量的緩和の中立性

なぜ日銀による国債購入は効果がないか
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伝左衛門 @yumiharizuki12

金融政策が効いてないと思われる今の状態をWallaceのモデルで考えれば、「公開市場操作は中立的」なのだから、仮に反対方向の操作(国債売りオペ)をしたところで、目立った変化は起こらないはずだよね。いずれにしても日銀はヘリマネ的なことをしたわけではなく、元に戻せるはず。

2017-10-20 17:36:34
伝左衛門 @yumiharizuki12

そもそも仮に量的緩和が効いて、今2%インフレが達成されていたとしたら、かえって困る。だってそれを表現するモデルがないのだから、やめた場合に何が起こるかわからない。他方、量的緩和が効かないモデルはなんぼでもあるけれど、それにしたがえば、あたかも何もなかったように元に戻せるはずw

2017-10-20 17:41:16
伝左衛門 @yumiharizuki12

量的緩和が効いてないからこそやめるなら今、ということですよ。だから野口悠紀雄みたいに「副作用が出る前に緩和終了」という人が出て来るわけだが、逆に、効果がないのだから、いつまで続けても何も起こらないとも言えるのではないか。出口が来ない、とはそういうことw

2017-10-20 17:46:01
伝左衛門 @yumiharizuki12

そもそもゼロ金利が永遠に続くのはフリードマン律という最適状態である。元々、2%インフレになどする必要ないと考えれば、このままでよい。そう考えると、今重要なのは財政政策で、財政再建やるのとやらないとでどちらが経済に良いかと考えると、どうも財政再建やった方がいいのではないかw

2017-10-20 17:50:06
伝左衛門 @yumiharizuki12

量的緩和の中立性って要するに、国債が日銀当座預金に置き換わっただけで、政府と日銀の統合勘定では政府の債務ポジションに何の変化もないということです。だから何の効果もない。高金利の国債が低金利の準備預金に置き換わる時に、日銀はその分高く買うから損失が発生し、それが貨幣発行益と相殺。

2017-10-20 18:01:25
伝左衛門 @yumiharizuki12

こういうことは最初から分かっていたので、異次元緩和始める時に日銀は、「ポートフォリオ・リバランス」という言い方をした。つまり、国債より準備預金の方がリスクが小さく、準備預金をより多く抱えた金融機関はより大きなリスクを取れるはずだから貸出が増える。実際に増えたかどうか知らんw

2017-10-20 18:18:09
伝左衛門 @yumiharizuki12

これに対して、金融政策が実質的効果を持つどマクロモデル(IS-LM)では、中銀が人々の財布に直接お金をねじ込むような設定。例えば、お金が供給されて同時に流動性需要が増えるためにはGDPが増えなければならない。つまり中銀が実際にやることとは違うことを想定してるのが教科書マクロ。

2017-10-20 18:23:57
伝左衛門 @yumiharizuki12

長くなったのでいったん切って、再開します。 IS-LMのような教科書マクロで、需要をどんどん増やせば、いずれインフレになるはず、というのは実は間違い、と最近思っている。 twitter.com/yumiharizuki12…

2017-10-20 18:39:20
伝左衛門 @yumiharizuki12

IS-LM分析は、それ自体GDPを求めてるわけではなく、総需要を物価水準Pの関数として求めてるにすぎない。つまり総需要関数AD(P)を与えるのがIS-LM分析で、それと総供給曲線AS(P)の交点で、GDPと物価水準Pが決まるという話。

2017-10-20 18:44:11
伝左衛門 @yumiharizuki12

さてここで、需要不足、つまり総需要<総供給のまま取引が行われるとしよう。総需要曲線が右下がりで総供給曲線が右上がりであるとすれば、これは均衡価格より高いところで取引が行われ、需要側が割当を受けることになる。ここで需要=供給となるために行われるべき調整は価格上昇でなく低下である!

2017-10-20 18:51:49
伝左衛門 @yumiharizuki12

「いやそれはおかしい、価格が硬直的なんだから、総需要をもっと増やす政策をやればいい」。確かにもっともで、それやると総需要曲線が右シフトしていずれ、需要=供給となる。ここでいきなりレジームがシフトして均衡分析になり、今度は供給曲線に沿ってGDPと価格がゆるやかに上昇する経済になる。

2017-10-20 18:57:53
伝左衛門 @yumiharizuki12

問題は、なぜここまで不均衡分析だったのが、いったん均衡が回復すると、そこから先は均衡分析になるかである。そこからさらに需要が増えても、価格は上がらず、今度は総供給<総需要となって、総供給がGDPを決める状態にシフトしてもいいわけである。今の日本経済の状態はこれに近いのではないか。

2017-10-20 19:02:40
伝左衛門 @yumiharizuki12

不均衡分析から均衡分析にスムーズにシフトしない理由は、おそらく、裏で総需要曲線と総供給曲線がつながっていて、価格調整が起こりにくい何かが働いてるのだろうが、静学的な教科書マクロではそれが何かわからない。多分、動学的なメカニズムが裏で働いてるような気がする。

2017-10-20 19:10:19
伝左衛門 @yumiharizuki12

いろいろな解釈があり得る。先程語ったように、金融緩和と言っても、公開市場操作に過ぎず、総需要を増やしてるわけではない。だからGDPがあまり増えないのかもしれない。何らかの理由で労働分配率の低下が続いていて、消費性向の高い労働者の所得が増えてないから、ということも考えられる。

2017-10-20 19:34:57
伝左衛門 @yumiharizuki12

しかし「中央銀行が公開市場操作で国債を買い、貨幣供給を増やすことによって総需要を増やします」と教えるのはやっぱり間違いだなw

2017-10-20 19:42:04
伝左衛門 @yumiharizuki12

「ゼロ金利の国債購入は同じものの交換で効果ない」と教えるのも実はおかしくて、Wallaceの教えにしたがえば、金利がプラスの債券を金利ゼロの準備預金に交換させる場合は、やはり高値で買わねばならず、中銀に発生する損失は貨幣発行益(金利収入)と相殺するので、やっぱり中立的ではないかw

2017-10-20 19:47:06
伝左衛門 @yumiharizuki12

やはり「ケインズは死んだ、新古典派万歳」かw 元々、ケインズは金融政策の効果を高く評価していなかったので、風評被害のようなものかw

2017-10-20 19:50:03