グダポン（@bonchacchanga）について考えた その3 -「自分は無知だから」は免罪符になりません-

塩崎ツトム ：「ダイダロス」早川書房様より2月21日発売！ @kaspar_63

「無知の正義」とネット原住民の「知の暴力」 - Togetter togetter.com/li/1189277 @togetter_jpさんから こういうのはただの「バカでいいという開き直り」にすぎない。

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映画監督マイケル・ムーアの著作にこんなエピソードがあった。テレビで米国の教育環境の悪化を嘆く評論家が詰め込み教育の復活を説き、最後にこんな言葉で締めた「今の子供たちは、『イーリアス』も『オデッセイ』も知らんのです！」。会場は拍手喝采。

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で、さっそくムーアはこの評論家に電話をかけて、こう聞いた。「あんたの言ってた『イーリアス』と『オデッセイ』っていったい何なんだ」。

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そしたらその評論家、しばらくしどろもどろと言っていたが、やがてこう白状した。「ああ、そうだよ、おれはどっちも知らねえよ。おれにこんなこと言わせて、面白いか？　ああ？」

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これに対する、本でのムーアの返答。「いや、ちっとも面白くないよ。あんたは四六時中、他人の無知を笑いものにしているじゃないか。それなのに自分は、何も知らない。大人になれよ。本を持って部屋にこもれよ」

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（追記：出典は「バカでマヌケなアメリカ白人」だったはずです）

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村本氏が批判されてるのも、この点だろう、きっと。彼は別に「学歴が低い癖に政治的発言をした」ということを批判されてるんじゃなくて、勉強していない、よく知りもしないことについて軽率に発言して、そこを指摘されても「無知で何が悪い」と開き直っている点だろう。

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グダポン君は、そんな村本氏に対して、防衛機制でいう「取り入れ」を起こしている。つまりグダポン君は、「なんの知識も思慮もないし、今後も学ぶ気なんてが、学者たちと肩を並べて、自分の発言が彼らと同水準のものと受け入れられてちやほやされたい」という強烈な願望を抱いている。

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×なんてが→〇なんてないが

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で、村本氏は、そんなグダポン君の間違った願望とぴったり重ね合わさる人格であって、だから自分を村本氏に憑依させて、日ごろの抑圧を発散させているわけだ。

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無知であることそのものは別に罪じゃない。むしろ自分の無知を自覚することから、学びのスタートラインに立てるわけだ。だけどそれとは全く別に、まともな人間は自分の言ったこと、書いたことを衆人にさらした時点で責任を負う必要がわけである。その瞬間「無知の罪」というものが発生する。

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身近な例え話。あなたは久しぶりにとある人と再会した。で、かつてのその人はものすごく太っていたが、今ではものすごく痩せている。あなたはいきなり「ダイエットなさったんでしょう？すごいですね～！わたしもあなたと同じくらい一生懸命食べるのを我慢できたらいいんですが」と言うだろうか？

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実はその人は大病をして、胃やら肝臓やらを半分切り取って先月やっと退院したばかりだったのだ。だから前述の言葉は、彼の闘病の苦しみや、将来への不安といった諸々の実存にたいして関心がないとみなされる。これはすごい失礼なことである。

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だからこの場合は一人合点をせず、一言「ものすごく痩せられましたが、いかがされましたか？」と聞くのが常識である。まずは相手に尋ねる。知らないことは知らないと認めて、素直に教えを乞う。それが当然である。

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さらにもし、いやダイエットではなく病気してたんですと返されたあとも「そんなことおれが知るわけないでしょう？　それにしても痩せられていいなあ、うらやましいなあ」などと重ねて言ったら？　村本氏や、日ごろグダポンが批判されている理由は、そういうところなんだぞ。

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これはぼくの考え方なんだけど、学問というのは「現在のこの瞬間にいたるまでの背景を知る」という営みなんじゃないかと思う。物理・化学は物体の挙動と変身の背景にあるものを調べ、生物学は生き物の姿形や行動の理由を解く。（続く）

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人文科学だってそうだろう。哲学は人間の認知や実存の背景にあるものを探る学問だし、歴史と地理はどうしてこの国家が、人種が、民族が、産業が、そしてあなた自身が、今この場所にいるかという背景を紐解いていく学問だろう。

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こういう背景に対する、客観的で、丁寧で誠実な学習。世の中に一言物申すと意気込みの人には政治的な左右に限らず必須なことで、そこをすっ飛ばして的外れなことをいったら誰かを怒らせて、ひどい罵詈雑言を浴びて当たり前だ。

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特にグダポン君は、togetterやNAVERのまとめで「日本人は知らない！」「ネット原住民が学ぶべき～」「～はバカだから気づかない」と、自分の無知・無教養を棚に上げて、他人のことをさんざん上から目線でバカ扱いしているじゃないか。

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そのくせ自分が粗製乱造するまとめは、よそから持ってきた画像や文章を張り合わせてみたり、他人が使っていた横文字を、意味も分からず反復してみたり（シニフィアンとシニフィエ）、それについても開き直っている。大人になれよ。本を持って、部屋にこもれよ。

塩崎ツトム ：「ダイダロス」早川書房様より2月21日発売！ @kaspar_63

ちょっと最近の彼のNAVERまとめからも、彼の「無知なのに何かを語って見せて大勢を不愉快にさせる」の例を引っ張ってみる。例えばこの、「白人至上主義者は本当のフランスを知れ！」という趣旨のまとめ。 matome.naver.jp/odai/214883678…

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例に挙げたかったのはこっちのまとめだった。失礼。matome.naver.jp/odai/215154995…

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このまとめをつくるにあたって、グダポン君は図書館や本屋で簡単にアクセスできるフランス史の本を読んだ形跡もないし、wikiのフランスの歴史の頁を流し読みした痕跡しかない。結果、彼のまとめ自体が「フランスについて一方的な美化をする白人至上主義者」の頭ン中そのものになっている。

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このまとめではフランスが抱える問題や、今日までの歴史上の手痛い失敗といった。国家と国民を語るうえで大事にな要素、つまり歴史が抜けている。だからフランスには北アフリカからのムスリムが多いのも、海外県が多数あることも、すべて「人権国家の慈善事業」の結果としか読めない。