久しぶりのオフ。だけど外は雪…【村上信五】

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えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´Д`)【1】 昨日から降り続いている雪。 TVのニュースは、雪の中を傘を差しながら歩くサラリーマン達を映し出し、交通機関が麻痺していることを何度も繰り返している。 久しぶりのオフやったから、外で思い切り体を動かしたかったんやけど、流石に今日は無理やな。 それなのに…

2013-12-23 20:56:40
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´Д`)【2】 「ねぇねぇ、信ちゃん、雪だよ、雪! 綺麗に積もってるよ〜!」 人の気も知らんとあいつは… 「あー、降っとんな、積もっとんな」 「…信ちゃん…冷たい…」 「雪が降っただの、積もったので、いちいち騒がんでええ。子供じゃあるまいし…」 「どうしたの? 機嫌悪いねえ〜」

2013-12-23 20:56:49
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(´Д`)【3】 「別に…」 「…ねぇ…外出てみない?」 「行かへん。寒いだけやろ」 「そう言わずに、ちょっとだけでも」 「行かへん、言うてるやろ!」 「…分かった…」 そう言うと、持ってきてた荷物を抱えて玄関に向かう。 「お前、どこ行く気や」 「帰る!」

2013-12-23 20:56:56
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(´Д`)【4】 「帰るって…電車もバスも動いとらんて」 「歩いて帰る」 「歩いてって…おま、何考えてんねん」 「だって…」 そう言って、いきなり泣き出す。 「おい…」 「せっかく…久しぶりに…会ったのに…信ちゃん、ずっと怒ってる…会えるの…すごく楽しみに…してたのに…っ」

2013-12-23 20:57:04
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(´Д`)【5】 「だから、帰る…ここにいても…悲しく…なるだけだもん」 と、再び玄関に向かおうとするのを、腕を掴んで引き止める。 「離して!」 掴まれた腕を振り払おうとするのを引き寄せて抱きしめる。腕の中で、なんとか逃げ出そうともがくお前の耳元で、話しかける。 「すまん…」

2013-12-23 20:57:11
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(´Д`)【6】 「俺が悪かった。とにかく帰るな。こんな雪ん中、歩いて帰れるわけないやろ。風邪引くだけや」 「…っ…ぅぅ…」 「そんで泣き止んでくれ。どないしたらいいか分からんなる…」 「…じゃあ、外に行こうよ、信ちゃん」 「お前なぁ、まだ言うか…」

2013-12-23 20:57:18
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(´Д`)【7】 「外の空気を吸ったら、少しは気も紛れるよ。外に出て体が動かせないから、イライラしてるんだよ、信ちゃんは」 「そういうわけじゃ…」 「散歩するだけでも違うよ。だから、外に行こうよ…」 「分かった、分かった。じゃ、ちょっとだけな」 「うん!」

2013-12-23 20:57:24
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(´Д`)【8】 「雪、結構積もったな…お前、滑って転ぶなよ」 「分かってるって…わっ!」 言ってるそばから滑って転びそうになる、お前を支える。 「お前なぁ…」 「ごめんって」 そのまま二人で並んで歩いていると、不思議な事に気も晴れてくる。あいつの言う通りなのが、悔しいけど…

2013-12-23 20:57:31
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(´Д`)【9】 ビシャ! いきなり、雪の塊が顔に当たる。 驚いて周りを見回すと、少し離れた場所で、無邪気に笑ってるお前の姿が目に入る。 「やった! 当たった!」 「お前、何しとん」 「雪合戦しよう!」 「雪合戦ってほど、積もっとらんやろ」 「行くよ〜!」 聞いてない………

2013-12-23 20:57:35
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(´Д`)【10】 容赦なく飛んでくる、雪玉らしきもの。 「お前、ちょっと待てって」 「次、行きま〜す!」 「おい…」 もう、どうでもよくなって、その辺りの雪をかき集めて雪玉を作ると、狙いを定めて、投げつける。 見事に命中! 「よっしゃ!」 「痛〜い! この雪玉、硬すぎるよ〜」

2013-12-23 20:57:42
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´Д`)【11】 「そんなん知るか、次行くで!」 「ちょっと待って、わっ!」 「そら、どんどん行くで!」 「信ちゃん、待ってって、痛いって〜!!!」 つい本気モードのスイッチが入ってもうて、マジに始まる雪合戦… 気づいた時には、二人とも雪まみれのびしょ濡れになっていた。

2013-12-23 20:57:47
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(´Д`)【12】 「信ちゃん…本気出し過ぎ…外に出るのも嫌がってたくせして…」 「すまん…つい…な」 「でも、良かった。信ちゃん、笑ってるし」 「は?」 「昨日からずっと、眉間に皺寄せて、難しい顔してたから…」 「そうか?」 「うん…」 「そうか…それは悪かった」

2013-12-23 20:57:52
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´Д`)【13】 「私ね」 「うん?」 「信ちゃんが笑ってくれてたら、それだけで幸せなんだあ…」 …そんな恥ずかしいこと、とびきりの笑顔であっさり言ってのける。 かなわんなぁ… 「ありがとな」 小さな声で呟いたつもりだったのに、 「何が?」 と聞き返される。

2013-12-23 20:57:58
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´Д`)【14】 「別に…なんでもない。そろそろ帰ろうか」 「えー、教えてよ〜。ねぇってば〜…クシュン」 「ほら、早よ帰らんと、風邪引く」 「ごまかさないでよ〜、ねぇってば〜」 何度も聞き返すお前に、触れるだけのキスを交わす。途端に顔を赤くしたお前の手を引き、家路に着いた。

2013-12-23 20:58:07