《原発過酷事故対応には、必要事項をリストアップしチェックするポストが肝要だ》

自己ツイートをまとめました。 冷却水を原子炉まで運ぶ配管の健全性チェックをおこなわないまま、無駄に注水していた、という事が事故発生から6年半後にわかりました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

『福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」』(NHKスペシャル「メルトダウン」取材班 著 講談社現代新書 2017年)読了。 「6年半かけて、やっぱりこれか」というのが正直な感想だ。 勘違いしないでいただきたい。落胆ではない。 「やはり、冷却を阻んだのはこれか」という感覚なのだ。

2017-09-30 01:13:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東電原発事故が起きてすぐにテレビや新聞で繰り返し示されたのは、冷却水が出入りする配管もない、完全に閉じた形状の格納容器の中に圧力容器が入っている形の原発の模式図だった。 しかし実物の原発を多少なりとも知っている人は知っているように、原発は数万本の配管が張り巡らされる複雑な装置だ。

2017-09-30 01:19:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

実際の原発が複雑な配管でできている装置であるという事は、 冷却のためにも、配管のどれかを通して冷却用の水を入れるしかない、という事でもある。 まさか1000度以上の核燃料の真上から水を直接かけると思っていた人もいないだろうが、どうやって水を入れる事になっているのかが重要なのだ。

2017-09-30 01:25:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

一旦冷却棒が入り停止したとしても、燃料から出続ける崩壊熱を冷やし続ける事が必要だ。その為には水をかけ続け、循環させることが必要な筈だった。 その為には、どれかの配管を通して冷却水を入れ、どこかの配管から過剰になった水を排出しなければならない筈だった。配管が健在な事が前提だった。

2017-09-30 01:36:15

誤 冷却棒

正 制御棒

宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

今頃になって分かったことは、「冷却水を掛けるための配管のどこかが健全でなく、1号機では核燃料が冷却されていなかった」ということだった。 少し思い出してもらえば、当然のことだ。大地震と余震が繰り返され、さらに津波も襲ってきたので、配管が健全である筈はない。少なくとも私はそう考えた。

2017-09-30 01:43:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

だから、2011年3月11日から、私はずっと配管の健全性に不安を抱いていた。 原発の健全性を保持しているのは、圧力容器や格納容器の堅牢性だけではない。配管が想定通りに働き、壊れた配管があった場合にはそれをカバーする代わりの配管が働いていることが必要なのだ。

2017-09-30 01:48:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

私の妻の出身は富岡町だし、私も4年間双葉高校に勤務していたので、地震発生当時に福島第一原発の中で作業していて、地震で内部から避難してきた人たちの証言を直接間接に聞くことができた。3月12日頃からだ。その証言を聞いて私はすぐに、「原子炉をすぐには冷却できないな」と思った。

2017-09-30 01:54:02
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2011年3月11日の地震発生時に福島第一原発構内で作業をしていた人たちが、地震で真っ暗になった構内から避難してきた人たちの証言は、ほぼ一致していた。 周りにあった配管があちこちで数え切れないほど壊れ、外れていた、と。それらの破損した配管を避け、くぐりながら苦労して脱出した、と。

2017-09-30 01:58:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2011年3月11日の地震で停止した原発に「通常とは異なるシステムを使って冷却水を入れる」という情報を聞いて私が最初に考えたことは「冷却水を通すための配管の健全性を確認しなければ駄目だ」ということだった。しかし報道を聞いていても、配管の健全性を確認する作業の話は聞こえてこなかった

2017-09-30 02:05:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3月11日以降の冷却水注水の話で聞こえてくるのは、「どうやって水を注入するか、苦労している」という話ばかりだった。注水した以上はどこからか排水することも必要な筈だが、そのような事さえも情報が出てこなかった。 可能性は2つ。健全性の確認は済んでいる。又は健全性の確認を忘れている。

2017-09-30 02:10:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

その後の話は細々している事が増えてくるので省略する。 結論だけを書くと、事故原発に対応しようとしている人たちの全てが、冷却水の注入用の配管に関する健全性の確認を忘れていた、という事だ。 従って、建屋爆発後に建屋の上から掛けた冷却用の水以外は、圧力容器内の冷却に役立たなかったのだ。

2017-09-30 02:16:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

散々問題にされた、冷却用に海水を使うかどうか、という話さえ、実際にはどうでも良いことだったのだ。海水だろうが真水だろうが、冷却用使う配管の途中で漏れていたのだから、関係なかったのだ。 より深刻な問題がここにある。原発とは無関係である素人の私が気付く事に関係者が気付かなかったのだ。

2017-09-30 02:22:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

事故原発にとって、死活を決める様な重要事であるはずの「冷却用の配管の健全性の確認」が、無視されたままで「過酷事故への対応作業」が人命を賭してまで進められ続けた。 そして必要な手順が見逃されたままで、6年以上が経過した。今、配管の健全性を確認しなかったミスを明かしても注目されない。

2017-09-30 02:31:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2011年原発事故開始直後のテレビ会議の記録を何度読み返しても、見えてくる構図は同じだ。 東電本店は「現場が何とかしろ」という圧力をかけるばかりで殆ど役に立つ発話はしない。免振重要棟からの発話と現場での情報共有は「何とか冷却しなくては」という方法の話ばかりだ。

2017-09-30 02:35:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

俯瞰できるはずの東電本店からの発話でも、作業現場に近いはずのイチエフ内部での発話でも、緊急時にこそ必要な筈の様々な事項の確認がほとんど行われていない。 今話題にしている「冷却水注水用の配管の健全性の確認」も、「冷却水循環用の排水配管の健全性の確認」も、実行しようとさえしていない。

2017-09-30 02:39:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この事実は、もちろん、イチエフの収束や廃炉にも大きく影響する話だ。 しかし、重要性はそこに留まらない。次に起きる筈の、何か致命的な破局が起きるかもしれない出来事の際にも必要な出来事であるはずだ。 最悪の事態を避ける為に必要な条件をしっかりとリストアップし、それをチェックする事だ。

2017-09-30 02:44:12
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

難しいのは、このリストアップとチェックをする仕事をする役職を、非常時に設定できる環境を作ることだ。言い換えれば、非常時以外には必要ない人間を重要な場所に配置し続ける事だ。 こういう事は日本の組織では難しい。「カンバン方式」の様に平常時に無駄な人間を配置しないのが日本の組織だ。

2017-09-30 02:48:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

本来なら、このようなリストアップとチェックの仕事は、原発ならば原子力規制庁の管理担当者が行うべき仕事であるのかもしれない。 しかし、規制庁職員の非常時マニュアルにリストアップとチェックの仕事が記載されているとは、私には思えない。 今からでも遅くはないので、是非、一考してほしい。

2017-09-30 02:53:21