アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、1980年版鉄腕アトム39話脚本：ロボットにもある「男の背中」

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めてしまった、カイジのシリ構、高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、1980年版鉄腕アトム39話脚本。 前回はルパン三世2nd40話脚本。 togetter.com/li/1173040 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39a 1980年版鉄腕アトムは、白黒の初代の後、1980年に制作された第二作目。 監督は、後にマクロス監督となる石黒昇氏。 今回は、原作コミック(「人工太陽球の巻」)とも比較していく。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39b 世界各地で、人工の太陽のような機械(以下、人工太陽球)が周囲を焼き尽くすという事件が発生。人工太陽球のコンセプトは原作通りなのだが、長年、太陽を重要キャラと捉えて来た高屋敷氏が今回の脚本担当なのは興味深い。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39c 高屋敷氏が監督を務めた忍者マン一平では、「偽のサンタ」が「偽の太陽」のような気球に乗ってやって来る。 今回も、まさに「偽の太陽」が出る話。こういった、「偽物」に対する怒りは、同氏作品で多く感じられる。 pic.twitter.com/LMULCgLIij

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39d イギリスの私立探偵であるシャーロック・ホームスパンは、人工太陽球の開発者がお茶の水博士であることを突き止める。 ホームスパンのキャラデが原作と異なり、手塚作品の他の主人公・七色いんこになっている。 キャラ性はあくまでホームスパンだが。 pic.twitter.com/srn7l1TOWh

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39e また、オリキャラとして、ホームスパンの友人で医者のDr.ワクチンが出てくる。 オリキャラが可愛いおっさんというのが、なんとも高屋敷氏らしい。ルパン三世2nd脚本でも、オリキャラが可愛いおっさん。 とにかく中高年好きのようだ。 pic.twitter.com/bLEHbWKCFE

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39f ホームスパンは、お茶の水博士に人工太陽球についての話を聞くため、日本に行くことに。 一方日本では、怪しい集団が、お茶の水博士の家を見張っていた。 アトムが様子を見に行こうとするが、そこへホームスパンが訪ねて来る。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39g ホームスパンは単刀直入に、お茶の水博士に人工太陽球について問い詰める。 お茶の水博士は、冥王星開拓計画のために、かつて人工太陽球を作ったことを素直に認める。だが予算オーバーで計画は中止になり、人工太陽球は放置されていたという。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39h ホームスパンは、お茶の水博士が人工太陽球を操っている組織に狙われているとして、自分が博士に変装し、その間にアトムと博士が逃げる計画を提案。 その際、偶然ホームスパンの服を破ってしまったアトムは、ホームスパンの身体が機械だと知る。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39i ホームスパンは、過去に大怪我をして、頭部意外を機械化していた。彼は、この機械化がロボット医師によるものだとして、ロボット嫌いになったのだった。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39j 機械の身体を晒すホームスパンの姿に、高屋敷氏特徴の「脱衣演出」が出ている。 剥き出しの自分を見せたり、アイデンティティ喪失の危機を示したり、守るものが無い試練を表したりする表現として、裸や脱衣がよく出る。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39k 画像はその「脱衣演出」の例。 今回、チエちゃん奮戦記・カイジ・DAYS脚本。他も、裸や脱衣はよく出て来る。 pic.twitter.com/XUw2PnWDhn

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39l ホームスパンは自身の計画通り、お茶の水博士に変装して、わざと組織に捕まる。 その間に脱出したアトムとお茶の水博士だったが、東京を襲う人工太陽球に遭遇。アトムは博士を避難させた後、人工太陽球に立ち向かうが、触手に絡め取られ敗北してしまう。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39m 一方、お茶の水博士に変装したホームスパンは、人工太陽球を操る組織のボス・メイスンと対面する(原作では金三角)。彼の野望は、より強力な人工太陽球を博士に作らせ、地球・宇宙を支配する事だった。 そこへ、壊れたアトムも連れて来られる。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39n 博士の変装をしているホームスパンは、渋々、メイスンの計画に従うふりをする。 その素直さをメイスンは疑い、監視を怠らぬよう、部下に命令する。 敵も鋭さを発揮するのは、数々の同氏作品で見られる。ルパン三世2nd脚本の銭形然り。 pic.twitter.com/Arnmu1Ob1x

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39o ホームスパン(博士の姿)は、人工太陽球を成層圏外に飛ばすよう、人工太陽球を操縦するロボットに命令するが、メイスンの部下に見つかり邪魔される。 ホームスパンは、駆けつけたメイスン達に正体を明かす。高屋敷氏特徴の豹変。カイジ2期脚本と比較。 pic.twitter.com/0kJ6QtEr9B

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39p ホームスパンは隙を見て脱出。 ホームスパンを追い、人がいなくなったアジトにてアトムは、操縦ロボットに手足を交換してくれないかと頼む(原作は、頭以外の全身)。何でも言う事を聞く仕様の操縦ロボットは、それを承諾。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39q 一方ホームスパンは追手に撃たれ、足の機能が破損する。 危機一髪のところで、彼は操縦ロボットと手足を交換したアトムに助けられる。 それでもアトムに素直になれないホームスパンであったが、夜を待って、アジトに再潜入することにする。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39r そして夜になるが、雨が降ってくる(特徴:自然もキャラの一人として、様々な演出に関与させる)。 ホームスパンは足をひきずり、アジトに行こうとするが、思うように歩けず転倒。 アトムは、そんなホームスパンをおんぶし、一緒にアジトへ向かう。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39s アトムはホームスパンをおんぶしながら、「今の僕には、空を飛ぶ力も十万馬力も無いけど、悪い奴と戦う勇気だけはあります」と語る。 高屋敷氏特徴の、「少年」から「男」への豹変。家なき子演出、カイジ・DAYS脚本と比較。 pic.twitter.com/48wUDVdltc

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39t また、「おんぶ」で心を通わせるのは、高屋敷氏の作品を追って行くと、歴史が感じられて面白い。今回はじめ、はだしのゲン2・RIDEBACK ・XMEN脚本で出てくる。他にも、まだあるかもしれない。特にゲン2脚本の、母をおんぶする場面は重要。 pic.twitter.com/Rqo8Q4MztL

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39u ホームスパンはアトムに背負われながらアトムの男気を感じ、ゲン2脚本では、ゲンに背負われた母が、ゲンの成長を感じる。 このシンクロも面白い。 pic.twitter.com/4PMUUQIVbx

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39v 心を通わせたアトムとホームスパンは、アジトの潜入に成功。 そして、アトムのメモリに記録されていた操縦法に則り、ホームスパンは人工太陽球を成層圏外へ飛ばすことに成功、アトムと喜び合う。

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39w 毎度不思議な高屋敷氏の特徴だが、喜び方が可愛い。はだしのゲン2・MASTERキートン・カイジ2期脚本と比較。他も多数。 そういったシチュエーション作りが上手く、共通しているのかもしれない。 pic.twitter.com/E1W7jsA5Pp

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高屋敷氏脚本1980年版鉄腕アトム39x 喜びも束の間、ホームスパンはメイスンに頭を撃たれてしまう。 怒りに燃えるアトムは、メイスンを投げ飛ばすのだった。 その後、ホームスパンは頭部を機械化。だが、アトムのようなロボットもいる事を知った彼は、自身のロボット化を後悔しなかった。