ツイッター小説 お気に入りセレクト 2011/04/01
嘘を吐くのを生業にしている。狼が来たぞ! 海賊が来たぞ! 宇宙人が来たぞ! 俺の部屋に美女が現れたぞ! み〜んな嘘。「嘘吐き」おい、邪魔するな。お前がいたら嘘じゃなくな「貴方は正直者よ? 嘘を吐く時だけ顔が、」お、お前なんか大ッ嫌いだ!「耳まで赤い、大嘘ね」 #twnovel
2011-03-31 23:59:19#twnovel 「こんな時なんだからこそ、罪のない嘘くらいついてもいいんじゃないかな。きっと少し明るくなるよ」「へー。いつも罪作りな嘘ばかりついてる貴方がそういうこと言うんだ」「…俺って罪作り?」「うん、364日くらいはね」
2011-03-31 23:59:24「よるほー」――森の梟の囁きを合図に、列島は苛烈なる騙し合いの戦渦へと突撃した。嘘が嘘を呼び、欺きを欺くために化粧のように塗り重ねていく虚構。刃と化した嘘を折り、隠された真実にたどり着くことはできるか。梟は笑い啼く、月のはじまりに踊り狂う人々を。幕は、上がった。 #twnovel
2011-04-01 00:00:04「こんな時こそ気の利いた一言でみんなが笑って楽しくなるような嘘で世の中を少しでも明るくしたいからエイプリルフールにはすげーウソをつくから期待して待っててよね聞いて驚いちゃうよなんて言っちゃったんだよな困ったな何も思い付かなかったしこのままじゃ嘘つきになっちまう」 #twnovel
2011-04-01 00:00:17「折角エイプリルフールなんだから何か嘘つきたいですねー」「別に今日に限らなくても、Twitterで好きなだけ嘘をつく方法があるぞ」「えっ、やりたいやりたい!」「ある言葉を付けるだけでいい」「どんな言葉?」「 #twnovel だ」
2011-04-01 00:00:49嘘のような現実の三月が終わり、現実のような嘘の三日月が夜空に昇る。 …今宵の月齢、26。 ほら、ほんの言葉遊びで月の齢さえ欺ける。さあ今からひととき、にぎやかな嘘で浮き世の辛苦を謀ろう。 #twnovel
2011-04-01 00:02:30「と言うわけでエイプリルフールですが、妹。ルールは知っていますか?」「ルールあるの?」四月一日、三十一日が過ぎ去った夜、双子の妹はコタツで寝ていて兄は側に居た。「午前中に嘘をつくこと、罪のない嘘をつくことです」「前者は午前中寝てると駄目ね」「そうですね」 #twnovel
2011-04-01 00:06:00#twnovel 真夜中、皆が寝静まった頃、東京タワーはえっちらおっちら歩き出す。遠く離れた京都では京都タワーが、大阪では通天閣が歩き出した。一年に一度だけ、立ってるだけのタワーから散歩するタワーになる。別に目撃されたって構わない。四月一日にそんな事話したって誰も信じないからね。
2011-04-01 00:07:36さあ、日付が変わった。彼女にメールしよう。会社が潰れたと。だから我が家は一致団結して家庭を守らなければならない。ごめんね、だから大学は諦めてくれ。せっかく入学したばかりで本当に申し訳ない。でも今は君の力が必要なんだ。帰ってきて、みんなと一緒にまた… #twnovel
2011-04-01 00:11:58物書きなんて悪意のない嘘を振りまくのが仕事みたいなもんだからね。嘘をつくなんて朝飯前よ。なんてね。嘘嘘。いくら嘘つきのプロだってお腹が減ってちゃ嘘なんて吐けないわ。お腹を美味しいご飯で目一杯に膨らまして、胸を幸せに膨らましてこそ、我々は嘘を吐くことが出来るのよ。 #twnovel
2011-04-01 00:13:26「よるほー」 ――森の梟の囁きを合図に、列島は苛烈なる騙し合いの戦渦へと突撃した。嘘が嘘を呼び、欺きを欺くために化粧のように塗り重ねていく虚構。刃と化した嘘を折り、隠された真実にたどり着くことはできるか。梟は笑い啼く、月のはじまりに踊り狂う人々を。幕は、上がった。#twnovel
