孫正義(@masason)さん「今回の様な電力会社の事故の賠償上限が、法律で1500億円と定められているのは本当でしょうか?」と言う疑問に弁護士 Nakayama,Ryutaro(@ny47th)さんが答えて下さいました

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孫正義 @masason

今回の様な電力会社の事故の賠償上限が、法律で1500億円と定められているのは本当でしょうか? 誰かその事を知っていますか?

2011-03-30 22:34:08
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@masason 1200億円というのは、賠償義務を担保するために予め保険などを締結しておかなくてはならない額で、責任の上限を定めるものではありません。ただ、原子力損害の賠償に関する法律3条1項但し書きで「異常に巨大な天災地変によって生じた」損害は全額免責の対象となっています。

2011-03-30 22:53:54
Nakayama, Ryutaro @ny47th

改正も何も現行法の損害賠償措置(1200億円)の意味と3条1項との関係を誤解している・・・ RT @agora_japan: アゴラ : 東電がすがる原子力賠償法を改正へ  http://ow.ly/4pvqB

2011-03-30 23:02:53
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@masason 電気事業連合会のHPで公開されているこの図が分かりやすいと思いますが http://ow.ly/4pwuf 、右側に「異常に巨大な天災地変」以外の場合は事業者の責任は無限であり、そのうち一部が予め手当(1200億円)です。

2011-03-30 23:18:41
Nakayama, Ryutaro @ny47th

余りにも初歩的な誤解があるようだが、原子力損害賠償の概要は電気事業連合会のこちらのページを見るのが吉。  http://ow.ly/4pwHh 特に中にあるこちらの図は分かりやすい。 http://ow.ly/4pwJC

2011-03-30 23:20:29
孫正義 @masason

何だかよくわからないけど、東電の賠償額に何らかの上限があるなら理解に苦しむ。それにしても金の問題より人命。RT 電力会社と国の契約で1200億円まで賠償し… http://ow.ly/4pu2X RT l

2011-03-30 23:20:52
Nakayama, Ryutaro @ny47th

原賠法は、3条1項本文で、原子力損害については、原子力事業者=この場合東電に、無過失責任を負わせる。この責任については、4条2項で他の法令による賠償責任の制約を外しており、事業者は民法の原則に戻って相当因果関係にある損害の全てについて責任を負う。(続く)

2011-03-30 23:22:33
Nakayama, Ryutaro @ny47th

但し、「異常に巨大な天災地変による」損害については、事業者の免責を定める。また、原子力事業者以外の者(例えばメーカー)は責任を負わないこととしている。これとは別に民法の不法行為責任を負う余地があるかは議論はあるが、裁判例や立法時の資料では否定されている。(続く)

2011-03-30 23:24:28
Nakayama, Ryutaro @ny47th

このように3条1項本文の原子力事業者の責任は無限だが、事業者が無資力で賠償できないといったリスクがあり得るので、「予め」保険加入、国との補償契約、供託で1原発あたり1200億円までは損害賠償が払われるように確保しなければならない(損害賠償措置)。(続く)

2011-03-30 23:26:12
Nakayama, Ryutaro @ny47th

「損害賠償措置」は、あくまで上限のない原子力事業者の責任の一部をカバーするためのものであり、1200億円以上の損害賠償義務が生じれば、原子力事業者はその分についても賠償しなければならない。但し、この場合には国は必要な範囲で、国会の議決に基づいて援助することとされている。

2011-03-30 23:28:20
Nakayama, Ryutaro @ny47th

(まとめ)1200億円というのは自動車の強制保険額のようなもので、別にそれを超える責任の免責を意味するものではない。今回のポイントは、むしろ原賠法3条1項但し書きの「異常に巨大な天災地変による」損害にあたるかどうかであって、次は、16条による国の援助がどうなるか。

2011-03-30 23:30:21
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@masason 法的に上限はありません。ポイントは、「異常に巨大な天災地変による」損害として、(上限云々ではなく)一切東電が責任を負わずにすむかどうかです。

