リレー小説『そうだ地獄へ行こう!』
- cowfieldtinysno
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『もの書く人々』
書くひとたちに直撃取材をしたインタビュー&対談集。
アイヌから利己的な遺伝子まで、思わぬほうへ話題が転がっていく。
ものを書くひとびとの情念を感じる一冊。
@_negi_tama いやぁ~あれは本当に緊張しましたけど、記憶に残る出来事でした。たぶん後々まで影響を与えるのではないかと思います。ところでTLで前に言っていたリレー小説はどうなりましたか? 今は手が空いているので良ければ手合わせ願います。
2017-12-12 12:09:10@cowfieldtinysno ひえー、私が牛野さんとですか⁉ おそれおおい>< あの企画はまあ年明けにできればいいなと思っているのですが……、どこでどういうふうにやればいいか考え中です……実際にやることを考えてみると難しいことがあったり。 それじゃあここで、いっかい練習してみますか、リレー小説の?
2017-12-12 12:23:15@_negi_tama ゆきな-Sanの悩みは意外だった。 googleドキュメント上でテキストを重ねていくか、テキストファイルをメールでやりとりするものだと勝手に決めかかっていた。大体僕はゆきな-San のリレー小説に首を突っ込みたかったから、強引に『ところで』と言ったのである
2017-12-12 12:35:19@cowfieldtinysno 「ところで、」 僕はゆきな-Sanにリプライを飛ばした。 「私はコユキじゃなくてショウセツです」 「知ってます」 ゆきな-Sanはそっけなく答えた。 「それから、」 僕は本題を切り出した。
2017-12-12 13:19:17@_negi_tama 「とりあえず肉でも食べに行きましょう。嫌いなものとかありますか?」と僕は言った。「いいえ、基本なんでも食べれます」とゆきな-San は言った。こうして僕達は地獄へ行くことになった。
2017-12-12 18:23:40@cowfieldtinysno とても自然な流れで地獄へ行くことになったことに、僕は満足した。 「いい天気ですね」 と僕はさりげなく会話を始めた。 「そうですね」 見上げると、空は真っ赤に染まっていた。 僕達は地獄の入り口に到着したのだった。
2017-12-12 18:41:53@_negi_tama 《この門をくぐるには一切の希望を捨てよ》門にはそう書いてあった。どうやらロダン作らしい。ロダンが地獄に落ちるなら世界中の人が地獄に落ちるだろう。それともロダンは人間性を犠牲にして創作に励んでいたのか。しかしゆきな-San は言った。「この地獄偽物だ!」
2017-12-12 20:05:57@cowfieldtinysno 「だってこの焼けた鉄板、ステーキ用のサイズだもの」 そこには楕円形の鉄板があった。 「ああ、それはさ」 僕は地獄の門のレプリカを指さした。 「さっき肉食おうって言ったじゃない。で、ここは」 ステーキハウスJIGOKU、と書かれた看板が門に掛かっていた。 「ぐるなびで見つけたお店なんだ」
2017-12-12 22:11:20@_negi_tama 「ち、が、う、だ、ろ、違うだろー!私は地獄に行きたいの。JIGOKU じゃなくて地獄」僕はゆきな-Sanのワガママにたじたじだ。その時、一人の男が現れた。男は鶏の顔をしていた。そしてレディメイドのスーツを着ていた。サイズが合っていなくて動く度に空気が漏れた
2017-12-13 07:49:39@cowfieldtinysno ぷしゅー。空気の漏れる音がする。 「な、なぜ……」 僕は狼狽えた。ぷしゅー。 「なぜウェットスーツを着てる……?」 そのころゆきな-Sanは、地獄! 地獄! とシュプレヒコールのように叫んでいた。ぷしゅー。男の顔は鶏だったが鳩胸だった。ぷしゅー。 鳩胸の男は僕達を見てこう言った。
2017-12-13 10:28:54@_negi_tama 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!」目の前で捕食される鳥男。彼は生きながら食べられていた。「これウマスギィ!」ゆきな-San はトサカからかぶり付くと、瞬く間に頭部を飲み込むと、黄色いくちばしをバリバリと噛み砕いた。彼女は口から血を滴らせながら笑っていた。
