TriggerJones42先生の、検察官の新人教育の話など

自分用まとめ
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@TriggerJones42

世間の関心からずれたKYツイートします。検事は決裁で教育されますが、それは捜査や起案の結果についてだけであり、取調や法廷での振る舞いといった肝心な部分は上司の目に触れません。そのため、どうしても我流に陥りがちになると思います。

2011-03-26 17:41:55
@TriggerJones42

新任検事は、先輩検事と同じ部屋で執務するので、先輩の取調を見聞きできますし、自分の取調も先輩に見られるため、ある程度の指導は受けられます。ただ、余程のベテランでないと、新任が取り調べている間、自分の仕事をしないのはきついので、どうしても両者が取り調べている時間が出来ます。

2011-03-26 17:43:38
@TriggerJones42

おれの場合は、幸いベテラン検事が指導してくれたので、おれが取り調べている間は先輩は取調をせず、聞き耳を立ててくれていました。ですが、こうした指導を受けられるのも新任の間だけです。2年目以降は個室を与えられるので、そこからは自分で取調方法を模索するしかありません。

2011-03-26 17:45:03
@TriggerJones42

また、新任検事が法廷に立つとき、初めの1、2回は先輩検事が同行しますが、その後は証人尋問以外はほったらかしになります。なので、おれが現職のころは、要旨の告知の要領や法廷での最低限の礼儀作法などは殆ど教えてもらえませんでした。

2011-03-26 17:46:41
@TriggerJones42

当時の検察庁は「とにかくプールに落とせ。そうすれば自然と泳ぎ方を覚える」という教育方針でしたね。おかげで新任も否応なしにクソ度胸はつきますが、横着な奴は若いうちから横着に走りますし、ひどい尋問をする奴もそれがひどいことに気づきません。

2011-03-26 17:48:34
@TriggerJones42

数年のキャリアを積むまでは、比較的経験のある検察事務官がついてくれるので、結局は事務官から取調方法を教わることになります。ただ、事務官も立場があるので、いくら若造検事に対しても、露骨に「こうしてください」とは言いづらいため、検事がまともに育つのは難しいかも知れません。

2011-03-26 17:50:15
@TriggerJones42

まして、公判となると事務官にも未体験ゾーンなので、傍聴してくれても「検事、あがってましたね」くらいしか言えないことが多いです。そもそも証人テストに事務官が付き合ってくれることが少ないので、尋問自体を見てもらっても、事務官も助言のしようがありません。

2011-03-26 17:51:26
@TriggerJones42

このように、決裁があると言っても、そこに至る過程が上司の監督下にないので、検事が「まともに育つ」かどうかは自己研鑽に委ねられていると思います。弁護士や裁判官より乱暴な指導体制ではないかと思います。もっとも、裁判員制度実施後は、公判前に入念なリハーサルをやっていると聞いていますが。

2011-03-26 17:53:41
@TriggerJones42

おそらく今は不可能だと思いますが、おれは、公判の作法はほぼ全て裁判官に教育されました。良くも悪くも厳しい裁判長と右陪席がいたため、一挙手一投足に口出しをされ、育ててもらいました。

2011-03-26 17:55:06
@TriggerJones42

これは新任のときです。例えば裁判官が「検察官、被害者調書の被害状況部分と処罰感情の部分を朗読してください。被疑者調書は動機と犯行状況の部分を朗読してください」と教えてくれました。これにより、裁判所が求める「要旨」とは何かを学ぶことが出来たのです。

2011-03-26 17:56:42
@TriggerJones42

また、一日の法廷を終えると裁判官からダイレクトに電話がかかってきて「あの事件の論告はなんだ。全然迫力ねぇぢゃんか。いい加減にしろ」とか「今日の尋問は意味が分からなかったぞ」などと指導してもらえたのです。今だと癒着との非難を受けるでしょうが、昔はこういうことがあったのです。

2011-03-26 17:58:40
@TriggerJones42

あえて正当化すれば、検察官は公判の土俵を設定する役目なので、検事がどんくさいと公判がまともに進行しません。これは裁判所、弁護人にも迷惑です。そのため、裁判所はやむなく検事を「教育」してくれたのだと思います。

2011-03-26 18:00:15
@TriggerJones42

おれは、新任のときに裁判官から直々に仕込まれたので、公判に関してはそれなりに自信を持って地方に赴きました。そして、転勤して裁判官室に挨拶に行った折に「要旨の告知はどの程度がよろしいですか」と必ずお伺いを立ててました。

2011-03-26 18:02:16
@TriggerJones42

要旨の告知は、裁判官によって好みがあり、ある方は立証趣旨と同じくらいの簡素なものでいい、ある方はほぼ朗読してほしいとニーズが異なります。そうしたニーズを最初から把握しておくと、つまらないことで法廷がぎくしゃくすることを防げたのです。

2011-03-26 18:03:43
@TriggerJones42

こうした裁判官と検察官の連絡は、おそらく今は行われていないと思います。が、公判という大変な場での立ち居振る舞いを上司から教育されずにいるとしたら、検察官のレベルが下がるのも無理もないと思います。もっとも、最近は上司が若い検事の公判を傍聴しているとも聞きますが。以上。

2011-03-26 18:05:57