文化庁京都移転記念シンポジウム(2017/11/30 イイノホール)

速記メモで、守護や発話者を含め前後の発言が混ざるなど、内容に保証はできませんが、実際の発言の文脈についてのお問い合わせは記憶の限り正確に返答するよう心掛けます。
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文化庁京都移転シンポジウムに来ている。吉田健一のライブが冒頭30分くらい。会場外では宇治の玉露が供されている。府知事挨拶。現在は移転プロセスの進行について司会が原稿読み上げ中。この後長谷川祐子氏らによるパネルディスカッションがあるらしいけど、なんとなく不穏な空気を感じる。

2017-11-30 13:40:26
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京都への文化庁移転で、首都機能が「政治経済首都」と「文化首都」に二元化するというパンフレット記載。全く実体が伴っていない気がするのは気のせいか。 pic.twitter.com/MfLAqNYthH

2017-11-30 13:44:24
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パネルディスカッションのコーディネーターは近藤誠一元文化庁長官。パネリストはエバレットブラウン、長谷川祐子、松尾依里佳、村田吉弘。パネリストの顔ぶれに、年齢性別国籍の多様性を確保しているのは評価できる。

2017-11-30 13:47:12
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冒頭近藤氏より、文化庁移転を予算獲得のような近視眼的なものではなく今後100年の日本のためになるようにという視点で考える機会としたい・100分を4つに分けて 1)日本文化のエッセンスは何か 2)国民に理解されるためには 3)どう社会に、世界に知ってもらうか 4)それに文化庁移転をどう活用できるか

2017-11-30 13:51:14
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ブラウン「最近銀座でも京都でも観光客が増えている。話を聴くと、侘び寂びから祭りまでのバラエティということもあるが、精神的なもの、原点を振り返る時期に来ている。外のものを素直に取り入れてそれをより面白いものにするが、縄文から漆や焼き物がある。その装飾、巧みさは本質かも。デコ携帯も」

2017-11-30 13:54:36
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長谷川祐子「京都で学生時代を過ごし、伝統文化にも触れた。エバレットさんから巧という話があったが、最近手がけたフランスでの展覧会で、フランスの美術館の人から、フランス人はカワイイと禅は知っているからそれ以外のものを見せてほしいと言われた」

2017-11-30 13:57:24
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長谷川「異文化を混合していく、日本的な風土に合うように変えていくという力がすごい。みなさんが日本風と思っているものでも実は海外から来て日本風に変わったものが多い。古いものとハイテクが自然な形で混交していることが重要なテーマだと思う」

2017-11-30 13:58:39
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長谷川「モスクワでの展覧会ではエコロジーがテーマになっていたが、日本のアニミズム的な、物を大切にする文化は、エコロジーという考え方にとっても不可欠になっている。異種混交、新しいものと古いものの共存、自然との関係性という広い意味でのエコロジーの3つがキーワードになると思う」

2017-11-30 14:00:46
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松尾「大阪出身だが京都での学生時代にステージデビューした。師事していた工藤千尋先生に着いて、京都で学生生活を送りたかった。東京は文明で京都は文化だとよく呼ばれるが、自分は西洋音楽だけではない音楽を表現したく、また様々な科学者や哲学者を育んだ街に惹かれて京都を選んだ。」

2017-11-30 14:03:10
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松尾「しかし大学に行く時周りの仲間たちは東京に行く人が多くて、関西から東京を経ずに海外に出る人がいないと先生方は嘆いていた。京都は伝統的なだけではなく近代化の時に女子高等教育などもっとも先に始まった土壌もある。そういう京都の性質はすなわち日本的なものとも感じている」

2017-11-30 14:05:08
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松尾「日本人を媒介して表現される西洋音楽は模倣から始まるものではあるが、西洋の、石造りの反響音の多い教会で演奏されることを前提とした曲を日本の寺院でやっても、全く別のものになる。仏教もインドからだし、今や日本に中国からラーメンを食べに来る人もいる。津軽三味線もロックの要素が入る」

2017-11-30 14:07:08
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村田「日本アカデミーの理事長として私のような料理人がここに座らせてもらっていると思う。日本料理は節度と品位。言わずとも分かれという文化の中で西欧化を目指したのは無理があった。敗戦して日本文化を捨てようとしたのか、京都はパン屋はパリより多く イタリア料理店はミラノより多い」

