元検事 @TriggerJones42 さんがぶっちゃける、検察が「問題判決」(=無罪)の時期を気にする訳

興味深かったのでトゥギャらせていただきました。 経験者ならではの、検察官目線の解説。
犯罪 社会科学 司法
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@TriggerJones42
久々のKYツイート。検察は無罪を嫌います。これ自体を正面から議論するとツイッターでは手に負えないので、ちょっとフィールドを狭くして小話を。正確に言うと、エライさんは「不意打ち無罪判決」を一番嫌います。無罪になること自体より、そのタイミングに関心があります。
@TriggerJones42
時期的に言うと、年末と年度末が一番嫌われます。どちらも控訴すべきかどうかを内部で検討する時間が不十分になるからです。前者は年末年始の休暇に引っかかり、後者は人事異動時期に引っかかるからです。
@TriggerJones42
無罪判決を食らうと、控訴すべきかどうかを地検と高検で検討しなければなりません。地検は多少の融通がききますが、高検は容赦ないので、例えば大晦日に部長や検事長が出勤してくることなどあり得ません。
@TriggerJones42
検察では、無罪判決を初めとする検察にとって具合の悪い判決を「問題判決」と総称します。で、12月や3月が近づいてくると、エライさんから公判部のヒラ検事宛に「年(度)末の問題判決を避けるよう、問題のある事件の判決期日指定には意を用いられたい」みたいなお達しが降りてきます。
@TriggerJones42
ここで公判検事の「勘の良さ」と度胸が試されます。どんな検事もそれなりの数の「危ない事件」を抱えています。これらの事件が「問題判決」になるかどうかの見通しを立てられるか、あるいはそうならないか、証拠関係を客観的に評価できるかどうかの能力が問われるのです。
@TriggerJones42
おれはどちらかと言うと「臆病な公判検事」だったので、ちょっとでも「嫌~な感じ」のする事件については、「問題判決」が出るかも知れないと用心して、弁護人と裁判所に対し、期日指定に配慮してもらうよう努めてました。強調しておきますが、無罪自体が嫌なわけぢゃないんです。時期がネックなのです
@TriggerJones42
「問題判決」が出そうかどうかは、結審(論告・弁論)期日と判決期日との間隔が一つの目安になります。あくまで例示ですが、結審から判決まで2か月もかかる場合は、「問題判決」が出る危険が高いですね。無罪にするためには、判決理由で検察が出した証拠を全部蹴散らしていかないといけないので。
@TriggerJones42
このようなとき、例えば結審が10月なのに、12月中に判決期日を指定するように裁判所から促されたとき、公判検事は勘を働かせないといけません。年末年始で検察が控訴体制を十分に整えられないのを見透かしての「問題判決」を出そうとする裁判官がたまにおられるからです。
@TriggerJones42
そもそも、まともな公判検事なら、結審の時点で「問題判決」が出るかどうかの見通しができないといけません。「これは負けるわな」と分かっている事件は、きちんと成仏させるのも公判検事の腕の見せ所です。
@TriggerJones42
ただ、年(度)末に問題判決を出されると、そのこと自体でエライさんから無駄に怒られるので、10月結審の判決期日が12月に指定されようとしたときは、公判検事は「恐れながら、年明けにしていただけませんでしょうか」と言うわけです(苦笑)
@TriggerJones42
これすなわち判決を延ばすことになりますから、被告人が身柄拘束されている事件では当然弁護人が抵抗します。無罪が見えている以上、お正月を自宅で迎えられるかどうかは一大事ですから。が、宮仕えの身としては、そこを何とか突破しないといけないという、情けない抵抗をしなければなりません。
@TriggerJones42
これすなわち判決を延ばすことになりますから、被告人が身柄拘束されている事件では当然弁護人が抵抗します。無罪が見えている以上、お正月を自宅で迎えられるかどうかは一大事ですから。が、宮仕えの身としては、そこを何とか突破しないといけないという、情けない抵抗をしなければなりません。
@TriggerJones42