2011-04-01 00:16:47#twnovel 「わたし天の邪鬼だから今日しかホントのこと言わないんだ。愛してる、いつも感謝してるよ」「今日言われても疑心暗鬼でよけいに勘繰っちゃうですけどー!」
2011-04-01 00:17:57#twnovel 「嘘です、今のままでいいです我儘言いません。だからどうか今のままで」「昨日も言ったよねー。貴方ってよーするに1年中うそついてるわけなんだ」
2011-04-01 00:26:45#twnovel 「俺AKBメンバーと合コンした」「……今まで黙ってたんだが、俺1億円持ってる!」「毎晩六本木に通ってます」「——お前らデタラメ言い過ぎ」「いいだろ? 今日は四月一日。エイプリルフールだ」「時計よく見ろ。今十二時一分だ」「って事は?」「四月一日はもう終わったよ」
2011-04-01 00:32:40#twnovel 友人が今日は嘘をついていい日だと言う。しかしそれならその彼の言葉こそが嘘かもしれない。もしそうなら今日は嘘をつけない日だ。友人は真実を言っている。ならば今日は嘘をついていい日なのでやはり彼の言葉は嘘かも…混乱した私に彼が言う「その思考回路が嘘みたいだよ」
2011-04-01 00:33:01小さな嘘を毎日ついている。傷つけないように、自分の心を一時的に守るために。それも日常と割り切って眺めるエイプリルフール。私はひとしずくの本当をウソという殻に込めて渡す。今日だけは全部お笑い草。 #twnovel
2011-04-01 00:45:23#twnovel 「全く、何がエイプリルフールだよ。馬鹿げている」ふっ、と鼻で笑う三沢君。「じゃあそのノートは何なのよ。私に見せて」「え、それは……そのー」狼狽える三沢君。やはり予想は的中していた。三沢君の耳元に口をもっていき、そっと囁く。「今日のために、ネタ考えたんでしょ?」
2011-04-01 00:53:47#twnovel その手には乗らないよ。今日が何の日かくらい気づいているさ。今年はまた実に手のこんだ悪趣味な嘘だね。今ならまだ怒らないから、早く元に戻すんだ。瓦礫であふれた街を。地中深く埋められた僕の大事な人を。
2011-04-01 00:57:05一見して合わせ鏡のように並びたちながらも、しかし様相を異にする二つの世界、 #twnovel と #twinovel 。二つの世界が交わる時は、訪れるのだろうか? #twnovel
2011-04-01 00:59:09「完璧な四月馬鹿を実現する為、俺は血のにじむ様な修行を積んで来た。山に籠り、人里に降りることが出来ないように眉を剃り、生死の境を彷徨うような荒業を昼夜を問わずこなしてきたんだ。それもひとえに完璧な四月馬鹿をこの手で実現」「あのさ、それってただの馬鹿だから」 #twnovel
2011-04-01 01:01:12シャイな彼が珍しく両腕一杯の花束を抱えて帰宅。花束の中に正方形の箱を発見。「君がいてくれないとこれからの人生つまらない。だから一緒にいて」「4月1日にプロポーズするなんて、本気なの?」「もちろん。忘れられないプロポーズにしたかったんだ。どう?」…完敗です。#twnovel
2011-04-01 01:05:44#twnovel 四月生まれの馬と鹿がいた。「お前ら、文字通りの四月馬鹿だな」「お前たちの存在そのものがウソなんだろうな」ただの馬鹿にそう罵られた。
2011-04-01 01:06:21一年に一度だけ口に出来る日。普段はお互いに恥ずかしくて駄目。自分に嘘だと言い聞かせて伝える。心の準備は整った。奥さんに向かってぽつりぽつりと言う。「実はね、のりちゃんの事をね、ずっとね、愛してるんだ、本当」のりちゃんは目をうるうるして言い返す。「う、うそつき」 #twnovel
2011-04-01 01:25:03