2017-11-30 14:09:13
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村田「そういうことへの危機感もあって和食を文化遺産にしてもらった。文化遺産ってことは絶滅危惧種ということ(会場笑)各地の郷土の料理を食べ続けて行くこと。和牛の上にフォアグラ乗せてキャビア載せても、やってしもたみたいな料理になるじゃないか。節度と品位を見直す時代ではないか。」

2017-11-30 14:10:59
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村田「うまいものばかりでいいのか、ばあちゃんが作ってくれた料理、そんなにまずかったかなあと。日本文化の中の侘びも寂びも、そういう本来持っている品位と節度ということから考えるべき」 近藤「私も最近若い人の会話の中に、たしなみ、ゆかしさ、品位といった言葉が出てこないのが気になる」

2017-11-30 14:13:16
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近藤「では、どうして十分に伝わらないのか、若い人にもそうしたことが受け入れられないのはなぜか、どこがいけないのか。ブラウンさん外国人の立場からどうか」 エバレット「答えはかんたんで、教育。詰め込み教育では感性が育まれない。各家庭の役割が大きい。まず家庭からはじめるべき」

2017-11-30 14:15:15
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ブラウン「これからの観光はただどこかに行くだけではなくて、行って体感する、経験する、体感することに移ってくる。観光で来た外国人が日本でそういったことをし始めることで、日本の若い人も目を向けるようになると思う。」

2017-11-30 14:16:24
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村田「和食の文化遺産登録前は和食店56000軒、4年経って11万4千軒、第一次生産物の輸出量が2倍になった。それだけ生産物が売れて行くが成り手がいない。料理学校では和食よりパティシエ、イタリアン、フレンチ、中華の方が人気がある。京都は給食改定で和み給食。唐揚げ食べても、野菜炒めをお浸しに」

2017-11-30 14:18:27
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村田「今は、牛乳を和食と一緒に食べさすのではなく、2時間目と3時間目の間にして給食の時はお茶にしたらどうかと。これから経済縮小の一途で人口も経済もアジアの国に抜かれる。50年後は、25%の人が75%の人を食べさすが、子供たちは飢えないか」

2017-11-30 14:20:14
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村田「飢えたら文化は守れない。だから日本のものを食べるようにして自給率を守っていかないといけない」

2017-11-30 14:20:48
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長谷川「実のある話のあとで抽象的な話をするのは恐縮だが、日本の場合は文化の発信の仕方がうまくない。以心伝心や感覚感性による理解がある。日本美術にしても風土ということと関わる。乾いた欧米では違ったものになる。今は後発の韓国や台湾の30歳くらいの絵画の方が高く売れる」

2017-11-30 14:23:03
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長谷川「これは国を挙げて売ってきたということもあるし、この感性は今の価値観でどういう言葉になるかというブランディングがうまくない。ネオポップとして村上隆や奈良美智が出てきたときはわかりやすく世界で理解された。色々な海外の人の価値観に繋げてあげることが重要と思う」

2017-11-30 14:24:29
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長谷川「メッスでの展覧会の時は、日本の力を「ポップ」と言い、簡潔さを「禅」というように、現地の人がわかるように言い換えた。そういうことが大事。カワイイはどうするか? 軽やかさ、儚さや脆さ、反語的な強さという形で、言い換えて見せたら、フランスでは興味深く受け取ってもらえた」

2017-11-30 14:26:35
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長谷川「ニューヨークタイムズでもこれまでの日本のクリシェ、紋切り型を超えたという評価をいただいて少しいい気になっているが、そういう工夫をして行くことは必要。文化によって立っていくためには、持っているものをアップデートし、わかるように翻訳していくことが重要。鑑賞したものを語る教育」

2017-11-30 14:28:30
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長谷川「美術にしても食にしても他の文化的なものにしても、自分たちが体験したものをお互いで話したり 、ワークショップ的に言葉にしたりコミュニケーションにして言葉にする訓練をするということが時間をかかるけれど一番有効なことだと思う。」

2017-11-30 14:29:57
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松尾「小学校でフラットな場で公演をするとリアルな反応がある。やはり一方向の物ではなく、楽器の説明や曲の説明を双方向でやると非常に活き活きとする。大阪でも文楽を小学校で見させられて嫌いになる人がたくさんいるという話を聞いた。ワークショップや身近なものとして体感することが重要」

2017-11-30 14:33:15