減税を主軸にした財政政策論がだめな理由

NGDPの成長安定化、及びクルーグマン型流動性の罠の観点から、減税を主軸にした(≒支出拡大を主軸にしない)財政政策論にダメ出し。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

減税を主軸にした財政政策の問題は、どうしても財政(赤字)拡張が頭打ちになること。そうなると、名目GDPが恒久的成長経路に乗らない。 NGDPを恒久的成長経路に乗せるには、恒久的な財政拡張が基本的に必要だから、支出が主軸の財政政策が必要になる。

2017-10-06 19:15:01
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

リフレシンパには少なからず、減税主軸を称揚する向きがある(支出拡大よりも、減税を強調しがち)のだが、「減税は恒久的拡張を実現できない」という事実に対する無知が理由である場合と、「そもそも財政刺激は一時的で良い」という見解が理由である場合がある。

2017-10-06 20:44:33
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

しかし、クルーグマンの流動性の罠論を内生的貨幣供給の観点から展開すれば、不況下でマネーサプライを追加するのはあくまで財政赤字である(中央銀行ではない)ので、将来のマネーサプライの水準予想は、財政赤字の予想に依存することになる。togetter.com/li/1037344

2017-10-07 05:24:30
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

したがって、一時的な財政刺激は、クルーグマンの理論における「一時的なマネーサプライの追加」と同じで、経済への効果が極めて小さくなる。 内生的貨幣供給に則った調整インフレ政策のためには、将来に渡る恒久的な財政政策が必要不可欠になる。togetter.com/li/1037344

2017-10-07 05:26:44
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

twitter.com/criticalmind_E…でクルーグマンの不況モデルを解説したのですが、その中の提案は、「将来のマネーサプライを引き上げることで、インフレ予想を引き上げる」というものです。そして、信用創造の罠の中で将来のMSにアクセスできるのは財政政策しかない。

2017-10-07 13:09:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

リフレシンパの多くは「信用創造の罠の中では将来のMSにアクセスできるのは財政政策だけ」ということが分かっていない(井上先生の本を読んでも全然理解していない人が…?)ので、減税主軸の姑息的財政政策を論じてしまうというミスを犯している。twitter.com/criticalmind_E…

2017-10-07 13:12:04