2011年3月31日

地上にある航空機の脆弱性について(津波と弾道ミサイルの脅威から)

3/30の参院外交防衛委員会で自民党の浜田議員と北澤防衛相の間で興味深いやり取りがあった(http://bit.ly/hwjyxO →46分頃から)。詳細は下記を参照して欲しいが航空機は危機が迫っているからと言って沿う簡単に「飛んで逃げる」ことはできないものだ。これは中国からの通常弾頭搭載型の弾道ミサイル攻撃を考慮した場合、興味深い意義を有する。(しばらくtogetterを使用していなかったのはうまくログインできなかったため。陳謝。)
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fj197099 @fj197099

今日の参院外交防衛委員会。興味深い話だが、自民党の浜田議員が空自松島基地の戦闘機やヘリは津波が来ると聞いてすぐに飛び立てなかったのかと質問。北澤防衛相はスクランブル発進できる戦闘機は直ぐに飛びたてるがそうでないものは飛行前の整備などに手間がかかり、簡単にはいかないと答弁。

2011-03-30 21:10:05
fj197099 @fj197099

すると浜田議員はじゃあ弾道ミサイル攻撃等の時も有効な対処ができないのかと質問。防衛相はこれにそれは全く話が違う、イージス艦なりパトリオットなりの対策が色々あると答弁。このやりとりはちょっと面白い。まず大前提として空自松島基地はパイロットの養成部隊の基地であるという理解が必要。

2011-03-30 21:14:01
fj197099 @fj197099

つまりF-2等戦闘機は置いてあるがそれは複座の訓練用であって、戦闘用ではないということだ。すなわちスクランブル発進できる態勢になっておらず、津波がきたからといって直ぐには飛び立てないという防衛相の主張は正しい。今回は戦闘機・訓練機・ヘリ等を救うことが困難な不幸な事例であった。

2011-03-30 21:16:13
fj197099 @fj197099

しかし興味深いのはじゃあミサイル攻撃の時も同じなのかという浜田議員の質問。これは中々重要な問いで弾道ミサイルは発射されて10~20分程度で標的に届く。防衛相の回答であるイージス艦やパトリオット等のミサイル防衛があるからそれとこれとは話が違うというのは間違ってはいないが留保がある。

2011-03-30 21:19:05
fj197099 @fj197099

つまりそれは北朝鮮の核ミサイルを対象とすれば弾道ミサイル防衛で有効に対処可能な可能性がある、という話なのである。ここで興味深いのは、では中国からの通常弾頭ミサイルの場合はどうなのか、という話である。沖縄の嘉手納や那覇基地への攻撃があった場合、飛行機は逃げることができるのか。

2011-03-30 21:21:13
fj197099 @fj197099

結論から言えば極めて難しい。事前にミサイル発射の兆候が予測されているかどうかにもよるが完全な奇襲を想定した場合、逃げることは困難だろう。というのは通常弾頭ミサイルは核ミサイルと違いおそらく一度に大量発射される可能性が高いからだ。ミサイル防衛が機能するとしても能力的にオーバーする。

2011-03-30 21:23:11
fj197099 @fj197099

特に空自那覇基地(民間の那覇空港と滑走路共用)の場合、民間機の離発着で迅速な離陸は困難だ。ミサイル防衛で防げず、短時間の離陸も困難となれば、第一撃を食らうことは大前提としておかねばならない。つまりは浜田議員の言うように「逃げられない」場合もあると言うことである。ここが興味深い。

2011-03-30 21:26:51
fj197099 @fj197099

滑走路を攻撃する弾道ミサイルはおそらく広範囲に子弾をばら撒くクラスタータイプの弾頭であろうから、滑走路上に駐機している航空機は基本的に破壊されるだろう。格納庫に入れていてもそれが堅牢でなければやはり破壊されるだろう。通常弾頭ミサイルの先制攻撃で戦闘機が破壊される可能性は高いのだ。

