平成30年の診療報酬改正で、急性期病院の集約化、勤務医の労働環境の改善は実現するのか?

中医協の議論も佳境を迎え、議論の整理の段階を過ぎています。 改正の内容は多岐にわたるため、自分の理解もついていっていませんが、急性期病院の体制や、従事者の労働環境に関わる部分について考察してみました。 もっとわかっている人のご意見がいただけると有難いです。
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リンク 日経メディカル 7対1と10対1を「急性期一般入院料」に再編 2018年度診療報酬改定に向けた議論が大詰めを迎えている。厚生労働省は1月10日、12日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会に「これまでの議論の整理(案)」を提示。2018年度改定における見直しの方向性が明らかにされた。入院医療では、一般病棟および療養病棟入院基本料を再編・統合し、7対1およ… 43
リンク DI Online 中医協公聴会で在宅や連携の評価求める 中央社会保険医療協議会は2018年1月19日に公聴会を開催した。中医協がまとめた18年度診療報酬改定に向けての議論の骨子に対し、同日まで募集していたパブリックコメントとは別に、中医協委員が国民の声を聞くことを目的に開かれるもの。公聴会は千葉市美浜区で開催され、公募で選出された10人が意見を… 1 user 20
田舎の元外科医 @inakashoge

今回の中医協資料から。 7対1の入院基本料を10対1と同じところまで引き下げ、重症度、看護度によって加算するという仕組みと理解。看護師を揃えても、重症患者がいなければ減収になる。高度急性期病院での重症患者の取り合いは一層激しくなる。 pic.twitter.com/T3H3VENAaE

2018-01-13 10:49:05
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田舎の元外科医 @inakashoge

中医協の資料はこちらの P12-P15  ■中央社会保険医療協議会 総会(第382回) 議事次第 平成30年1月10日(水)9:00~ 2 入院医療(その10)について mhlw.go.jp/file/05-Shingi…

2018-01-13 10:51:10
田舎の元外科医 @inakashoge

より高額な加算を得るためには、重症度、看護度の割合を引き上げる必要があり、軽症患者の退院が促され在院日数は減少する。後方病院が確保できず、重症患者の割合が下がる病院は減収になる。重症度が維持できても、次の入院患者が確保できない病院は病床稼働率が落ち、結局減収となる。

2018-01-13 11:29:40
田舎の元外科医 @inakashoge

現時点ですでに病床稼働率が低く人件費率が高い病院では、収入の確保は現在よりさらに困難となり、7対1、10対1の継続が困難になると思われる。そして、それは多くの自治体立病院が該当する。

2018-01-13 11:37:22
田舎の元外科医 @inakashoge

一方重症患者を集め在院日数を短縮した病院では、多忙を極めるため、各種職員が適切に配置され分業が徹底しないと、職員の大量離職を招く。自治体病院は職員の増減に条例の変更などの制約が多く、医師だけでなくコメディカルや看護助手などの増員も困難であるのが実情。

2018-01-13 13:13:43
mimi4568 @mimi4568

@inakashoge 自治体病院は今のままでは立ちゆかなくなると思うんですが、そうなった場合、ほかの公的福祉にお金がかかっていろいろ手遅れではと思うんですけど、どうでしょうか?(´・_・`)

2018-01-13 11:48:31
田舎の元外科医 @inakashoge

@mimi4568 各県庁所在地など、近隣に代替施設がある地域での公立病院縮小はそれほど影響は大きく無いと思いますが、そうでない地域も多いでしょうね。熊本地震後に、熊本市立病院が業務停止しましたが、NICU以外はなんとかなったようです。実際のところ福祉面での大きな影響はあったのでしょうか?

