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バーチャルユーチューバーと初音ミクの違いについて

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生命情報保存研究所 @rodan670

バーチャルユーチューバー、通称vtuberは、CGで作成されたアニメ風のキャラクターに人間が声を当てることで、あたかもアニメ然としたキャラクターが実際に画面の向こうに存在し、動いたり話したりしているよう視聴者に錯覚させる表現方法をとっている。キャラを操る作り手は、

2018-01-14 09:15:12
生命情報保存研究所 @rodan670

キャラクターをインターフェースあるいは隠れ蓑に己の思うことを吐露することができる。アニメ然としたかわいらしいキャラクターにはそれ自体に魅力があるため、生身の人間が前線に立つよりも比較的多くの視聴者を得やすくなるメリットが作り手にはある。また架空のキャラクターを前線に立たせることで

2018-01-14 09:17:22
生命情報保存研究所 @rodan670

リアリティが由来の生々しさから、作り手視聴者双方を守る意義もある。架空のキャラクターが矢面に立っている限りは、作り手はネットにありがちな個人への誹謗中傷や、実生活への攻撃を逃れやすくなると同時に、視聴者は作り手のスキャンダラスな部分から己の精神を保護することができる。

2018-01-14 09:22:02
生命情報保存研究所 @rodan670

(いざとなれば炎上しているのはあくまで「中の人」であり、自分がいれこんだvtuber自体ではないと切り離すことができる)

2018-01-14 09:23:22
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架空のキャラクターを代役にすることで、生身の人間が生身で情報発信するよりも多くの見返りが得られるという点で、vtuberはしばしば初音ミクと比較される。しかし厳密に言えばこの両者はまったく異なる。

2018-01-14 09:24:50
生命情報保存研究所 @rodan670

この違いは、「中の人」が初音ミクに注ぎ込むのが「歌」であるのに対し、vtuberに注ぎ込まれるのは「人格」そのものであることに由来する。注がれるのが「歌」だけであれば、それは現実世界でも見られる作詞作曲家と歌手の関係性であり、作り手側は初音ミクという一人のキャラクターに

2018-01-14 09:41:26
生命情報保存研究所 @rodan670

何百人でも何百万人でもぶら下がることができる。しかしvtuberの場合は、インターフェースとなるアニメ然としたキャラクターに、作り手側の人格が乗っかることでもって1人のキャラクターとなるため、同じキャラクターに別の作り手が乗っかることができない

2018-01-14 09:42:42
生命情報保存研究所 @rodan670

初音ミクは特定個人の所有物とならないことにより、不特定無数がツールとして利用することが可能であったが、現時点におけるvtuberは、滑らかに動く3DCGを作成し、声を当てる技術力のある個々人の専売特許物である。

2018-01-14 09:45:56
生命情報保存研究所 @rodan670

逆に、vtuberというスタイルが初音ミク化するためには、二つの手法が考えられる。まず技術、資本力がそこまでなくとも、共通した1個のキャラクターを万人が動かせ、声を当てられるツールが用意される事を前提とした上で、①この共通した1個のキャラクターを、不特定多数の作り手が「演じる」

2018-01-14 10:01:22
生命情報保存研究所 @rodan670

自らの個性をある程度犠牲にし、妥協しつつも、問題の1個のキャラクターを人格破綻させない範疇で操り、その中で自らが言いたいことを言う。 ②もう一つは、そのような配慮は無視し、キャラクターの容姿のみを借りて自分が言いたいことだけを言う。この場合、問題のキャラクターは

2018-01-14 09:51:52
生命情報保存研究所 @rodan670

作り手ごとにまったく別な顔、挙動を示す完全な人格崩壊者となるが、その事実に対して視聴者側が妥協する。問題のvtuberに個としての人格など存在せず、ただの着ぐるみにすぎないと認識した上で、なお個々の着ぐるみ達が作り上げるすべての現象自体がそのキャラクターの正体であると考えるようにする。

2018-01-14 09:54:52
生命情報保存研究所 @rodan670

vtuberが初音ミク的に万人が関与できるツールとなる上では、このような扱い方の変更が必要となる。また、vtuberが初音ミク化する必要が最終的にない場合、vtuberはツールとしてではなく強化された個たるカリスマとして成立することになる。

2018-01-14 09:58:01