チマクロの苗
白の軽装を纏い夜の森を駆ける青髪の少女 目標の痕跡を辿りながらも他の魔物の縄張りに踏み入れないように警戒は怠らない 「……見ぃつけた!」 目標の魔物を見つけ舌舐めずり、両手に持った魔法銃をしっかり握りしめる
2017-12-23 01:17:58その少女の名は条河麻耶(1〇歳) チマメクロニクル世界の冒険者として名を馳せる銃使いである 今夜彼女は親友2人に内緒でクエストを受注、純粋に狩りに来たのであった
2017-12-23 01:17:59「(『触手大量発生』か・・・まぁたまにはソロも一興だよね)」 そんなことを考えながら物陰から討伐対象の大地から生える触手を眺める 「(うへーヌメヌメしてそうできもちわりー14~16本くらいかな?よーしっ!)」握る銃に風が集束していく
2017-12-23 01:17:59スパン!スパァン!! 軽快な音を立てて空中に舞う二本の触手 突然の不意打ちにいち早く反応した視覚担当の触手が捕捉したその先には瞳に金色の炉を灯し不敵に笑う小柄な少女が立っていた
2017-12-23 01:19:15襲撃者を知覚し反撃を開始するため一気に迫る無数の触手 バンバンバンバンッ! それらをリズミカルにかつ正確に迎撃、撃ち落としていく その時背後の地面から2本の触手が不意を討とうと躍り出る
2017-12-23 01:19:16スパン!スパァン!! だがその2本は全く別の方から飛んできた一撃に切り飛ばされた その正体は最初に放たれた2発 マヤの魔力を原動力に自由な起動を描くその魔弾は何度でも敵を穿つ
2017-12-23 01:19:16しかし「んへっ!?」 突然最初に切り裂かれた触手が突如襲いかかってきた「なんの!」 それをギリギリ回避、そのまま撃ち抜いて続く2本目を蹴りで迎撃、反動で空中に躍り出る
2017-12-23 01:19:17あーー!!もう!!めんどくせー!!」 風を纏っていた魔弾はマヤの意思に従い属性と特性を変える 「これで終わりだよ!!!焼き尽くせ!!」 業火を纏った魔弾は命中した触手を片っ端から追い回し燃焼させ、見事燃やし尽くしたのであった
2017-12-23 01:19:17「せんとーしゅーりょー♪お疲れ様♪」 上機嫌に愛銃を労うマヤ 魔力を自在に込めれるように改造してもらった自分だけの武器故に愛着も深いのである
2017-12-23 01:20:11「……なんか揺れた?」マヤが違和感を感じたその瞬間 ズドーーン!「なになになに!?」 突然隆起する大地、反射的に飛び退いたマヤ 土煙が晴れたその先には「なに・・・アレ・・・」 大量の触手を生やす巨大なバケモノが生えていたのだった
2017-12-23 01:20:12「(まってアレが親ってこと……?大きさは3~4mくらい……てかこれ下にもまだあるよね!!最悪10m15mくらいあるくない!?逃げなきゃ!)」ジリッ 1歩下がった瞬間 シュルッ!!「しまっ!?」パァン!! 背後から触手が奇襲!
2017-12-23 01:20:13「がハッ!?……っ!」背中を強く打たれ吹き飛ぶもののすぐに体制を立て直すマヤ、しかし 「(あ……れ……?)」そのまま崩れ落ちる「(立てない……もしかして……麻痺……!?)」震える手で背中に触れると小さな針が刺さっていた
2017-12-23 01:20:39気がつくと大量の触手が動けなくなったマヤを囲んでいた、それらは彼女の足に巻き付くとズルズルと何処かへ引きずっていく「(いやだよ……死にたくない……チノ……メグ……)」 薄れていく意識の中、それだけを考えていた彼女はそのまま気を失ったのだった
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