2011-03-30 21:28:32
fj197099 @fj197099

これを防ぐためには飛行機は基本的に「飛んで逃げることはできない」ことを前提として、格納庫を堅牢化することで弾道ミサイルの攻撃から身を守るしかないことになるのだ。また飛行機を守っても滑走路が破壊されれば同じなので修復能力も十分に確保しておく必要がある。戦闘機は意外に脆弱なのである。

2011-03-30 21:30:29
fj197099 @fj197099

空自松島基地の津波災害によるF-2・18機の損害を含む総計28機の喪失は日本にとって手痛い損失であるが少しでもそこから教訓を学ぶとすれば、地上の航空機は意外に脆弱であるということだろう。危機が迫ったから飛んで逃げるということは簡単には出来ない。地上で攻撃に耐えるしかないのである。

2011-03-30 21:32:20
fj197099 @fj197099

そこ、大変興味深いですね。どこまで即応できるものなのか。日本でも真似できるものなのか。空自も参考にすべきかもしれないですね。@nobu_akiyama 他方USAFは地震の際のevacuation計画があるって元空軍の知り合いが言ってました。JASDFにそれがあったのかどうか。

2011-03-30 21:46:55

コメント

fj197099 @fj197099 2011年3月31日
航空基地に対するミサイルの脅威についてのAir Force Magazineの記事(http://bit.ly/gZNe5H)。米国は1980年代末期に欧州方面へのソ連の脅威を真剣に捉えていた。今は日本が中国の脅威を真剣に捉えるべきなのだが、なぜか航空基地の脆弱性についての認識はまだまだ甘い。専門家は知っているのだろうけれども。
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fj197099 @fj197099 2011年3月31日
狙いは沖縄か?中国が新型ミサイル配備を開始(http://bit.ly/fDiN5U)・・・タイミングよくドンピシャリの記事が出ていた。阿部氏によれば沖縄の航空基地を叩くのは中国の新型弾道ミサイル東風16となる可能性が高いという。ロフテッド軌道の採用で弾道ミサイル防衛回避にも貢献するのかもしれない。
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fj197099 @fj197099 2011年3月31日
航空基地の脆弱性について追補だが、RAND研究所がつい最近公表した"Shaking the Heavens and Splitting the Earth"という報告書は正にその種の内容のことを扱っている(http://bit.ly/g3YLHF)。308頁もある恐るべき分量の報告書であるが。
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fj197099 @fj197099 2011年3月31日
航空基地の脆弱性につきもう一つ追加だが、弾道ミサイル以外にも航空基地は特殊部隊による潜入攻撃に弱い。警備を突破されて格納庫まで進入されれば機体を守るすべがない。故に航空基地は人的な意味での警備も極めて重要であるというのは国際的常識である(が、日本の態勢がどうなのか心許ない部分が無いわけでない)。
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Tetsuro KITAJIMA@クラシック音楽方面用 @hcro_classic 2011年3月31日
「トム・クランシーの原潜解剖」で、沖合の原潜から通常弾頭ミサイルを大量投射して基地の飛行機&防衛&人材を壊滅させる作戦の概要が掲載されてた。沿岸沿いの基地&潜水艦でやられたら発射から基地壊滅まで5分かからないだろう。
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くわたろ @kuwataro 2011年3月31日
トム・クランシーなら、「レッドストーム作戦発動」でアイスランドのNATO空軍基地がミサイル攻撃で無力化されるシーンがあったような。
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fj197099 @fj197099 2011年3月31日
まあ私の知る限り現在の中国に対地攻撃可能な巡航ミサイルを発射できる潜水艦は存在しませんけどね。尤も南西諸島方面は巡航ミサイル警戒が甘いので超音速の(地上発射型)対地攻撃巡航ミサイルなどが将来出てくれば脅威にはなります(それまでに巡航ミサイル防衛を充実させる必要あり)。
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いくた♥️なお featuring Tricity155 @ikutana 2011年5月1日
現状だと、弾道ミサイルは発射予兆を捉えられる事になってるのは確かですね。いきなり飛んできては(弾道ミサイル防衛も含めて)どう仕様も無い話。一方、飛行場の修復は数時間内にできるはず。 機材が生き残っていればだけど:-)
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