- SaikyoHae28
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●続・ハエ28ストーリー 最後の運用が終わって、周りが慌ただしくなった。 俺は6両と4両に分割され、自身が隣同士に並ぶことに。 もの珍しさもあってか、車庫には毎日見物人が来るようになっていた。 「わかってはいたけど、さびしくなるな。」 連結していたクモヤさんがぼそっとつぶやく。
2017-04-29 21:40:04●続・ハエ28ストーリー 「ニッパ先輩・・・」 声の主は、車庫に戻ってきたハエ101だ。 「今まで本当にありがとうございました。 引きとめたおかげで、先輩はレジェンドメーカー扱いになっちゃったけどwおかげで安心して走れました!」
2017-04-29 21:40:57●続・ハエ28ストーリー おい!レジェンドメーカーは余計だぞ!w ハエ101は「すいやせーーーんw」と言ってふざけて笑っていた。 お互い笑いが落ち着いたところで、 「後のことは任せてください!それと、どこにいても見守っててくださいね。」と。
2017-04-29 21:43:48●続・ハエ28ストーリー 俺も、わかった。後を頼んだぞ!と託した。 先に去って行った仲間の分もな。 101は1番早く川越にやってきた分、一緒に過ごした時間も長かった。 ということは、全ての埼京線205系を川越から見送ることになるんだな。 そして、川越を旅立つ日がやってきた。
2017-04-29 21:44:26●続・ハエ28ストーリー 迎えに来たEF64-1031は、顔を合わせた瞬間「俺のこと、覚えてるか?」と言ってきた。 何と答えればいいのか迷っていると、 「お前の兄貴を長野へ連れていったのは俺だよ。」と。 言われてみれば・・・3年前の夏の日のことだ。
2017-04-29 21:46:19●続・ハエ28ストーリー ハエ26と一緒に、兄貴(ハエ27)を見送った。 「俺の分まで存分に走れ」と言って、長野へ向かったんだよな。 「兄は最初に運用離脱したけど、お前は約束した通り、十分に走り切ったな」 確かに走りすぎたくらいかもしれない。今兄貴に会ったら何て言われるかなw
2017-04-29 21:47:52●続・ハエ28ストーリー 連結作業が終わり、着発線で新木場へ向かう70-000を見送った。 「さあ、出発だぞ!」 たくさんのセンターの人たち、沿線の人たちに見守られながら、川越を後にした。 と、後ろからむえさまの叫び声が・・・ 「てめぇー!絶対に生きて戻ってこーーーい!!」
2017-04-29 21:49:37●続・ハエ28ストーリー 着発線の近くまでわざわざ追っかけてきたらしい。 思わず「I'll be back!」と叫んだが・・・ あれ?俺二度と戻ってこないはずなのに何言ってんだ? むえだって、戻ってくることないってわかってるのに・・・と、後で思った。
2017-04-29 21:51:10さようなら、俺のふるさと。 ここまで走れて幸せでした。 pic.twitter.com/7UAVO5fjsj
2016-11-07 23:23:26●続・ハエ28ストーリー 長く走った川越線を後にして、貨物線経由で武蔵野線へ。 兄貴か姉貴に会えればいいんだけどな・・・ と思っていたその矢先。 トンネルの中で姿が見えた。M2姉貴だ! おーい、姉貴!! 姉貴は、はっとした顔でこっちを見た。
2017-06-06 22:35:55●続・ハエ28ストーリー 「ハエ28、まさか・・・今まで本当によく頑張ったわね。おつかれさま!」 ああ、姉貴も兄貴と頑張ってくれ!と伝えて、短い再会を終えた。 あ、姉貴に一言言い忘れた!!
2017-06-06 22:37:09●続・ハエ28ストーリー 姉貴ーーーーー! 誕生日おめでとう!!! (M2の落成日は10月27日、俺のラストランの日だった) ギリギリ聞こえたのか、姉貴ははるか後ろから、長めの警笛で返事をした。
2017-06-06 22:37:42●続・ハエ28ストーリー 「お前たち兄弟、本当に仲がいいな」ロクヨンさんが話しかけてきた。 まあ、京浜東北で走ってた、キワモノの205ですからね、と笑ってみせた。 「兄弟か・・・俺らは会社自体もばらばらになっちゃったからな」 そうか、ロクヨンさんは国鉄時代を経験してるのか。
2017-06-06 22:38:08●続・ハエ28ストーリー 「兄弟はほとんど貨物に行っちまった。今でも長野で会えるから、それが長野配給の数少ない楽しみなんだよ。」 聞けば、ロクヨンさんの兄弟も廃車が進み、運用も減っているという。 昔は上越線でも会えたらしいけど、今はほとんどが中部地区を中心に走ってるそうだ。
2017-06-06 22:39:08●続・ハエ28ストーリー 気づけばどんどん山奥へ入っていた。 川越線も緑が多いけど、森のような場所へ入ることはほとんどなかった。 別の場所へ連れていかれるんだな、ということが、この時やっとわかった気がする。 「さあ、最初の休憩だ」 鳥沢・・・って、ここどこ?
2017-06-06 22:39:35