川崎vs柏 レビュー @ ボール保持が得意なチームに対抗するには?

雨に濡れたピッチを物ともせず、よりポゼッションを貫こうとした監督と選手達の勇気。素晴らしかったです
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@GP_02A

天皇杯準々決勝・川崎vs柏。雨に濡れたピッチを物ともせずにポゼッションを貫き、ほぼ完勝と言っていい内容で川崎を下した柏。その1戦を下平監督及び選手のコメントを用いて解説。内容的には基本的な部分です

2017-10-26 21:34:12
@GP_02A

【コメント】 天皇杯準々決勝 川崎 vs 柏 下平隆宏監督の試合終了後の会見コメント -1550文字-(2017/10/25) : 「柏フットボールジャーナル」 targma.jp/kashiwa/2017/1…

2017-10-26 21:34:15
@GP_02A

下平監督「Jリーグの中で得点力の高いチームだと思っていますので、守備でなんとかするというよりは、こちらが攻撃をして、ボール保持をしてなんとか自分たちの時間を多く作ると、そういうプランで臨みました」

2017-10-26 21:34:29
@GP_02A

下平監督「短い期間でしたけど、GKからのビルドアップ、CBのポジショニング、アンカーのポジショニングを含めて、もう一度しっかり準備をして、自分たちの原点に戻るようなゲーム展開をする中で、CKから1点取れて本当に良かったと思っています」

2017-10-26 21:34:36
@GP_02A

リーグH浦和戦を思い返しても解るが、ボール保持に優れ、崩しの精度の高いチームに対してただ引いて構えると、真綿で首を絞めるように延々とボールを保持され、最終的にこちらのブロックを動かされて崩されてしまう。下平監督はそれを良しとせず、積極的なハイプレスで浦和のビルドアップを破壊した

2017-10-26 21:34:42
@GP_02A

今回の川崎戦ではその流れを汲み、積極的なハイプレスとボールを失った直後(ネガトラ)の素早い切り替えによるプレス。そして「自分達が徹底的にポゼッションを貫き、ボールを保持する時間を増やす事で川崎の攻撃機会を減らし、自分達の守備機会を減らす」事を選択した

2017-10-26 21:34:50
@GP_02A

先日の大宮戦では先制したものの、後半、特に瀬川が途中出場してからの大宮のプレスに困り、後ろから長いボールを蹴らざるを得なくなった結果、空中戦の質的優位で菊地・河本に跳ね返され、セカンドを拾われて流れを持っていかれるという苦い経験をした

2017-10-26 21:34:57
@GP_02A

下平監督はその反省を活かし、試合前には「今日は仮にリードしたとしても意地でも繋げ」と選手達に伝えていたそうだ。雨で濡れたピッチでポゼッションを貫くにはリスクもあるが、選手達は勇気を持って指示を実行。柏はほぼノーミスだった一方、ミスを多発させたのは柏のプレスに苦しんだ川崎の方だった

2017-10-26 21:35:06
@GP_02A

【レビュー】 天皇杯準々決勝 川崎 v s 柏「頑なにボールをつなぎ、真っ向勝負に出た90分間。2年ぶりの天皇杯ベスト4へ」 -1712文字- (2017/10/26) : 「柏フットボールジャーナル」 targma.jp/kashiwa/2017/1…

2017-10-26 21:35:15
@GP_02A

下平監督「(大宮戦後半のような)ああいう緊迫した状況でも、『俺らはボールを繋げるし、他のチームとの違いを見せていかなくてはいけない』というのは再認識させて、話をしました。それを意識して今週のトレーニングをやりました」

2017-10-26 21:35:23
@GP_02A

では、川崎を相手に繋ぐためにはどうしたらいいか。川崎は前線からアプローチに行く際にFW,MF,DFの3ラインが縦に間延びする傾向があるので、下平監督はそこを使おうと考えたと思われる。そのために短い準備期間でいつもとは違うビルドアップの形を仕込むことにした

2017-10-26 21:35:31
@GP_02A

それがGK中村航輔を使ったビルドアップである。柏U-18の頃を知っていると懐かしく思えるが、中村は元々足元の技術には定評があり、ビルドアップへの参加も難なくこなすタイプのGK。相手のプレス回避のためにバックパスを受け、それを逆サイドに展開したり、DHに縦パス通したりするはお手の物