2017-12-13 12:30:27@cowfieldtinysno 「メリークリスマス、Mr.牛野」 暦の上ではディセンバーだった。ふいにターキーの匂いがあたりを包んだ。一種異様の光景に僕は凍りついていた。ゆきな-Sanが口の端に付着した血を手の甲でぐいと拭ったのを見、僕はハッとして 「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり……」 と唱えた。 すると、
2017-12-13 13:14:13@_negi_tama 「ハァーイ!元気だった?また会えたね❗」死んだはずの鳥男が甦った。スーツはサンタクロースみたいに赤く染まっていたが、食べられたトサカもくちばしもツヤツヤしていた。ただし、しっぽには火がついていた。鳥男は火から逃げるように辺りを走り回ったが無駄なことだった。
2017-12-13 17:23:49@_negi_tama 「残念!あなたの来世はウミガメです。薬でラリッたヒッピーもどきに焚き火で焼かれて食べられます!」その頃どうにかして地獄まで行った僕達は火の鳥に来世占いを診断されていた。
2017-12-13 19:46:48@cowfieldtinysno 「で、火の鳥さん」 僕は地獄に来た目的を思い出した。 「あんた、デイジーって知ってるか」 火の鳥はビクッとした。鬼は怯えた。 「ワタシ日本語ワカリマセン」 鬼は俯いている。 「I have a pen!」 突如としてゆきな-Sanが叫んだ。 「I have an apple!」 その時、地獄の釜の蓋が開いた。
2017-12-14 07:13:16@_negi_tama 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」火の鳥と鬼が一緒になって食べられていた。生きながらに、焼かれ、かじられ、噛み砕かれていく鳥と鬼。地獄の前でこの世の地獄が召喚されていた。「ランチには遅すぎる」ゆきな-San はぺっと骨を吐き捨てた。
2017-12-14 12:27:50@cowfieldtinysno 「食いすぎだ」 僕はゆきな-Sanを軽くいなした。 「そろそろ地獄へ行こう」 三年もの間、僕達はその入り口にいたのである。 地獄へ向かう道すがら、歩きながら僕は問うた。 「君はなぜそんなに食べるんだい」 すると彼女はこう答えた。
2017-12-14 13:06:50@_negi_tama 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ!」ゆきな-San は地獄の底から絞り出したような叫び声を出した。「HAHAHAHA !」叫び声に混じって鳥男の笑い声が聞こえる。ゆきな-San の背中が破れて白い二つの翼が飛び出した。
2017-12-14 20:34:32@cowfieldtinysno 「レッドブル、翼を授ける」 鳥男が叫ぶ。 ゆきな-Sanは痛みを堪えるように顔をしかめる。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 彼女は唸り声をあげる。翼をばたつかせる。僕は慌ててその背中に乗る。空高く飛んでゆく。到着したのは天国だ。 「何者だ」 声がする。たぶん、なんかの神様だ。知らんけど。
2017-12-14 23:01:52@_negi_tama 「わいは笑いの神様や。おもろいことゆうたら地獄に連れてったるわ」と神様は言った。「布団の上にソフトみかん」すかさず僕は答えた。その瞬間天国が大爆笑。神も天使も腹を抱えて笑った。「なんやねん。布団が吹っ飛ぶんちゃうんか~い!ソフトみかんってどんなみかんや!」
2017-12-15 09:01:31@cowfieldtinysno 「なんで関西弁なんだ……」とゆきな-Sanが呟く。「ほなら地獄に連れてったるさかい」と神様は言う。天使はまだ笑っている。「わいに用あったらこれ使て」「なんすか」と僕。「ラッパ」「え」「大丈夫」「何が」「改造済みや。なあガブリエル」笑いすぎて呼吸困難ぎみの天使は振り向くと、うんと言う。
2017-12-15 10:17:44