2018-01-13 12:08:30
田舎の元外科医 @inakashoge

@mimi4568 また、多くの自治体病院は赤字の一部を一般会計から繰り入れて病院を存続させています。会計規模に比して繰り入れが巨額になった場合、自治体の存続自体が困難になります。その場合は病院の縮小は避けられないと思います。(⼠別市⽴病院がその例)

2018-01-13 12:13:20
mimi4568 @mimi4568

@inakashoge 結局、DPCの穴を突いてきたような感じですね(´・_・`)

2018-01-13 11:56:31
田舎の元外科医 @inakashoge

@mayayatomomo 先の資料(P2-4)には、「重症度、医療・看護必要度の定義・判定基準の変更(案)」も載っています。自分には改善か改悪かは判断できませんが。全国の病院が振り回されていることは間違いないです。今回の改定は、数の上では7対1だが、軽症患者ばかり扱って利益を上げている病院の駆逐が目的の一つ。

2018-01-13 12:26:20
田舎の元外科医 @inakashoge

@mayayatomomo 一連のツイ、「看護度」ではなく「看護必要度」とすべきでしたね。ご指摘ありがとうございます。

2018-01-13 12:29:53
kp @peektnurse

今の人員で重傷者が増えるように誘導されたら地獄を見るところが多そうだけど。増員を誘導するような改定はないのかな。 twitter.com/inakashoge/sta…

2018-01-13 21:48:08
田舎の元外科医 @inakashoge

@peektnurse 「医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進」 として、Ⅲ-1 チーム医療等の推進(業務の共同化、移管等)等の勤務環境の改善 Ⅲ-2 業務の効率化・合理化 などの項目は載っているのですが、具体的な加算内容については見つけられませんでした。 pic.twitter.com/oSz3B8YNEl

2018-01-14 07:22:37
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田舎の元外科医 @inakashoge

@peektnurse 現在相次いでいる、病院に対する労基署の指導が、労働条件緩和の方策となると思います。時間外手当を適法に支払うよりも、新規の従業者を雇用したほうが、人件費は少なくなります。サービス残業を撲滅することが長時間労働の削減につながります。

2018-01-14 07:26:33
田舎の元外科医 @inakashoge

「平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」 1月12日付。とても全容は把握しきれないのですが、目が付いた部分を以下にtweetします。 mhlw.go.jp/file/05-Shingi… 近々、パブリックコメントを募集するようです。 mhlw.go.jp/stf/shingi2/00…

2018-01-14 08:48:50
田舎の元外科医 @inakashoge

P2 (12) 有床診療所入院基本料について、(中略)入院基本料1から3までの要件を緩和するとともに、高齢患者の入院受入れに係る評価を新設する。併せて、有床診療所在宅復帰機能強化加算の平均在院日数に係る要件を緩和する。 (病院の有床診療所化促進策?)

2018-01-14 08:56:25
田舎の元外科医 @inakashoge

P6 >④ 現行の病棟群単位での届出及び 200 床未満の7対1一般病棟における重 症度、医療・看護必要度の基準値に係る経過措置については、一定の配慮 を行いつつ整理する。 (病院全体で維持できない7対1病床は梯子が外されるみたいです。)

2018-01-14 08:52:02
田舎の元外科医 @inakashoge

P7 ① 平成 28 年度改定で新たに追加した評価項目に関して、項目の定義や該当患者の判定基準の一部について以下のような見直しを行う。 ア 処置等を受ける認知症又はせん妄状態の患者をより適切に評価するよ う重症度、医療・看護必要度の判定基準を見直す。 (実態に沿う看護必要度に近づく?)

2018-01-14 09:00:59
田舎の元外科医 @inakashoge

(2) 在宅医療の提供体制を充実させるため、地域において複数の医療機関が連 携して 24 時間体制の訪問診療を提供する場合の在宅時医学総合管理料等の 評価を新設する。 (実際に充実可能な点数配分になるのかは不明)

2018-01-14 09:04:11
田舎の元外科医 @inakashoge

今回の診療報酬改正は、本体部分微増だが病床稼働率が減少する病院では収入は減少する。「新公立病院改革ガイドライン」に則って不採算の公立病院を統合整理したい総務省、医療費の自然増をできるだけ減らしたい財務省、急性期病院を集約化し医療資源を集中したい厚労省の思惑が一致しているのでは?

2018-01-14 10:44:03
田舎の元外科医 @inakashoge

例えば、都立広尾病院の病床稼働率は、すでに2016年で60%台に低下しているらしい。現在の体制のままでは病院は継続できないのでは? yomiuri.co.jp/local/tokyo23/…

2018-01-14 11:11:10