こじらせていたリーマン不定期更新9

4
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろおそ松が、チョロ松の実家の前に立つ頃

2017-09-18 11:01:16
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「ふつーのマンションだなあ」 「普通じゃないマンションって逆にどんなの?」 二人そろって電車に揺られて数十分。たどり着いたのは、小奇麗なマンションだった。…ここが、チョロ松の実家。

2017-09-18 11:01:36
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「高校のときに引っ越して来たから、あんまり実家って感じはしないんだけどね」 ああ、なるほど。道理で新しいわけだ。築十年未満って感じ。エントランスを潜って、エレベーターを待つ。

2017-09-18 11:02:08
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

今日ここに来たのは他でもない。チョロ松のご両親に挨拶に来たのだ。つっても、結婚とかそういうわけじゃないけどね。ただ単に、一緒に住むにあたり顔を見せておいた方が良いだろうという、チョロ松の判断だ。ちなみに、俺ん家の両親は『あの面倒見のいい友達?いいんじゃない?』みたいな反応だった。

2017-09-18 11:04:10
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

親御さんには『会社の中の良い同僚で、家賃や通勤時間諸々の利害が一致するため、ルームシェアをする』…という風に説明はしてあるらしい。とはいえやっぱ緊張するなー。チョロ松の親御さん。どんな人なんだろう。

2017-09-18 11:04:23
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そうして、音もなく降りてきたエレベーターに乗り込んだ。

2017-09-18 11:05:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろ二人がテーブルにつく頃

2017-09-18 11:08:05
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「あれ?父さんは?」 「急に予定が入ったんだよ。僕は代わり」 チョロ松の家にお邪魔すると、迎えてくれたのはお母さんとトド松だった。我がもの顔でテーブルにつくトド松が座っている席は、普段は父親のものなんだろう。 「なんの代わりだよ」 チョロ松が苦笑する。

2017-09-18 11:10:06
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「いらっしゃい。はじめまして、チョロ松の母です。なんだかお世話になるみたいで」 「あ、はじめまして。松野おそ松です。俺の方こそチョロ松には仕事でいつも世話になってて」 当たり障りのない挨拶をしながら会釈する。促されてトド松と同じくテーブルにつくと、暖かいお茶が出された。

2017-09-18 11:10:14
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「チョロ松くん、なんでそんなにかしこまってるの?自分の家なのに」 お母さんがふふふと笑う。普通に美人なお母さんだった。俺のとこのとはえらい違いだ…なんていったら母さんに怒られるか。いやでも同年代だったら絶対好み…なんていったらこれはチョロ松に怒られるか。

2017-09-18 11:11:05
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「…かしこまってるように見える?」 「がっちがちじゃんチョロ松兄さん。あれでしょ、友達なんて滅多に家に連れてこないもんね。だから緊張してるんだ。チョロ松兄さん友達少ないし」 「う、うるさいな」 憎まれ口を叩くが、トド松なりの助け舟だろう。

2017-09-18 11:12:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そう、何も緊張することは無いんだ。俺はただの友達で、たまたまチョロ松と同居することになった。だからちょっと顔を見せに来ただけなんだ。変に硬くなると、逆に怪しまれるだろう。いや、怪しいも何もないんだけど。

2017-09-18 11:13:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「もう聞いてると思うんですけど、俺こいつと住まわせてもらうんで」 「ええ。いきなりでちょっとびっくりしちゃったけど…。トド松くんもあなたなら大丈夫って言うし、チョロ松くんももう大人だもんね。お母さんに反対する理由はないわ」 トド松がぱちっとウィンクする。こりゃあとでたかられるな。

2017-09-18 11:15:07
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「チョロ松くん、おそ松さんに迷惑かけちゃだめよ?」 「わかってるよ母さん」 どうでもいいけど、お母さんは子供たちにくん付するんだなあ。俺も今度呼んでみようかな。チョロ松くん~♡って。…絶対怒られるな。

2017-09-18 11:15:16
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

意外とあっさり挨拶済んだし、これからどうしようかな。なんつーか、自分の実家と雰囲気が違うので落ち着かない。あれだ。初めて女の子の家に来たみたいなふわふわ感。チョロ松は無事に事が運んで安心したのか、呆けた顔をしている。頬でもつついてやろうか。…と思っていたその時。

2017-09-18 11:16:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「アイムホーム!帰ったぜマイファミリー!」 「あらカラ松くん」 「げっカラ松兄さん。帰って来るなんて言ってたっけ」 「げっ、とはなんだトドまぁつ?たまたま近くに用事があったからな、ついでに…おや」 ドアを開けて颯爽と現れたカラ松は、テーブルについた俺とチョロ松の顔を交互に見る。

2017-09-18 11:17:04
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「ふぅ~んなるほど。コングラッチュレイションだチョロ松」 「は?何が?」 「二人そろって結婚の挨拶にきたんだろう?ついに身を固め…」

2017-09-18 11:18:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろチョロ松がカラ松を殴る頃

2017-09-18 11:19:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

そろそろ二人がマンションを出る頃

2017-09-18 15:24:05
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「何にもお構いできなくてごめんなさいね。」 「いや、お昼美味かったです。ごちそうさまでした」 チョロ松の実家でお昼御飯(魚介パスタだった)をいただいて、二人してマンションを出た。

2017-09-18 15:25:06
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「んっとに、疲れた…」 チョロ松が額を抑えてため息をつく。カラ松が帰ってきてからのチョロ松はすごかった。余計なことを口にした彼をぼっこぼこにしたのである。 「わぁ、あんなチョロ松兄さん久しぶり」 「本当。兄弟仲がいいわね」 なんてトド松とお母さんは言ってたが。なんだこの家族。

2017-09-18 15:26:08
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「母さんに変な風に思われてなきゃいいけど…」 「大丈夫じゃね?さすがに冗談だって思ってたんじゃないかな、あの様子なら」 そう、冗談。まだ、冗談じゃなくちゃならない。少なくとも、今はまだ、言えそうになかった。これは自分たちの問題だ。俺達の、勇気の問題。

2017-09-18 15:27:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「無事許可もらったしさ。家もそろそろ決めねえとな」 季節はすっかり秋なのに、今日はずいぶん暑い。台風一過ってやつかね。 それでも構わず、ゆるく手をつないだ。人通りが少ない道だ。ちょっとくらいならいいだろう。

2017-09-18 15:28:11
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

「それなんだけどさ。一昨日見に行った物件、アレ良かったなって思って」 「あー、ちょっと考えさせてって言ってたところ?うん。いいんじゃね?」 ここ数週間は、チョロ松主導であちこち物件を見に行っていた。一昨日も2件ほどまわって、そのうちの片方が雰囲気のいい部屋だった。

2017-09-18 15:29:03
こじらせていたリーマン @ro1xrc3

ただチョロ松が、軽率に決めるわけにはいかないと、その場での決断を避けたのだ。 「…立地も悪くないし、部屋もきれいだったしね。ネットで調べたら、管理会社もちゃんとしたところだったから」 おお、そこまで調べてたのか。

2017-09-18 15:30:13
1 ・・ 9 次へ