コルセスカの休日

三原クロウ @crow_mihara

◆◆◆◆◆◆ア！◆◆◆◆◆◆

三原クロウ @crow_mihara

本日はお休みである。いや、ガロアンディアンを運営するトリシューラには休みも何もあったもんじゃないのだが、俺のもう一人の雇い主がそう決めたのだ。 （ごめんねーアキラくん。セスカのこと今日はおねがい！） 脳内のちびシェーラがぴょこぴょこしている。 あまり誠意は感じないが、まあいい。

三原クロウ @crow_mihara

「俺は別に構わない。俺はコルセスカの使い魔でもあるからな」 （あっ、なんかその反応はヤな感じだなー。いきなり呼びつけちゃおっかなー） 「お前がコルセスカの様子見て来いって言ったんだろ……」 ちびシェーラが脳内で地面？を蹴っ飛ばしながらちぇー、と口を尖らせた。

三原クロウ @crow_mihara

（ま、いいや。いいってことにしとく。じゃあホントお願いね、アキラくん） 「おう、任せろ」 早速コルセスカの部屋の前に到着する。 ノック。 「コルセスカ？　入るぞ？」 返事がない。

三原クロウ @crow_mihara

ドアにカギはかかっていなかった。 ふむ。不用心だな。 あと部屋が昼間から薄暗い。 ……なんか既視感あるなこの状況。

三原クロウ @crow_mihara

部屋の中心、どうやら布団と思わしき物体がもぞもぞとうごめいている。 うわ、気持ち悪っ。 っていうかうっすら漏れてる明かりはつまりそういうことか。 予想はしていたけど。

三原クロウ @crow_mihara

「うう…あと、少し…あと少しなんです…次の…次のセーブポイントまで…もうちょっとで…」 うん、だいたい予想通りだな。これは。

三原クロウ @crow_mihara

「おーい、コルセスカさーん」 「ハッ？どこかからアキラの幻聴が…？　いえ、そんなはずはありません。しっかりしなさいコルセスカ！　ちょっと睡眠時間を削ってダンジョン踏破に勤しんだ程度で幻聴などたるんでいます！」 それ健康に悪いし、別にたるんでるって言わないからな？

三原クロウ @crow_mihara

埒が明かないので実力行使だ。 ちょっとかわいそうだが我慢してもらおう。 「えいやっ」 「ぎゃー光がー眩しい光がー！」 はいはい、そういうのいいから。

三原クロウ @crow_mihara

「おはようコルセスカ」 「えっ、あっ、アキラ…！？」 うん、アキラさんですよ。

三原クロウ @crow_mihara

「こ、これはもしや私が最近アキラから吸血していない即ち必須栄養素アキラ分不足による幻覚…？」 「大丈夫かコルセスカ？」 思いの外深刻な気がしてきてちょっと心配になってしまったぞ。

三原クロウ @crow_mihara

「わ、わかってますよ！ちゃんとアキラが迎えに来たことくらい。ええと、着替えるので部屋の外に出ていてください。トリシューラからの用ですよね」 「いや、そうなんだけどそうじゃないというか…別にお前を連れて来いとは言われてない」 「は？」 すごい目つきしたなコイツ今。

三原クロウ @crow_mihara

「では何ですか。アキラは特に用もなく私のゲームプレイを邪魔しに来た、とそういうことですか？」 急激に目つき悪くなるのやめない？

三原クロウ @crow_mihara

「単にシェーラからは『セスカの様子を見てきてねー』って言われただけだ。今日一日は休みでもいいってさ」 途端に喜色を表すコルセスカ。 現金な奴め。

三原クロウ @crow_mihara

「えっ、じゃ、じゃあアキラは今日一日私に何でもしてくれるんですか！」 俺の言ってない情報を勝手に増やすんじゃない。 「まぁ、俺にできる範囲でな」

三原クロウ @crow_mihara

「えっと、じゃあこれ！これやりましょうアキラ！新発売のソフトなんですけど二人での共闘が楽しいと聞いてたのでまだ開けてないんです！」 「あ、うん。わかった」 全く予想通りの展開だが、いいか別に。 一日たっぷり遊べば明日は部屋の外に出てくるだろ。 それに。

三原クロウ @crow_mihara

楽しそうな笑顔のコルセスカを間近で見られるのは実のところいい気分だ。 ……ちびシェーラがさっきから俺を威嚇してくるのは見なかったことにしておく。

三原クロウ @crow_mihara

結局。俺はコルセスカにつきあわされて丸一日新作ゲームの山をプレイすることになり、翌日元気いっぱいのコルセスカとは対照的に俺が体調を崩すことになったのだが、まぁこれは別の話だ。 たまにはこういう一日も悪くない。

三原クロウ @crow_mihara

（END）

三原クロウ @crow_mihara

ということで突発的に即興アリュージョニスト二次SSでした