カマドウマは、様々な光合成をやめた植物の種子の運び手。

光合成をやめた植物3種の種子の運び手をカマドウマと特定 ,神戸大学 理学研究科 http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2017_11_13_01.html
3

カマドウマが、様々な光合成をやめた植物の種子の運び手となっていることを明らかにした論文を発表しました。自身の中では過去最高傑作の仕事だと思っています。ぜひご覧ください。
https://t.co/T2rcDYyVuR https://t.co/bwPI6fggor

上は末次健司さんのツイートに書かれていた文章のコピー、下はコピー元のツイートのリンクです。元のツイートにはグロ画像が含まれるので、差し替えました。
https://mobile.twitter.com/tugutuguk/status/928873575427096576

末次 健司 @tugutuguk

多くの植物は、動物に食べられることで種子を運んでもらい、糞と共に排出してもらう方法を採用しています。この方法を用いる植物は、動物への報酬として、糖分などの栄養に富む果肉を発達させています。我々が食べているおいしい果物も、動物に種子を運んでもらうための進化の賜物なのです。

2017-11-10 15:35:53
末次 健司 @tugutuguk

このように、動物に食べられて運んでもらい、糞と共に排出される種子散布方法は、動物被食散布と呼ばれ、種子の運び手は、主に鳥類と哺乳類ですが、驚くべきことに親戚同士でもない3種の光合成をやめた植物が、昆虫に種子散布を託すという進化をそれぞれ独自に遂げたことが明らかになりました。

2017-11-10 15:36:21
末次 健司 @tugutuguk

昆虫が動物被食散布による種子の運び手となる例としては、ウェタが有名です。ニュージーランドではコウモリ以外に哺乳類が存在しないため、哺乳類の占めているはずのニッチが空いていました。そのためバッタの仲間が巨大化して、それが種子の運び手としても機能していると言われていたのです。

2017-11-10 15:37:03
末次 健司 @tugutuguk

言い換えれば、バッタの仲間が種子の運び手として機能するためには、哺乳類が存在しないような特殊な環境における独自の進化が必要だと考えられてきたのです。このような直翅目による種子散布の例は、地上で生活する哺乳類がいる地域においては世界で初めてのものです。

2017-11-10 15:37:23
末次 健司 @tugutuguk

寄生植物の種子は、栄養を蓄える必要がないために非常に小さく、埃のように風で舞うことで散布されると考えられてきました。しかし、光合成をやめた植物の生育環境は暗く風通しの悪い林床のため、風に種子散布を頼るのは非効率的です。そこで、動物に種子散布を頼るようになったと考えられます。

2017-11-10 15:38:11
末次 健司 @tugutuguk

しかしながら、寄生生活を営んでいる彼らには、あまり資源に余裕がありません。このため鳥類や哺乳類が好むような、栄養に富んだ果肉や目立った色の果実を作ることができず、次善の策として、質の低い餌資源でも利用してくれるカマドウマを、種子の運び手として雇ったのかもしれません。

2017-11-10 15:38:50
末次 健司 @tugutuguk

実際に、一般的な種子の運び手である鳥や哺乳類の仲間は、これらの植物の果実に気が付いて触れることもありましたが、食べようとはしませんでした。

2017-11-10 15:39:06
末次 健司 @tugutuguk

なお、ギンリョウソウに関しては、「ギンリョウソウにとってモリチャバネゴキブリは“かけがえのないパートナー”である」と最近報告されましたが、ギンリョウソウは、今回の調査地を含め、モリチャバネゴキブリが全く生息しない地域にも、多数存在しています。

2017-11-10 15:39:32
末次 健司 @tugutuguk

(ギンリョウソウは、北は北海道から南は沖縄まで分布し、本州でも亜高山帯まで生息していますが、モリチャバネゴキブリは北海道には分布しておらず、本州でも主に平地に生息しています)

2017-11-10 15:39:49
末次 健司 @tugutuguk

このことと、今回の研究でカマドウマがギンリョウソウの種子の運び手として機能していたことが解明されたことを併せて考えると、ギンリョウソウの種子散布は、特定の昆虫ではなく、その地域に生息している様々な無脊椎動物を種子の運び手として利用しているのかもしれません。

2017-11-10 15:40:13
末次 健司 @tugutuguk

いずれにしても,一般的な種子の運び手である鳥類や哺乳類が果実を食べようとしないのは非常に興味深い特徴です。

2017-11-10 15:41:06
末次 健司 @tugutuguk

今回の親戚同士でもない光合成をやめた植物のカマドウマ散布の発見は、光合成をやめるという進化(とそれに伴う種子の小型化や、風による種子散布が非効率的な暗い林床環境への進出)が、昆虫による被食動物散布という特殊な生態への収れん進化を促したことを示唆するものです。

2017-11-10 15:41:55
Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) @gryphonjapan

@tugutuguk おれも昔から、カマドウマはただ者じゃない、何かやるやつだと思ってたよ。 twitter.com/tugutuguk/stat…

2017-11-10 21:11:46
末次 健司 @tugutuguk

カマドウマが、様々な光合成をやめた植物の種子の運び手となっていることを明らかにした論文を発表しました。自身の中では過去最高傑作の仕事だと思っています。ぜひご覧ください。 onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/np… pic.twitter.com/bwPI6fggor

2017-11-10 15:34:52
京都八丁平の会(中川 泉) @takeurushi

@tugutuguk 素晴らしい、驚くべき研究です。発表おめでとうございます。さいきんめっきり見かけなくなってるカマドウマ。

2017-11-10 23:16:54
あきばっくす @akibax

@tugutuguk すごいです! カマドウマはハリガネムシを水辺に運んだりいろいろ大変な仕事をやってますね。

2017-11-11 00:02:02
末次 健司 @tugutuguk

「カマドウマは光合成をやめた植物の種子の運び手」論文について、もし詳しく知りたいメディア関係の方がいましたらメールやDMで連絡ください。(月曜には大学HPにプレスリリースもアップしてもらう予定です。)

2017-11-11 10:28:01
masnoske @masnoske

@tugutuguk ベンジョコオロギにトイレの神様が微笑んだ!

2017-11-11 11:46:49
苔むす。 @bug20366002

@tugutuguk カマドウマにそんな機能があったとは。 昆虫も植物の繁栄に力を貸しているとありましたが、 まさかカマドウマまでもが・・・・・・・。

2017-11-11 21:31:06
水無月唯&水無月行人 @yukito0001

@tugutuguk しかし現実は不快害虫としてスプレーされてしまう現実。実際にこの画像も結構グロい。

2017-11-12 13:06:32
とくきよ @tokukiyo2

@tugutuguk @oikawamaru 田舎の山の謎の洞穴に沢山いたっけ…

2017-11-12 18:40:40