JAM 君との時間

雨愛 @amaai_case

#JAM君との時間 1 『…無理。』 周りが就職先決まるなか、なんにもしてなかった私が悪いのは分かってる。 彼にも、お前少しは焦ったらどうや。って言われたし。それに対して私は養ってくれない？とか言う始末。 『でも…試験と被るなんて…』 【ぶるぅべりぃジャム×村上信五】

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#JAM君との時間 2 朝イチで行って、ふらふらお土産見て、グッズ買って、席発券してワーキャーしたかったのに… 最初から間に合わないって覚悟はしてた。 でも、実際本当にMCからだなんて席着いた瞬間泣いた。 初日で、大事な日だったのに。 MCを聞いてる時も若干上の空だった。

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#JAM君との時間 3 ライブ終了後、うじうじしながらホテルまでの道を歩く。 もっと早くから就活してればよかった。 そしたらオープニングで登場した瞬間、会場で嬉し泣きできた。 『悔しいなぁ…』 就職試験だってあんまり手応えもないし。 今回もきっと落ちちゃっただろうし。

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#JAM君との時間 4 明日も朝早くに帰らなきゃいけない。本当ついてない。 せっかく可愛い洋服用意してたのに、結局リクルートスーツ。 こんな姿で彼に会いに行ったとか信じられない。いや、別に普段だったらいいんだけど、今日とかは特別じゃん… 『早く寝て、落ち着かせよう…』

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#JAM君との時間 5 ホテルは、マネージャーさんにしつこく聞いて同じホテル抑えたんだけど、それ実は彼には話してなくて、突然ジャーン！みたいなドッキリ仕掛けたかったけど、今日の感想だってちゃんと言えないし。とっとと寝る。 『予約してた者です』 綺麗なホテルもなんだか虚しい。

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#JAM君との時間 6 受付「こちら本日のルームキーになっております。」 『はい、』 受付「それでは係の者がお客様をご案内致します。」 そう言って、私が持ってきた荷物を受け取ってくれたボーイさん。 優しい顔でご案内致します。なんて言ってもらえただけで泣きそうになる。

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#JAM君との時間 7 エレベーターに乗ると、大きな鏡があってしょぼくれた自分が映る。 これが大好きなアイドルのコンサート観に行った帰りですか。そうは見えませんね。余計老けたな。 ボーイ「こちらお客様のお部屋となっております。」 『はい、ありがとうございました。』

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#JAM君との時間 8 鍵を開け、ドアを開いてくれるので、私は部屋の中に入る。 『…え？』 ボーイ「鍵はこちらに置いておきます。それでは失礼します。」 そう言って、ドアの閉まる音がした後、私はぐるっと部屋を一周して見た。 『広すぎ…ない…？』 なにこの部屋！

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#JAM君との時間 9 え、怖い怖い。どうして！？ホームページでも見たけど、この部屋って結構いい部屋だよね！？私普通のシングルで頼んだよ！？ 『やだ…どういうこと…？』 一度は床に置いた荷物をまた持ち上げて、部屋を出ようとドアの方へ向かうと、途中他の荷物がある事に気づく。

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#JAM君との時間 10 『いや…誰か泊まってるじゃん…！』 どういうこと！？内心めっちゃ焦りながら、ドアを開けようと手を伸ばすと、逆からドアノブが動く。 『タイミング…！』 どっかに隠れなきゃ！と思って、わたわたしていると、あの自分のではない荷物に、なぜか安心感がある。

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#JAM君との時間 11 『んん？』 私が首をかしげると同時に、ドアは開き、パッと顔を上げると、 「なんや、もう着いてたんか。携帯見ろ、連絡よこせ。」 『信ちゃん！え！？信ちゃん？』 メガネをかけた私の彼氏が部屋に入ってきた。 え、この部屋、信ちゃんの部屋なの？

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#JAM君との時間 12 『ここ…なんで…？』 「お前、マネージャーにしつこく聞いたんやって？そんなんでな、一般人に教えたらアイツクビやからな。」 『特権かなって…』 「アホ。せやから、俺と同じ部屋にしてやったんや。お前絶対調子乗る思ったから伝えてなかったけど。」

