財政出動に関する誤解と嘘

タイトルの通り。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

まず、誤解してはいけないのは、財政拡張で必要なのは、生産ギャップの補填なのであって、それ自体が(趨勢的な)経済成長を引き上げる必要はないということ。尤も、この点はリフレ派も悪くて、一部リフレ派が「経済成長で財政再建」みたいな雑なことを言うからおかしなことになる。

2017-12-20 20:56:50
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

むしろ、財政拡張による補填が有効なのは、「成長低下予想が、自然利子率を引き下げるからだ」というのがクルーグマン型の不況論なのであって、成長率が趨勢的に鈍化しているからこそ、財政拡張が重要になってくる。このことはtwitter.com/criticalmind_E…でも論じたところ。

2017-12-20 20:59:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「現代日本経済の時系列分析」togetter.com/li/1179351でもまとめたところだけど、日本は1990年代以降、明らかに政府支出の伸びを低下させてきたのであって、もし「財政は拡大したけど効果がなかった」という言説があれば、それは即座に完全な嘘だということがわかる。 pic.twitter.com/4Bh5brwXEN

2017-12-20 21:01:40
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「歳入が減って、財政赤字は増えているから財政拡張的だ」という主張にはいくつも問題があって、一部はameblo.jp/shingekinosyom…でも挙げたんだけど、「歳入減少型の財政拡張は、財政の持続的拡張には繋がらないため、頭打ちになると予想されてしまう」...

2017-12-20 21:07:03
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

,,,「歳入の減少があっても、裏で歳出の伸びを抑えてしまっていたら、均衡財政乗数的に考えて、緊縮的効果の方が強まってしまう」といったところがある。 唯一、財政赤字累積で有効なのは、内生的なマネーサプライ拡張を齎すところなのだが、今の所マネーサプライ増加率低下を補填するにはほど遠い。 pic.twitter.com/odCBmRmgJj

2017-12-20 21:09:36
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

あと、マイナーな論点だが、財政支出の効果を考察する場合、中央政府のデータだけを用いるのは失敗のもとだ。仮に中央政府が財政拡大をしても、地方政府の緊縮財政でキャンセルアウトされてしまう場合があるからで、これはクルーグマンがオバマ財政の際に論難していたポイント。

2017-12-20 21:11:07