齊藤誠「不況を放置した方が長期生産は高まる」について

その立論の構造と欠陥を論じました。
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ジャム @j_a_m_jam

経済的厚生を考えると、デフレで均衡している方が、社会の費用を抑えられるかもという話。これ、齊藤誠先生の「新しいマクロ経済学」に書いてあったので、読んでいた。 景気循環のコストやインフレのコストを考える話。

2017-07-14 23:46:47
ジャム @j_a_m_jam

不況を回避するような経済政策はかえって経済厚生上の費用を高めてしまう場合が書かれていて、 単純ではないことはわかるのだけれど、社会全体ではなく、個人を考えた場合、どうなんだろうという想いを抱いた。まだ、様々、考えているので、この件に関し、明確な考えは持っていないです。

2017-07-14 23:52:45
ジャム @j_a_m_jam

マクロ経済学が単純には不況対策を肯定していないということは、その内容より、マクロ経済学の外観として興味深い。

2017-07-14 23:57:54
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@j_a_m_jam デフレ均衡というのは、フリードマンルール(k%ルールではない方)の話かな、と思います。 価格硬直性や金利ゼロ下限を導入すると、マクロ経済学内でも破綻する話ではないかとは思いますが。

2017-07-15 12:53:49
ジャム @j_a_m_jam

@motidukinoyoru インフレのコストは仰る通りフリードマン命題ですね。他方、景気循環のコストはAghion and Saint-Paulをひいて、不況期は生産要素の費用が安くなり、景気対策で、総需要を刺激して資本稼働率を上げたり、失業率を引くく抑えると、生産要素のコストが下がらず、(続きます)

2017-07-15 13:23:39
ジャム @j_a_m_jam

@motidukinoyoru 下がらないため、生産様式の入れ替えを妨げる可能性があると記載されていますね。このため、かえって景気循環のコストを考えると景気対策は経済厚生上の費用を高めると論じてます。

2017-07-15 13:27:29
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@j_a_m_jam 産業シフトのためには、不況による生産費用の低下は好都合、という理解でいいでしょうか。(まさに浜口雄幸の「明日伸びんがために、今日は縮むのであります」って感じですね) 現実には、不況に入ると成長も産業シフトも抑制的になっているように見えるので、現実経済と相性の悪い仮説に見えますね

2017-07-15 13:30:43
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@j_a_m_jam d.hatena.ne.jp/himaginary/201…のサイモン・レン-ルイスや d.hatena.ne.jp/himaginary/201…のローレンス・サマーズらのように、需要抑制による生産投資停滞の主張の方が、現実の成長や産業シフトで問題になりそうだし、直観的には現実経済に適合的にも思えます。

2017-07-15 13:33:57
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@j_a_m_jam ここまで強烈に違う結論が導き出される一つの理由は、停滞が長期的か短期的かという診断の違いなのかな、というのが私の一つの仮説です。”古い”NKモデルでは、景気後退の影響は短期的で、長期的(これにしたって何年単位の話かと思うけど…)には総需要不足は無策でも解消する構造になっている。

2017-07-15 13:36:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@j_a_m_jam だから、Aghion and Saint-Paulのように、不況による生産要素価格の低下をむしろ肯定する論調が生まれ得る。(総需要はどうせ回復するということになっている) 逆に、サマーズやレン-ルイスは長期停滞d.hatena.ne.jp/himaginary/201…を想定して論じている。

2017-07-15 13:37:59