放射線と被爆(蓮杖楓さんのツイートまとめ)

蓮杖楓さんが放射線と被爆について、とても分り易くツイートされていましたのでまとめさせていただきました。
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- @El_Fire

ちゃんとした情報から、高校教科書レベルすら満たしていないデマまで色んなのが流れてるよな。反原発でも原発推進でもいいけど、せめて、放射線がどういうものか把握してからつぶやいてほしい……。

2011-03-25 15:17:19
- @El_Fire

放射線とひとくちに言うが、大きく分けて粒子線と高エネルギーの電磁波に分かれる。粒子線の代表はα線(ヘリウム4)やβ線(電子)だが、基本的には超高速(高エネルギー)で飛来する粒子は何だって粒子線である。(続き)

2011-03-25 15:25:24
- @El_Fire

(続き)例えば、何の変哲も無い鉛弾が、銃で高速で撃ちだされると危険なように、粒子も加速をつけて打ち出されれば、何の変哲も無いありふれたもので出来ていても、遺伝子や細胞を傷つけることがある。(続く)

2011-03-25 15:27:12
- @El_Fire

(続き)放射線のもう一つのカテゴリーが、『電磁放射線』、つまり、高エネルギーの電磁波。電磁波は普段見ている光(可視光)や、赤外線、紫外線などがあるが、それよりももっと高エネルギーの電磁波になってくると、X線やγ線などと呼ばれるものになる。(続き)

2011-03-25 15:32:06
- @El_Fire

(続き)よく、お肌のケアのためには紫外線に当たっちゃいけないとか言うが、それは可視光よりもエネルギーがあるために、紫外線が細胞や遺伝子を傷つけるためだ。X線やガンマ線はそれをもっと強烈にしたヤツだと思ってくれればそれでいい。

2011-03-25 15:34:40
- @El_Fire

被爆と一口に言うが、大きく分けて外部被爆と内部被爆があり、最終的に細胞や遺伝子が傷つけられるのは同じだが、脅威となる『線』や必要となる知識が異なったりする。(続く)

2011-03-25 15:43:14
- @El_Fire

(続き)外部被曝は文字通り、体の外にある放射性物質から放射線を浴びることをいう。浴びた放射線の多寡によって脅威は異なるが、放射性物質から離れて放射線の少ない領域に移動し、除染(体の表面についた放射性物質を洗い流す)すれば、一時的な被曝で済む。(続く)

2011-03-25 15:48:57
- @El_Fire

(続き)内部被曝は外部被曝と違い、体内に放射性物質を取り込んでしまったときに起こる。放射性物質が体内に存在する間、ずっと被曝し続けるのが厄介。基本的には飲食や呼吸によって起こる。よって、放射性物質を取り込まないために、マスクをしたり、飲食するものを選ぶ必要がある。(続き)

2011-03-25 15:53:25
- @El_Fire

(続き)内部被曝の場合、脅威となる放射性物質は外部被曝とかなり異なることに注意して欲しい。外部被曝の場合は、防護のしづらいX線やガンマ線を放出するようなものが脅威となり、α線やベータ線といった、簡単に防げるものの脅威は低い。(続き)

2011-03-25 15:56:42
- @El_Fire

(続き)しかし、内部被曝では、貫通力の少ない(=体内に全てぶつかってしまう)放射線、つまりα線が最も脅威となる。X線やガンマ線の場合は、大半が体外に出て行ってしまうため、α線ほどの脅威にはならない。(続き)

2011-03-25 15:59:10
- @El_Fire

(続き)また、内部被曝で考慮しなければならないのが、その放射性物質の化学的・生理学的性質だ。その放射性物質が体内に蓄積されるのか、蓄積されるのならばどこに集まるのか、それによって全く異なる。チェルノブイリを参考にするならば、原子炉事故で最も注意すべきはヨウ素。(続く)

2011-03-25 16:01:42
- @El_Fire

(続き)ヨウ素は甲状腺という首の辺りの分泌線に集まる性質を持っているため、放射性物質のヨウ素が取り込まれた場合、そこに集まってきてしまう。チェルノブイリで甲状腺がんが多かったといわれるのは、そこに起因する……と思われる。

2011-03-25 16:04:51
- @El_Fire

内部被曝について。体内に取り込まれた放射性物質は、体内に存在する間、放射線を浴びせてきますが、それも長くて数年です。人体は一部を除いて、新陳代謝によって物質が入れ替わります。当然、放射性物質も捨て去られます。また、ヨウ素など、半減期の短いものは、それを待たずに放射能力を減じます。

