フォロワー女体化創作百合・番外編『東風屋ちゃん』その１まとめ

はんちょ〜 @Hantipede

◆従◆　　　◆者◆ ◆女◆　　　◆体◆ ◆百◆　　　◆0101

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◆東◆　　　◆風◆ ◆東◆　　　◆風◆ ◆東◆　　　◆風◆

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◆ほんじつは百合要素はお休みです。かわりに今回は『東風屋』を主軸に据えたほのぼのトンチキ日常ギャグとかそういうおはなしにしようとおもいます◆

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誰も知らない場所にある離れ島、そこに出来た小さな街には多くの美女と美少女が、互いの個性をぶつけ合いながらひしめき合って暮らしている。仕事をする者。しない者。FGOとかやってる者。様々である。その街の一番大きな通り、メインストリートに店を構えているのが特殊喫茶『東風屋』である。

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通りの昼下がり、今日も『東風屋』の屋外席に腰掛けた十数人ほどの常連客が携帯端末の画面を点け、ガチャを引いている。もちろん店主のKP目当てだ。「ついに来やがりましたね」「来ましたね……」「天草ピックアップ……」FGOをプレイしている者達の表情に緊張が見える。

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「今度は誰連れてくるつもりだサンタアイランド仮面」「千子村正……」「いやいやそろそろエレシュキガル……」ブロロロロ。何者かが『東風屋』の前へ、ハーレーに乗りつけてやってきた。すらりとした長身の女性。だが、身に纏っているのはライダースーツではなく、ズボンタイプのビジネススーツ。

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そして何より目につくのは、ラッコの頭部を象ったと思しきライダーヘルム。そして肩から下げた甘エビの形の可愛らしいトートバッグ。なんたる女児趣味。女性はヘルムを両手でガッと掴み、外す。中に仕舞いこまれていた、ブロンドヘアが風になびく。女性は不敵な笑みを浮かべ、携帯端末を取り出した。

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「やっほー！みんな元気！？課長は今日も元気！！超絶美少女のエントリーだ！！」席の客たちに向かって、ブロンド美女は元気よく呼びかけた。勢いで首元から掛けた名札が荒ぶる。名札には『課長　ゴリラ入間』。「なんだ課長か」「仕事はどうした」「仕事に戻れ課長」「もー！定時だよ！」美女が抗議。

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「ねえねえみんな！ガチャ回すよ！課長ガチャ回すから見て見て！こんだけピックアップされてりゃ誰か☆５当たるでしょ！」「おっガチャ芸か」「課長の十八番の爆死芸だ」「おーしいけいけ課長」「回すんなら勝手に回してなよ。うちの敷地外でな！」２階の窓からとーふやがにゅっと顔を出した。

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「まぁ見てて！課長のプリプリアマエビ真拳で☆５を掴み取ってみせるから！」ゴリラ入間はテーブルに置いた端末の前で謎めいた演舞を始める。振るわれる彼女の腕は、人間のものではない。毛の生え揃った水棲動物の前足。それもそのはず、彼女はゴリラでもラッコでも人間でもなく、ゴリラ入間であった。

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「イヤーッ！」ぷに。切れ味鋭いシャウトと気の抜けるような肉球接触音がストリートに木霊した。「……ってアアーッ！うちの店で回しやがったな！許さねえ！」あまりにも知能指数の低い光景に言葉を失っていたとーふやが絶叫を上げる。「どーせ爆死でしょ」「たれだよたれ」「ゼパれ」画面に金輪演出！

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出てきたのはア　ス　ト　ル　フ　ォ！「オアアーッ！？」白目を剥いて絶叫し逆エビ姿勢になるブロンド美女！「あー、まぁまぁピックアップ対象ではある」「霊衣解放頑張れ課長」「あたしの……あたしのKP……」２階ベランダで干し布団めいてうなだれるとーふや。「ヒャアー！爆死体！」死体回収人！

