2018年圏論ツイート初め

alg_d 先生による年始のありがたい圏論ツイート
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圏論初め

V-alg-d(ZZ) @alg_d

そろそろ今年の新年初圏論ツイートしようかな

2018-01-01 01:15:32
V-alg-d(ZZ) @alg_d

圏論の解説をすると結果としてワヘイヘイ漫画の解説をすることになるという状況笑ってしまう

2018-01-01 01:16:48

後ほど登場します > ワヘイヘイ漫画

V-alg-d(ZZ) @alg_d

場所さえ用意してくれれば僕が圏論の話しに行きますが

2018-01-01 01:33:39

ということなので、場所(と適切な謝礼)を用意すれば alg_d 先生の生の圏論のお話が聴けるかもしれません(保証はしませんが)。

V-alg-d(ZZ) @alg_d

というわけで圏論の話します

2018-01-01 01:34:44
V-alg-d(ZZ) @alg_d

圏の条件には結合律と単位元の存在があります

2018-01-01 01:36:11
V-alg-d(ZZ) @alg_d

結合律: (h・g)・f = h・(g・f) 単位元: id・f = f, f・id = f ただし・が射の合成

2018-01-01 01:37:11
V-alg-d(ZZ) @alg_d

今、条件を3つの式で書いてしまいましたが、圏論っぽく(?)図式で書くと次のようになります。(Cが射の合成を与える写像で、I^a: 1={*}→Hom(a, a) は I^a(*) = id_a となる写像) pic.twitter.com/6TbuQxbuuc

2018-01-01 01:44:28
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

可換であることを = で表しています

2018-01-01 01:45:50
V-alg-d(ZZ) @alg_d

さて続きましてstrict 2-categoryというものがあります。これはざっくり言うと、圏という概念に2-morphismというものを追加したものです

2018-01-01 01:48:07
V-alg-d(ZZ) @alg_d

2-morphismというのは、dom, codが一致している二つの射f, gがあったときに、「fからgへの射」のようになっていて、図式では次のような感じで書きます。σが2-morphismです。(2-morphismは「2」なので2本線の矢印で表します) pic.twitter.com/n4TAZ0FmvG

2018-01-01 01:53:26
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

そして、通常の圏と同じように、この2-morphismが満たすべき条件が色々と与えられたものがstrict 2-categoryです

2018-01-01 01:54:12
V-alg-d(ZZ) @alg_d

例えばstrict 2-categoryの条件の一つとして「任意の対象a, bについてHom(a, b)が圏になる」があります。

2018-01-01 01:56:25
V-alg-d(ZZ) @alg_d

つまり例えばどういうことかというと、3つの射f, g, h: a→b があって、2-morphism β: f⇒g, γ: g⇒h があったら、このβとγは「合成」できなければなりません。更に、この「合成」について結合律と単位元の存在が成り立つ必要があります。 pic.twitter.com/3qy2woJvI4

2018-01-01 01:58:28
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

この合成を垂直合成と呼んでalg_d.comではγ*βで表していますが、この記号は今日は使わないと思います pic.twitter.com/hRNZQTCgyq

2018-01-01 02:00:44
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

さて、strict 2-categoryには他にも条件がまだあって、今Hom(a, b)が圏になるという条件があったのですから、当然合成を与える C: Hom(b, c)×Hom(a, b)→Hom(a, c) も関手になるという条件が加わります。(もちろん先程と同じ可換図式も要求します)

2018-01-01 02:03:52
V-alg-d(ZZ) @alg_d

まったく同じ図式だが「写像の図式」から「関手の図式」にパワーアップ(?)している pic.twitter.com/ATM83snlPm

2018-01-01 02:05:43
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

さて、strict 2-categoryの定義は大体こんなイメージ(2-morphismというのが加わっていて、それなりの良い条件を満たしている)ですが、ここで先程の図式をよく見ると「関手の可換図式」つまり「関手の等号」が成り立つことを要求しています。

2018-01-01 02:10:22
V-alg-d(ZZ) @alg_d

しかし圏論をやっていればご存じの通り「関手の等号」というのは相当強い条件であるので、ここは「関手が同型(自然同型)であればよい」という条件に弱めたくなるのが人情(?)です

2018-01-01 02:11:09
V-alg-d(ZZ) @alg_d

そこで、そのように弱めたもの(ただし、代わりに+αの条件は付けくわえる)をbicategory (weak 2-category)といいます。

2018-01-01 02:12:27
V-alg-d(ZZ) @alg_d

つまり、このように「次の自然同型α, λ, ρが与えられている」という風に弱めます。 pic.twitter.com/ARPPS8aK4o

2018-01-01 02:15:25
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V-alg-d(ZZ) @alg_d

このように弱めると、例えば3つの射 f: a→b, g: b→c, h: c→d が与えられたとき、自然同型αの「<h, g, f>成分」は同型 α_{hgf}: (h・g)・f ⇒ h・(g・f) となります。(自然変換の定義に戻って考えると分かります。)

2018-01-01 02:17:53
V-alg-d(ZZ) @alg_d

言い換えると (h・g)・f とh・(g・f) が同型になります。つまり、bicategoryでは「結合律が同型のレベルであれば成り立つ」という条件になっていることになります。

2018-01-01 02:19:03