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江戸時代の農民は本当に貧しかったのか?

「貧農史観を見直す」の内容をざっくりと紹介。 細かい技術的なこととか、具体的な資料とかは、本を読んでもらうとして読むと「日本史の授業だけでは見えなかったことが見えるようになるよ」という部分だけをかいつまんではなしました。
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三沢文也 @tm2501

フォロワーさんから頂いた本なんだけど…学校で習った日本史の片手落ち感を埋めてくれる本。 人口の8割は農民の時代なのに、我々は農民を知らなすぎた 佐藤 常雄 の 貧農史観を見直す (講談社現代新書) を Amazonでチェック! amzn.to/2zZR2Kn

2017-10-31 19:06:51
三沢文也 @tm2501

例えば、江戸~明治に移るにあたり、税金のとり方を米からお金に変えてるんだよね。 米だと価値が変動しちゃってまとまった資金にならないから。 いっぱい米が取れても金に変えられる金額がそれだけ増えると…市場原理のせいでそうはならないのよねぇ…。

2017-10-31 19:15:47

年貢から地租改正に行くところまでは習うけど、あれがなんでかまでキチッと習わない。

米で集めると収穫に地域格差ができたり、貨幣に変える段階で資金集めがうまく行かなかったり、逆に税金がかけにくい産業ばかりが発達して民が豊かになっても、政府はその恩恵を受けなかったり…そういう江戸時代の反省が入ってる話はあんまりされない。

三沢文也 @tm2501

あとは…お米で徴収してる以上、格差ができるんですよね。 今は品種改良とか肥料の関係で違うけど、当時だと機内や西日本は生産力が高くて、東日本・北日本は生産力が低い。 肥料だって都市の生活から出たものや、周辺の草木・あとは買った肥料を使ってるから土地の影響ってすごく出てくる。

2017-10-31 19:26:38
三沢文也 @tm2501

今はそうでもないけど、元々江戸周辺は沼地。 というのも、利根川が千葉県境の方に流れるように作り変えられたのは江戸時代の話で、元々は東京側に流れ込んでた。 長い歴史があって、開発された畿内と違って、治水事業からやらないと立ち行かなかった関東や東日本は生産力的にどうしても劣るわけで pic.twitter.com/31OLH9OkQ2

2017-10-31 19:33:08
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三沢文也 @tm2501

よく、江戸時代の武士のイメージって、地頭か、官僚かみたいな税金を取るのに熱心な悪代官ってイメージが強いけど…元々の流れは戦国武将だから、(特に江戸時代の前半の方は)治水事業とかを熱心にやってた。 西洋的な農村にグイグイ入っていくタイプの支配者ではなく、武士は武士の仕事をしてた

2017-10-31 19:37:09
三沢文也 @tm2501

ざっくりいうと、 ・主に税金は米で取ってたから、米とは別に色んなモノを生産してた ・武士は農村に常駐しないから、新田の把握が雑で税率が高そうに見えて全部の土地に課税対象でもない ・武士は武士で相互監視だったから農民に威張り散らすと地位が危なかった から、農民は「案外」豊かだった

2017-10-31 19:48:44
三沢文也 @tm2501

(一部の大きな飢饉や、米作りにあんまり適してないから年貢を納めるのに効率が悪かった土地を除いて)江戸時代の農民が「案外」豊かだったからこそ、武士から農民に対して締め付けがあったし、豊かだったからこそ農民もそれに従ってた。 言い換えると、ちゃんとやれば豊かになる農業の技術があった

2017-10-31 19:54:20
三沢文也 @tm2501

あとは、農耕民族だからこそ(今みたいにIT化もされてなきゃ、仕事させるために監視することだけが仕事になっている人が常駐しなかったからこそ)、農民はずっと働かされたわけではなく、休む所は休めた。 また「案外豊か」だったから、娯楽性の強い休みを取り、それが目立つと武士から締め付けが

2017-10-31 19:57:00
三沢文也 @tm2501

細かい部分は「貧農史観を見直す」を読んでもらえばいいんだけど、要するに江戸時代の農民って、良くも悪くも支配がいい加減だった武士の作った仕組みのすき間をうま~く使って豊かに過ごす選択肢もあった人達なわけです。 それだけの技術もあったし、すき間もあった。 なぜか教育では言われないが

2017-10-31 20:07:05
三沢文也 @tm2501

教育が明治政府の影響か、誰かが作ったルールにはほころびがあることを教えてはいけない暗黙の了解があるのか、それとも権力を敵視する左翼的な思想からなのかはわかんないけど、「農民が貧乏で搾取されていた」は部分的にしか正しくないのよね。 それは農民の歴史をちゃんとせなわからんのよね

2017-10-31 20:09:36