに私も、相手から「迷惑だ」と言われれば、ラブレターを書くのをやめただろう。しかし相手は言わなかった。「返事を書かなくて良い」のであれば、内容さえおもしろければ問題はない。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:08:31
    もし手紙に多少でも「怨念めいたもの」がこもっていれば即「迷惑だ」と言われたのだろうけれど、そんなものが入っていたら絶対にまずい、ということは、それまでのファンレターの経験でわかっていた。
  • バーバラ・アスカ @barbara_asuka 2017-09-22 21:08:58
    「あなたを愛しているのです」 「それは主題(テーマ)でございますわ。それに文(あや)をおつけになって。文を」 というのは、名作「シラノ・ド・ベルジュラック」のワンシーンであるが、ラブレターの極意としてこれ以上の言葉はない。

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