森岡孝二『雇用身分社会』まとめ

森岡孝二『雇用身分社会』2016
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H.Takano @midwhite

『女工哀史』の募集人も『蟹工船』の周旋屋も、今風に言えば派遣会社であり人材ビジネスである。今日の人材ビジネスは労働者派遣のみならず、新卒の就職支援や正社員の再就職支援、事業会社の首切りの相談からヘッドハンティング、追い出し部屋までをも請け負う。/盛岡孝二『雇用身分社会』2015

2017-10-09 12:33:36
H.Takano @midwhite

日本では、男性のフルタイム労働者は殆ど家事労働をしない。その理由はあまりにも長時間働いていることにある。配偶者のいる女性は家事労働を殆ど一手に引き受けているために、フルタイム労働者として働き続けることは難しい。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-11 01:39:40
H.Takano @midwhite

男性正社員が生活時間の殆ど全てを会社に捧げる働き方を求めらる限り、女性の多くは結婚・出産後、一時的にせよ家事に専念するか、パートタイム労働者として家事と勤めを掛け持ちするしかない。正社員として働く場合も、男性正社員並みに働くことは容易でない。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-11 01:44:03
H.Takano @midwhite

企業はこうした性別分業の存在を前提に、女性を低賃金の使い捨て労働力として働かせる戦略を選択してきた。企業が女性パートを採用するのは、労働力の確保、労働コストの軽減、業務の繁閑への対応等のためであり、女性に社会参加の場を提供するためではない。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-11 01:47:45
H.Takano @midwhite

高島道枝は、パートタイム労働の日英比較の論文で、日本ではパートタイム労働者がフルタイム並みに働いていることに着目して、「日本では時間の長短ではなく、正規常用労働者に対比した差別的処遇、劣った身分を示す概念として用いられている」と指摘している。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-11 02:01:20
H.Takano @midwhite

最近では中高年社員を窓際に追いやる追い出し部屋のやり方は古い。会社はスキルアップの名目で社員を人材会社に行かせ、キャリア志向性や「人生の根っこ探し」を称した適正診断テストを受けさせる。事実上の退職勧奨・転職強要であり、転職先は人材会社が斡旋する。/盛岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-13 22:22:43
H.Takano @midwhite

2011年の社会生活基本調査によると、「正規の職員・従業員」のうち、調査対象期間中も勤務し続けていた男性の週間労働時間は66.7時間に上る。(中略)日本の働き盛りの猛烈サラリーマンは、週休2日とすれば、1日14時間程度は働いているのではないか。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-13 22:28:01
H.Takano @midwhite

夕張市は財政再建団体になった後、業務量が膨れ上がる中、元いた職員は約半分まで減り残業が増えたにも関わらず、予算に残業代は組まれなかった。予算のカットは暖房費にも及び、冬は室内でも-5度にもなる中、職員はスキーウェアや手袋でPCに向かったという。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-14 01:22:17
H.Takano @midwhite

1997年に女性の残業時間の規制は撤廃されてしまったが、実は今でも現行の育児・介護休業法に「事業所は育児や家族の介護を労働者が請求した場合には(男女の別を問わず)1ヶ月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働をさせてはならない」とある。/森岡孝二『雇用身分社会』2016

2017-10-14 02:05:50