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SimamuraUtuduki
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「……ねえ、プロデューサー」 「……はい」 「久々に卯月の部屋行ったんだけど、アレ、何?」 「……」 「卯月の部屋……いや、あんなの、部屋じゃなかった。床は見えないし虫は湧いてるし、布団の上を除いてとにかくゴミだらけ。プロデューサー、知ってたんでしょ?一体どういうこと?」
2018-01-10 02:08:38
「せめて片付けようと思わなかったの?あんな部屋じゃ、卯月はもっと悪くなる。プロデューサーがやらないっていうなら私が今度……」 「ダメです!!!」 「……え?」 「渋谷さん、それだけは絶対にやってはいけません。今、島村さんの部屋を掃除しては、いけないんです」
2018-01-10 02:10:35
「……意味がわからないんだけど」 「はい……そうだと思います。私も最初は驚きました。体が動かないから掃除ができない、そう思って片付けようとしました……そうしたら島村さんは、あんな体なのに、私に掴みかかって、それを拒否したんです」 「え?」
2018-01-10 02:12:38
「まずは落ち着いていただいて、事情を伺いました。最初はほんの些細なことだったそうです。薬の整理ができなくて、床に放り投げた。そこからどんどんゴミが溜まっていった。ですが島村さんは、そのことに、不思議な安心感を抱いていたそうなんです」
2018-01-10 02:14:18
「島村さんの言葉を思い出すなら……『 私はこの部屋の方が落ち着くんです。私みたいな頑張れないゴミには、綺麗な部屋なんかじゃなくて、このみずぼらしい部屋の方がずっと身の丈に合っている気がするんです』と……。私は、言葉が出ませんでした。ただ、あの部屋を掃除しては、いけません」 「……」
2018-01-10 02:16:52
「……島村さんはシンデレラプロジェクトの皆さんの大切な友人であるとはいえ、皆さん仕事も増えてきたのにこんなことを伝えるわけにもいかず、……私は、知っていて黙っていたことになります」 「……プロデューサー」 「でも、渋谷さんが知ってしまった以上、近いうちに話しておくべきでしょうね」
2018-01-10 02:20:56
私は今日もボロボロになったぬいぐるみを抱いて、ゴミの山に囲まれて眠ります。私は、とても幸せです。明日も頑張るし、いつか、片付けたいな。
2018-01-10 02:23:05