ただ、少なくとも昔は、このような場面で裁判官が「検察官、年内でいいでしょう」と発言することもありました。勘のいい公判検事は「あっ、さては有罪にしてくれるんだな(ホッ」とかぎ取るわけです。そんなときは「分かりました。(指定された期日を)お請けいたします」と引っ込みます。
@TriggerJones42
逆に、稀ではありますが裁判官が「弁護人、まぁ年明けでもいいではないですか」と言うこともあります。これすなわち「検察官の立場もあるから、時期だけはこらえてくれ。無罪にするから」というサインですね(爆)
@TriggerJones42
ところで、自分のことを棚に上げて、ときちんと断りを入れて言いますが、「勘」が悪い公判検事は、裁判官が10月結審の判決期日を12月に指定してきても、「お請けします」と言ってしまいます。「なぁに、大丈夫、大丈夫」と高をくくっている場合ですね(苦笑)。そして、年末に無罪が出ると。
@TriggerJones42
このような場合は、無罪判決が出たことでなく、年末に出されたことをこっぴどく怒られます。このような場合、例えば12月20日に無罪を食らったら、翌日に地検での控訴可否検討会議を、その2日後に高検に出向いての検討会議という殺人的スケジュールを食らいます。
@TriggerJones42
控訴の可否を検討する会議には、最低限のペーパーを用意しないといけないので、とんでもない時期に問題判決を食らった公判検事は検察庁に泊まり込んででもペーパーを仕上げないといけません。自分の見通しが甘かったのですから、自業自得です(落涙)
@TriggerJones42
ちょっと脱線しますが、おれは、同期の検事が論告を起案したのを代読するだけの結審期日に立ち会ったことがあります。事前に論告に目を通していましたが、訳が分からない(苦笑)。「大丈夫なのか、この事件・・・」と不安を隠せずに法廷に行きました。
@TriggerJones42
で、自分でも訳が分からない論告を読んだ後、弁護人の弁論を聞いていると「そのとおりだよなぁ。いいこと言うなぁ」(爆)。ダメだこりゃ、と思ったわけです。で、判決期日は3月下旬に指定。
@TriggerJones42
ですが、同期からは「絶対大丈夫だから」と言われていたので、期日を延ばしてもらう勇気を出せず、そのままにして法廷を終えてしまいました。されど、どうしても気になったので、公判部長に「論告より弁論の方が説得力ありますよ。これ、飛ぶ(無罪になることの俗語)んぢゃないですかね」と報告。
@TriggerJones42
これを聞いた公判部長、同期を呼びつけて「どうなんだ?」、同期、当然のことならがら「大丈夫ですよぉ」。で、部長はおれに「お前、裁判官のところに行って様子を窺って来い」。厳しいミッションを下されてしまいました。
@TriggerJones42
弱ったなぁと思いながらも、部長の命令だからしょうがなく裁判官室を訪ね「あの~、判決自体をどうのこうのと申し上げるつもりは一切ありません。ただ、こちらも立場上、時期的なことにつきましてはいろいろありまして。どんなもんですかね」としどろもどろで裁判官に質問(苦笑)
@TriggerJones42
これを聞いた裁判官、おれが代読をしたということを気遣ってくれたのでしょう、「ちょっとね、厳しいよね」。うひゃ~、えらいことになった。で、おれは「あのですね、判決を4月以降に延ばしていただけませんかね」となんともみっともないお願いを・・・
@TriggerJones42
裁判官「そんなこと出来ないよ。検察官は横綱相撲をとってくれないと」とにべもない。そりゃそうだ、いったん決めた期日をこっちの内部事情で変更できるわけがない。で、部長に「ダメでした。飛びます(坂上二郎さん状態)。期日変更も無理でした」と報告。
@TriggerJones42
が、幸い部長が肝の据わった人だったので「ならしょうがない。その後で控訴審議やるしかない」。ここで青ざめたのはおれ。だって、論告代読しただけで、事件のこと知らないんだもん。控訴可否を検討する会議のレポーターは、判決に立ち会った検事というのが普通なので、頭抱えました。
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コメント

腐ォトショッピー @IWD1_PhotoshoP 2011年3月31日
「これはひどい」から来ました!
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