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「……あれ？いがしょうさん今日いないの？」死体回収人くくろは路上で臀部を突き上げてピクピクと痙攣するブロンド美女の尻を、鉈の先でつつきながら意外そうに客の方を見やる。「あいつは出禁にした！毎日うちの店の席で割れやがってムカついたからな！」とーふやが叫ぶ。「なんちゅう理不尽な」

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「ああは言ってるけど、とーふやさん毎日のようにクソリプとかに見舞われてるからそのうちすぐ忘れるよ」「なんだーつまんなーい。いがしょうさんアタシは好きだぞ！すぐに死体になってくれるし！食い扶持！」「そこはお得意様とでも言ってやれよ」「ヒャアー！」課長を担ぎ上げ疾走！ハーレー放置！

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「よっこいせっと……うーい、やってるー？あれ？誰のだこのバイク」路上に突如出現した土管から身を乗り出して鶏卵頭部女子高生がエントリーする。「噂をしてれば」「惜しかったな卵、嫁と入れ違ったぞ」「は？嫁？……あー。アホ言え。イロモノにも程があんだろ。まぁ確かに付き合いは長ェがな」

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いがしょうは胸ポケットから煙草とライターを取り出し、取り出した煙草に火を点け、その鶏卵頭部のどこについているのか外からは判然としない口に咥えて吹かす。周囲の目は彼女に注がれている。「……あ？何よ？吸いてェの？」「卵……お前東風屋(ここ)出禁になったって…」「ん？そうだったっけ？」

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「そうだぞォてめェ卵ォ！！毎日毎日うちの店でガチャ引いたりお題箱覗いて派手に割れやがって！毎度オメーの嫁が片付けちゃァくれるがな、こちとらメーワクしてんだよ！うﾞーッ！」長い前髪をざわざわと揺らめかせ、眼窩と額の合計６つの眼を爛々と輝かせてとーふやが身を乗り出してがなりつける。

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「だから嫁じゃねェッつッてんだろ！！アンジェが供給されてんだよ！俺が割れてるくらいでビャービャー騒いでんじゃねえよ！カルシウム足りてねえのか！どこぞのトンチキワイン飲むかお前！？俺も一緒にクソリプ送り付けんぞArts狂人！福袋ゼパル！ケツ星！」いがしょうは怒鳴り返した。

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「チッ！」いがしょうは八つ当たり気味にハーレーを蹴り倒すと、『東風屋』に背を向けて歩きだした。「おーい、どこ行くんだよ卵」「モルグ。興が冷めた。あそこのもイカレっちゃイカレだが、そこの６つ目ぬキチの面拝むよか万倍マシだ。ったく誰のおかげでこのクソ喫茶が潰れずに済んでんのか……」

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「……別にあいつ一人のおかげでもねえよな」「うん」冷静に分析する一同。肩を怒らせ頭部から湯気が上がる鶏卵頭部女子高生を見送りながら、一同は各々の携帯端末に目をやった。「そういえば、ハロイベもあと少しで終わりですね」「延長されたよな確か」「金曜までだっけ？」この街の日は、まだ高い。

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【フォロワー女体化創作百合小説・番外編『東風屋ちゃん』その１　完】

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お目通しありがとうございました。 洗いざらい申し上げますと、百合要素に縛られすぎないために今回番外編という形を取らせていただいて実験がてら書かせていただいた訳なのですが、ご覧の通り百合要素が不法混入してしまいトンチキ要素も言うほどトンチキか？といった感じに仕上がってしまいました。

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当初の当方の目的と食い違い、皆様から見て中途半端な出来になってしまったかも知れないことをお詫び申し上げます。今回はっきりしたのは「書く前から入れないつもりでも余地があれば入れられてしまう百合要素」の特性あるいはそういった当方自身の作風を再確認することが叶いました。

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また、当方がリアルタイム執筆による即興形式の作品をこうしてTwitterで連載するのはこの企画が初めてだったため、「前までは丁度筆が乗っていただけなのではないか」「３回目は上手くいかないのではないか」と内心恐怖しながら書いていました。結果としましては、それは杞憂に終わりました。

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小説って、即興でも割りかし文脈を上手く繋げられるものなんだなあと新たな発見に感心しているばかりです。次もまた読んでやってください。