始まりの朝*丸

会社の同僚の彼と、一夜を過ごした貴女。 その次の朝は…
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まるこ@妄想やめました @eightmaruter

*始まりの朝 お酒の力を借りて、夢中で重なり合った次の日の朝。 カーテンから差し込む光で目を覚ますと、静かな部屋で時計が針を走らせていた。 朝、6時55分。 毛布の下を覗くと、服を身に纏っていないことに気付いて顔が赤くなった。 本当に昨日しちゃったんだ… 丸山くんと。

2017-10-04 23:04:31
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

2 ベッドの隣にもう彼はいなかった。 起きてるのかな… 会社の同僚の丸山くんのこと、前からずっと気になってた。 でも、一回コトを済ましたからって彼女になりたいなんて… 『面倒な女だよなぁ…』 ため息をついて、髪をかきあげて服を探した。 …どこで脱いだんだっけ。

2017-10-04 23:04:51
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

3 辺りを見回すと、私の服が見当たらない代わりに、大きめの白シャツが丁寧にハンガーにかけてあるのが見えた。 まさか、これを着ろということか…? ベタだなぁ〜…と少し吹き出しそうになりながら、シャツを羽織って寝室を出た。 --- ガチャッ 『丸山くん…?』

2017-10-04 23:05:36
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

4 リビングに入ると、コーヒーのいい匂いがした。 「あっ、起きたんや! おはよう。」 マグを片手に振り返った彼は、寝癖が少しついていて、Tシャツに、グレーの細身のスウェットで。 見たことのない丸山くんに、ドキッとしている自分がいた。 「…やっぱええわ〜。」

2017-10-04 23:06:51
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

5 『え?』 「白シャツ!男の夢やん?」 子どもみたいに笑って、コーヒーをすすった。 やっぱり、好きだなぁ。 「コーヒー飲む?」 『あ、うん。ありがと。』 ソファで待っていると、丸山くんが隣に座って、淹れてくれたコーヒーを渡した。 窓の外には青空が広がっている。

2017-10-04 23:07:17
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

6 「秋晴れ。気持ちええな。」 『そうだねぇ。』 自然と笑みがこぼれると、それを見た彼が、私の肩に頭を乗っけた。 ん?なんだ…? このまったり感。 「今度晴れた日はどっか出かけたいよな。」 『えっ、あぁ、うん!』 彼の言葉に戸惑い、つい空返事になる。

2017-10-04 23:07:40
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

7 「え、どうしたん?」 『な、なにが?』 「なんかぎこちないから…」 不安そうな表情を浮かべ、私を覗き込む。 『…えっと…、 私たちって… どうなったの?』 気になっている事を聞いてみる。 すると、 「え! ……うっわ… 俺めっちゃ恥ずいやん…」 pic.twitter.com/g4mD1FUE5z

2017-10-04 23:09:03
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8 急に顔を真っ赤にした丸山くんが、口元を押さえて俯く。 『え!?なんで?』 「俺さ… もう俺ら付き合うんやって勝手に思ってた。」 下唇を噛んで、恥ずかしそうに呟いた。 予想外の言葉。 『でももう大人なんやし、 一夜限りってのも全然あるんよなぁ…』

2017-10-04 23:10:10
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

9 切ない表情を浮かべた彼が、情けなそうにははっと笑った。 丸山くんがそんな風に想ってくれてるなんて、知らなかった。 『私は… 付き合いたいよ。』 「え?」 『丸山くんのこと、好きだったし。』 「…それ、ほんま?」 『うん。』 小さく頷くと、

2017-10-04 23:10:27
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

10 その瞬間に彼がそっと私を抱きしめた。 「あぁ… 良かったぁ…。」 『私も勝手に、 お酒のせいで理性が無くなって抱かれただけかと思ってた(笑)』 すると頰を膨らまして、 「好きな人にしかそんな事するわけないやん!」 と怒ったフリをした。 そんな彼が可愛くて、

2017-10-04 23:11:35
まるこ@妄想やめました @eightmaruter

11 チュッ 尖らせた口に、思わずキスをした。 「… いきなりは反則…。」 『あれ、ダメだった?』 「んーん。 昨日よりドキドキする…。」 彼が私の髪に触れ、顔を近づける。 「…もっかい。」 そして、優しいキスを何度も重ねた。 私達の、始まりの朝。 END pic.twitter.com/1lvvGYf7ca

2017-10-04 23:12:05
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