2017-10-26 21:35:38
@GP_02A

GKがビルドアップに参加できると、攻撃面で計り知れないメリットがある。それは「フィールドプレイヤーの数が1人増える」から。攻撃側はGK含めてビルドアップ隊の数が11人。守備側はそれに対してプレスに行けるのは10人(GKは動けない)。つまり相手に常時数的不利を強いる事ができる

2017-10-26 21:35:48
@GP_02A

また、GKがビルドアップに参加すると、相手を自陣に引き込むことで深さが生まれる。ハイプレスだ!といっても相手は「どこまで追うのか」を考えなければならないし、GKの所まで追って行くと後ろは数的不利。全体のラインを上げすぎると裏には広大なスペース。こうして間延び傾向が一層強まる

2017-10-26 21:35:56
@GP_02A

下平監督は川崎の間延び傾向のプレスを省みて、GKをビルドアップに参加させることで更に間延びを促し、中盤のスペースを使おうと考えた。そしてそのために空いたスペースで受ける天才・中川を起用し、ボールを前進させようと考えたのだと思う

2017-10-26 21:36:02
@GP_02A

第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝|柏レイソル Official Site reysol.co.jp/game/results/2…

2017-10-26 21:36:10
@GP_02A

ボギョン「最終ラインからビルドアップのサポートについては最初からそうして行くことを決めていた。自分と(中川)寛斗の所で味方の動きを見ながら、ビルドアップに加わっていった」

2017-10-26 21:36:18
@GP_02A

中谷「ボランチの(小林)祐介の所が結構空いていたので、そこを上手く使うようにして、中盤の数的優位を作れていたと思う。航輔(中村)も今日は後ろで多くパス回しに参加していたけれど、そこは監督から言われていたし、彼も元々能力の高い選手なので普通に違和感なく出来ていた。すごいと思う」

2017-10-26 21:36:25
@GP_02A

実際のビルドアップの形を見てみよう。GKと2CB、アンカーの4人でスクエア(菱形)を形成し、相手2トップに対して4対2の数的優位。対角線の概念があるので、GKからアンカーへの縦パスを通させないために相手2トップは中央に絞らざるを得ない pic.twitter.com/O31yJa5oj5

2017-10-26 21:37:06
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@GP_02A

仮に2トップが縦パスのコースを消しながらアプローチに来たとしても、両脇のCBは空いているので、斜めにボールを動かす事で難なくボールを前進させられる pic.twitter.com/zMKGliom1k

2017-10-26 21:37:26
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@GP_02A

「じゃあ俺がヘルプに」と相手SHがCBの所に行くと、低い位置で構えているSBを見る選手が居なくなってしまう。GKはCBを1つ飛ばしてSBへパスを送る事で難なくプレスを回避できる。しかもこの後サイドは2対1に pic.twitter.com/Y2suJDHSMU

2017-10-26 21:37:40
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@GP_02A

「じゃあDHの俺が中央のコースを消しながら行くぜ!」が守備側としてはベターなのだが、そこで待ってましたと躍動するのが中川。DHが空けたスペースで受けたり、DHがアプローチに行けないようにDHSH間に落ちて牽制しながらビルドアップをサポート pic.twitter.com/nowZuiPHVi

2017-10-26 21:37:59
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@GP_02A

絶対的な数的優位を得た柏はこのようにボールを前進させ、自分達のボール保持の時間を増やして川崎の攻撃機会を削った。なお、先制された川崎は「それでもラインを上げて前から行け」と鬼木監督が促したので、DFラインの背後には広大なスペースが。そこを突いて追加点を取れれば満点の試合だった

2017-10-26 21:38:12
@GP_02A

日曜のリーグ・柏vs川崎は相手も対策を講じてくるだろうし、選手も入れ替わるので全く同じように行くとは限らないが、対川崎、他にも対浦和等、ボール保持に優れるチームを相手にするにはどうしたらいいか、には1つの答えが出たのではないかと思う

2017-10-26 21:38:19
@GP_02A

ヤスパー・シレッセンのキーパーのビルドアップ集解説 考え方 セーブ技術 - YouTube youtube.com/watch?v=AL_WOQ… 参考動画としてどーぞ

2017-10-26 21:38:31
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