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#JAM君との時間 13 『チッ…大倉くんにでも聞いておくんだったな…』 「またお前はどこで連絡先交換してるんや。」 ゴッて音がなるほど強く頭をグーで殴られて、ひぃ！ってなってると、そのまま彼は私を置いてリビングに向かってしまったので、私も端に荷物を寄せて彼に着いていく。

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#JAM君との時間 14 ソファーにどかっと座った彼とは違ってまだどこか落ち着かない私はそわそわと部屋を回る。 「そういえばお前スーツやん。」 『えぇ！？今更！？』 「なんやねん、服なんてそんな気にせんやろ。」 『…さっきまで落ち込んでた私に教えてあげたい。』

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#JAM君との時間 15 彼はそういう人でしたね。あぁ、そうだった。 せっかく若い女と付き合えてるのに、そういうのに興味ないってどういうことよ。 『今日、試験だったの。』 「追試？（笑」 『ちーがーうー！就職。就活してたの。』 「え！？おま、そのまま来たんか！？」

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#JAM君との時間 16 『え？そうだよ？だって、来たかったし。』 「最初から見れんかったやろ。」 『うん、まぁ、仕方ないよね。』 「…おい、こっち。」 窓付近にいた私に、ソファーの隣をバンッと叩き、ここに来いって呼ぶ。 『はいはい、なんですか？』

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#JAM君との時間 17 私が首を傾げながら、んー？って隣に座ると、また手を上にあげたから、目を見開いて、 『私なんも悪いことしてない！』 って、大きな声で言ったら、思ったより優しく頭の上に手が乗っかるし、なんならそのまま寄って来てぎゅって抱きしめてくれる。 『え？』

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#JAM君との時間 18 「拍子抜けしたか。」 『うん…どういう状況これ…』 滅多にこんなぎゅーも頭を撫でるのもしてくれないのに、今日はダブルです。 『明日…飛行機飛ばなくなりそう…』 「そんなに珍しいか。」 『明日帰らないとまた学校お休みする事になっちゃうから…』

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#JAM君との時間 19 「ホンマは、今日帰る予定やったし。」 『え！？』 「他の皆はもう帰ってるんちゃう。ラジオに間に合わせる言うてたし。」 『うっそ…信ちゃんなんで残ったの？』 「なんでって…お前が来るって聞いたから。」 『…私のため？』 「そう。」

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#JAM君との時間 20 「ホンマは感想を寝る間も惜しんで言ってくるんちゃうかなって思ってたけど、スーツで想定外（笑」 笑いながらも手は優しくて、とんでもない男好きになっちゃったんじゃないかって焦る。 「何もしてこんかったお前が就活始めたって事で今日は甘やかす事にした。」

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#JAM君との時間 21 『やっぱり、明日飛行機遅延するな…（笑』 私もそんなこと言いながら本当はすごく嬉しくて、正直気分落ちてたけど、こんな風に優しくしてくれるなら、もっと頑張れる。 「とっとと決めてまえ。」 『うん、働く。頑張る。』 「おう、その調子や。」

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#JAM君との時間 22 しばらく落ち着いてたけど、ほら、ね？疲れてるのは分かってるから、口にだけね？軽くでいいからキスも欲しいじゃん？？ 私はもぞもぞ動いて、彼の胸から顔を上げ、んっと口を尖らせてみる。 「んやねん。」 『こっちには優しいキャンペーンやってませんか？』

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#JAM君との時間 23 私がそう聞くと、いつものように目を細めて私を睨む。 『あ、ごめんなさい。調子乗りました。』 疲れてるとキスすらめんどくさくなっちゃう彼でした。そうでした。それにさっき量産してきたもんね。 私はまた胸に顔を埋めようと動き出すと、前髪あたりを掴まれる。

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#JAM君との時間 24 『今日はずいぶん荒々しいです…』 「そうか？いつも通り。」 そう言うとニヤッと笑うもんだから、かっこいい…ってなった瞬間を狙って唇をぶつけてくる。 いや、距離感！とか思ったけど、すぐ優しく何度も重ねるキスをしてくれて、もうどうでも良くなる。

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#JAM君との時間 25 ゆっくりとお腹あたりを伝う手が着てたシャツをまくっていく。 「あー、ホンマスーツは脱がせにくい。」 『え、そんな元気あるの？』 「お前から誘ってきておいてなんやねん。」 『誘ってない！』 「はいはい、次から抱かれたければスーツは脱いどけ。」