2011-03-26 12:03:09
- @El_Fire

現在、被災地や関東に降りかかっている放射性物質がどのくらい脅威かというのは、詳しくは人体の生物的なシステムの知識が必要となってくるから、きっちり答えられるものではないが、少なくとも今の状態なら、まだそれほど気にしなくていいと思われる。(続く)

2011-03-25 16:14:24
- @El_Fire

(続き)ただし、余計な被曝を避けるために、『外出を控える』『雨雪にできるだけ当たらない』『マスクをする』『食べ物は念のために良く洗うこと』『出荷停止したものは食わない』等の行動をしたほうがいい。

2011-03-25 16:25:11
- @El_Fire

さて、具体的にどこに放射線が降りかかるかという話は、これは気象学の範疇に入る。撒き散らされた放射性物質が何処へ行くかは、結局のところ風と降雨雪しだいである。基本的には風によって運ばれ、雨雪によって、地上に落ちる、或いは、風によって直接運ばれる。(続く)

2011-03-25 16:29:26
- @El_Fire

資料:チェルノブイリの周辺のセシウム137汚染。距離よりも風向きが重要な要素であることがわかる。 http://bit.ly/hQWfCq 『原子力安全研究グループ』の http://bit.ly/dQrJyk

2011-03-25 16:32:10
てぐどん@楽な場所🌵 @teg_don

ありがとうございます!すっごく分かり易かったです。でも思ったより、内部被害の方が先々に影響を与え拡大が懸念されるんですね!被爆って言うとすぐ火傷みたいな感じに思いがちですけど。 RT @El_Fire: あと、何か聞きたいことがあったら……気軽に@で。答えられる範囲で答えます。

2011-03-25 16:10:43
- @El_Fire

直近で作業している人以外は、一番気をつけなきゃならんのは内部被曝なわけよ。 QT @tegdon ありがとうございます!すっごく分かり易かったです。でも思ったより、内部被害の方が先々に影響を与え拡大が懸念されるんですね!被爆って言うとすぐ火傷みたいな感じに思いがちですけど。

2011-03-25 16:37:45
てぐどん@楽な場所🌵 @teg_don

でも確か事故の時気象庁は現地の風速計が壊れていると言って発表しなかったですよね。 RT @El_Fire: 資料:チェルノブイリの周辺のセシウム137汚染。距離よりも風向きが重要な要素であることがわかる。『原子力安全研究グループ』の http://bit.ly/dQrJyk

2011-03-25 16:36:59
- @El_Fire

地震や津波で……と信じたいところだが、東電が圧力をかけた可能性も考える必要があるのかも。ともかく、こういったデータが一番大切だから、公開されないと困るよね。 QT @tegdon でも確か事故の時気象庁は現地の風速計が壊れていると言って発表しなかったですよね。

2011-03-25 16:39:55
- @El_Fire

放射性物質の拡散の様相は、その塵の大きさや、化学的性質によって異なる。手元に、福島原発の核種がどのような形態で放出されているかの資料が無いため、具体的には言えないが(続く) QT @frg_frm 各放射性物質で拡散のしやすさについても採り上げていただけると幸いです。

2011-03-25 18:22:03
- @El_Fire

(続き)塵の大きさと拡散については、大きな塵ならば、近傍に落ち、小さな塵ならば、遠方に落ちる。ただし、地上付近から出ていることを考えれば、その『飛距離』はどこで雨雪に遭うかの影響のほうが大きいと考えられる。(続き)

2011-03-25 18:25:13
- @El_Fire

(続き)また、水溶性ならば、河川に流れ出しやすく、飲料水にも侵入しやすい。逆に言って、家の中で、汚染された水を口にせずにじっと待っていれば、雨が洗い流してくれる。水に溶けないなら、飲料水には混ざりにくいが、大地の浄化は遅くなる。

2011-03-25 18:28:36
- @El_Fire

ヨウ素剤について:チェルノブイリ原発事故では、ヨウ素による小児性甲状腺がんが最も顕著な疾病であった。人体はヨウ素を甲状腺に溜め込む性質があり、そこに放射性物質が集中したためである。そこで、甲状腺にヨウ素を満たしておくことで放射性ヨウ素の吸収を防ぐのが安定ヨウ素剤の役割。(続く)

2011-03-25 18:33:06