論文「安定ヨウ素剤の様々な量による放射性ヨウ素同位体の甲状腺取り込みの抑制」関連ツイートまとめ(2017.11.6作成)

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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

今年はCME単位修得のためにNEJM購読してて、アーカイブ論文50本に無料でアクセスできるので、studyたんの2012年5月まとめ(togetter.com/li/300885)で言及されている明石真言氏の資料の引用元である、NEJMの1980年論文を読んでみた。

2017-11-06 10:03:57
まとめ 日常食(昆布など和食)による事故直後のヨウ素防御効果について 震災後の日本人だけ経口摂取の換算係数 2.1×10^-6 [Sv/Bq]などを 1/2とか1/3に下げる要因は和食の効果を考えても見つけられませんでした。 「関連まとめ」 福島第一原発事故による(小児)甲状腺癌リスクhttp://togetter.com/li/299825 首相官邸HP「日本食(昆布など)の効果」の定量的見積もり http://togetter.com/li/301393 7015 pv 154 1 user 2
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

Suppression of Thyroid Radioiodine Uptake by Various Doses of Stable Iodide「安定ヨウ素剤の様々な量による放射性ヨウ素同位体の甲状腺取り込みの抑制」 nejm.org/doi/full/10.10…

2017-11-06 10:09:37
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

健康なボランティア22人(男性12人、女性10人、年齢23〜50歳、平均年齢30歳)に10µCiのI123を経口投与した後、採血&甲状腺吸収率のベースライン測定を実施。1週間後、20µCiのI123を経口投与した1〜5分後に異なる量の安定ヨウ素を投与し、その後11日間も毎日投与。 pic.twitter.com/1Vaq9wSNVq

2017-11-06 10:52:23
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安定ヨウ素の投与量は6グループで異なった。 ①10mgの単回投与 ②初日に30mg後、10mgを11日間 ③初日に30mg後、15mgを11日間 ④初日に30mg後、30mgを11日間 ⑤50mgを12日間 ⑥100mgを12日間

2017-11-06 10:53:48
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

2度目のI123投与後、安定ヨウ素を投与してから、甲状腺の測定を3、6、24時間後に実施し、8日目と12日目にも同様の頻度で実施。24時間後、8日目と12日目に採血。 膝から7.5cm上での測定値を甲状腺外の放射線量とし、甲状腺での測定値から差し引き、甲状腺への取り込み量を決定 pic.twitter.com/gaPWr5DIJL

2017-11-06 10:54:20
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Table 1には、各グループでの甲状腺によるI123取り込み(I123線量の%)のベースラインおよび、安定ヨウ素投与当日、8日後と12日後の取り込み%が示されている。 10mg単回投与グループでは、24時間後の取り込みが12.5%と、防護レベルより高すぎたため、調査続行を中止 pic.twitter.com/cSpmiMWVua

2017-11-06 10:55:19
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安定ヨウ素の単回投与によるI123の甲状腺取り込みへの影響では、投与量が30mg、50mg、100mgのグループでの投与後24時間での甲状腺取り込みは 0.7〜1.5%だった。100mgでの取り込みが0.7%と最小だったが、30mgと50mgグループとの統計的有意差はなかった。 pic.twitter.com/RxvcbWEabS

2017-11-06 11:02:14
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

I123投与後2日目から12日目に毎日安定ヨウ素が投与されたグループでの、8日目と12日目の甲状腺取り込みは、3時間後と6時間後で同様に低かった。24時間後の取り込みは著しく抑制され、2%未満だった。 pic.twitter.com/8bBGWmyIcF

2017-11-06 11:12:39
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

24時間後の取り込みは、15mg、30mg、50mgグループよりも100mgグループで低く、統計的に有意だった。50mgグループの取り込みは15mgグループより低く、統計的有意差が見られた。

2017-11-06 11:13:07
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

初日に30mg、その後毎日10mg投与されたグループの中の2人では、24時間後取り込みが平均して4日目で3.2%、12日目では4.0%と、ベースライン値のおよそ80%しか抑制されていなかったので、防護が不十分だった。

2017-11-06 11:13:23
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

結論としては、甲状腺ブロックが必要な場合、安定ヨウ素100mg(単回or毎日)が、放射性ヨウ素の甲状腺取り込みを実質防ぐことに疑いの余地はないが、30mgか50mgの単回投与でも著しい抑制が見られる。毎日15、30、あるいは50mg投与すると、取り込みを90%以上抑制できる。

2017-11-06 11:22:44
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

100mgの連日投与では統計的有意差が見られたが、この分量の生物学的影響の重要性は不明である。しかし、大量の安定ヨウ素の摂取が甲状腺異常を引き起こす可能性があることを考慮すると最小かつ効果的な量の安定ヨウ素を予防的に用いることが賢明であろう。

2017-11-06 11:28:55
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

(この論文では、安定ヨウ素剤の副作用と甲状腺機能への影響についての説明が詳しくしてあったけれど、甲状腺機能の異常は、通常、被ばく防護に用いられるよりもっと長期での安定ヨウ素の使用により起こることが多い、と述べられている。) pic.twitter.com/MaNoRDGTM1

2017-11-06 11:33:03
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Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

この1980年NEJM論文のFigure 1が、明石氏資料の「原子力事故時におけるヨウ素剤の予防投与:ヨウ化カリウムの投与量と効果」のグラフのベース。Y軸は取り込み率vs阻害率(ベースラインからの取り込み抑制率)なのに注意。 pic.twitter.com/m3Dz1cXoB5 pic.twitter.com/CVdYiCsD0P

2017-11-06 11:42:12
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