2011-03-30 23:32:57
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura

@ny47th 原子力損害賠償法を読んでもわからないのが、東電は破産してまで無限賠償の責任を負い、足りない部分は国、ということなのかどうか、という点です。仮に東電を破産処理して財産分与しても、資産は水没している広大なダム用地とか、お金になりそうにないところが多そうですし

2011-03-30 23:33:05
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@kenichi_tomura 16条は援助義務は書いていますが、あくまで国会議決が必要なので、東電が破産した場合に、どの程度救済するかは政治的に国会議決で決まる形でしょうね。

2011-03-30 23:34:17
Nakayama, Ryutaro @ny47th

ううむ・・・@masason さんにはスパムか何かだと思われているんだろうか・・・プロフィール、もっと真面目に書いとけばよかったか・・・

2011-03-30 23:35:28
Nakayama, Ryutaro @ny47th

昔のジュリストで原賠法の解説を書かれていたのが竹内昭夫先生。「企業法」という枠組みでいえば、確かに商法学者の領域。内容も、論拠・論旨共に明快、それでいて、「熱さ」を感じる。やっぱり、竹内先生は、いい。

2011-03-30 23:43:47
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura

@ny47th 実際問題としては国費が投入されることになるんでしょうけれど、無限責任が破産するまでなんとかしろ、という話になるのかどうかは気になります。あと、今回の場合、想定していた地震の部分は大丈夫で、どう考えても想定外の津波で壊れていますから、その辺がどうなるのでしょうかね。

2011-03-30 23:47:37
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@kenichi_tomura 16条の要件は、3条1項本文の責任がある場合+損害賠償措置で足りない場合というだけで、事業者の支払不能等は要件になっていないので、金融機関の早期健全化法的なスキームで破綻させずに賠償義務を担保するようなこともあり得ますね。(続く)

2011-03-30 23:52:24
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@kenichi_tomura 3条1項但書きの「異常に巨大な天災地変による」損害といえるかどうかは、いろいろと議論はありそうです。ただ、但し書きにあたると、そもそも事業者が免責されてしまい、16条の国の援助義務もなくなってしまうので、被災者の救済の空白が生じるのは確かです。

2011-03-30 23:53:50
Yossy&Akky @yossyakky

東電の賠償責任に上限はありません。最低1200億円までは保険をかける義務がある、ということです。超過部分は国「も」援助できるだけ。 RT @masason 何だかよくわからないけど、東電の賠償額に何らかの上限があるなら理解に苦しむ。 http://ow.ly/4pu2X RT l

2011-03-30 23:53:54
Kenichi Tomura/戸村賢一 @kenichi_tomura

@ny47th なるほど。あと、3条に書かれている「原子力損害」がどこまでを指すかについてはどうなのでしょうか。直接的に放射線を浴びて健康被害があったとか、発電所が飛び散ってその破片でけがをしたとか、そういう狭い解釈だとほとんどの人が賠償されないことになってしまうのですが・・・

2011-03-30 23:58:10
Nakayama, Ryutaro @ny47th

原賠法3条1項但書きに該当する場合には、事業者が免責されるのは勿論、国の援助義務もなくなってしまい、被災者に対する法的保護は全くなくなってしまう。竹内先生のジュリ236号の論文を読んで、そのことに気付いて以来、但書免責の範囲についての考えが揺れている。

2011-03-30 23:58:47
Yossy&Akky @yossyakky

東電の責任についてクライアントから質問されたとき、真っ先にTwitter検索を行ったのはここだけの秘密です。(もちろんソースの原典に当たって裏は取りましたが)

2011-03-31 00:00:48
Nakayama, Ryutaro @ny47th

@kenichi_tomura 損害の範囲は通常の民法の解釈(相当因果関係)で決まりますが、直接的に被害を受けた人だけということにはならないんじゃないかと(個別事案的な判断についてはコメント差し控えます)

2011-03-31 00:05:06
Yossy&Akky @yossyakky

@ny47th まさにそこを考慮すると「異常に巨大」は極めて限定的に解釈すべきとの結論に傾きますね。ただ、原賠法は原子力事業者の責任範囲を規定したものですから、国が(事業者に対する援助ではなく)どう被害者を救済をするかは守備範囲外とも考えられると思います。

2011-03-31 00:05:41