ライフ・アフター・デス ＃５

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

（これまでのあらすじ：過冬のニンジャ達を襲撃して爆発四散させ、ゾーイを救出したニンジャスレイヤー。逃走の途中、彼の前に現れた者がいた。シトカのニンジャ、スーサイドである。彼はニンジャスレイヤーを捜すコトブキを伴っていた）

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（コトブキはスーサイドが協力者であるとニンジャスレイヤーに伝えたが、スーサイドのアトモスフィアは到底そうではない。鎖を腕に巻き付け、不穏なジツを込めるスーサイド。ニンジャスレイヤーはゾーイをコトブキに託し、スーサイドと睨み合う……）

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【ライフ・アフター・デス】#5

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「どうしてですか、スーサイド＝サン！」コトブキが悲痛に問うた。スーサイドは凄みのある笑みで答えた。「俺もお前も、ニンジャスレイヤー＝サンを捜していた。だから協力した。いい事じゃねえか。……俺がシンウインターから受けた依頼はテメェの捜索と、まあ、殺すなりすりゃ、恩が売れるさ」　1

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「ニンジャスレイヤー＝サン、わたし……」コトブキは言葉に詰まった。「せっかく会えたのに、こんな緊急事態……でも……あの人は悪い人じゃないと思うんです……！」「そうか」ニンジャスレイヤーはスーサイドを睨みながら答えた。「ゾーイを頼む。過冬がそいつを狙っている。親の元に、帰す」　2

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「……」コトブキは息を飲み、少女を見つめた。ニンジャスレイヤーは今度はゾーイに言った。「彼女の名前はコトブキだ」カラテを構え、スーサイドとの間合いをはかる。「……こいつはおれがやる。逃げろ」ニンジャスレイヤーの言葉に、スーサイドは身体をわななかせた。　3

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「わ、わかりました」コトブキは頷いた。間髪入れず、後方の路地から大勢の足音が近づいてくる。「ザッケンナコラー！」「スッゾオラー！」「チイッ」ニンジャスレイヤーは舌打ちした。「イヤーッ！」回転ジャンプでエントリーしてきたのはブルハウンド！胴体には新たなサイバネ犬を装着している！　4

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「イヤーッ！」ブルハウンドのエントリーに注意の何割かを持っていかれたニンジャスレイヤーに、スーサイドが襲いかかった！白く光る鎖を腕にまとい、殴りかかる！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは拳をガードしながら、ブルハウンドめがけスリケンを投擲した。「イヤーッ！」ブルハウンドは側転！5

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「行け！」ニンジャスレイヤーは叫んだ。「必ず合流する！」「はい！」コトブキはゾーイの手を引き、走り出した。「合流？させるかよ！」スーサイドが二撃目を繰り出す！「イヤーッ！」KRAASH！ニンジャスレイヤーは腕で受ける。不穏な光がニンジャスレイヤーにまとわりついた！　6

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「貴様が足止めしろ、スーサイド＝サン！」ブルハウンドは状況判断し、ゾーイを追おうとした。「イヤーッ！」その左足にフックロープが絡みついた。「グワーッ！？」タツジン！ニンジャスレイヤーだ！スーサイドの攻撃を防ぎながら、ブルハウンドを足止めした！「誰が行っていいと言った！」7

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「ヌウーッ……行け！」ブルハウンドは追いついてきたクローンヤクザ達に指示をくだす。「追え！ガキを捕らえるのだ！」「ハイヨロコンデー！」「スッゾー！」ヤクザUターン！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはスーサイドを前蹴りでノックバックし、ロープに全力を込める！「イヤーッ！」　8

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「グワーッ！」ブルハウンドはこらえきれず、ニンジャスレイヤーの頭上で放物線を描いて、「さなぎ」の蛍光看板に叩きつけられた。KRAAASH！「グワーッ！」この隙をぬって、スーサイドが低重心のタックルをかける！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはスーサイドを凝視！カラテで迎え撃つ！　9

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「イヤーッ！」「イヤーッ！」「イヤーッ！」KRAASH！KRAAASH！カラテとカラテがぶつかり合うたび、ニンジャスレイヤーは拳の勢いを鈍らせていった。彼は眉根を寄せた。（これは……！）「イヤーッ！」スーサイドが踏み込み、打撃！KRAASH！クロス腕ガード！「ヌウーッ！」　10

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妙な感覚だ。ニンジャスレイヤーはこれを嫌い、間合いを取ろうとした。スーサイドは腕に巻き付いた鎖を瞬時にほどき、ニンジャスレイヤーに投げつけた。鎖は貪欲にニンジャスレイヤーの左腕に巻き付く！「逃がすかよ。来な」「こいつ……！」ニンジャスレイヤーの目が燃える！引きずられる！　11

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鎖は白い光を脈打たせた。それはニンジャスレイヤーの腕からスーサイドの身体へ、何かを伝搬していた。(((マスラダ……敵の術中にはまるでない！)))ナラク・ニンジャが叱咤とともに伝えた。(((これはパンク・ニンジャのソウル・アブソープション・ジツだ！)))　12

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スーサイドの力が徐々に増していくのを感じる。否、己の力が弱まりつつあるのか？(((パンク・ニンジャは20世紀後半に生じたニンジャだ。ヨタモノの敵愾心や反骨心を糧に育ち、超自然のジツを編み出すに至ったが、所詮カツ・ワンソーの顔を知らぬ。奴はオヌシから力を吸うぞ。阻むべし！)))　13

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはチョップで鎖を破壊しようとした。だがスーサイドは巧みに鎖を引いてバランスを崩させ、間合いを強制的に縮めて殴りつけた！「イヤーッ！」「グワーッ！」もう一撃！「イヤーッ！」「グワーッ！」間合いを取ろうとする！引き戻す！「イヤーッ！」「グワーッ！」14

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「踊るか、ニンジャスレイヤー＝サン」スーサイドはニンジャスレイヤーを引き寄せ、凄んだ。「勢いはいいが、若さだよな」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは頭突きを繰り出した。「イヤーッ！」スーサイドは頭突きを返す！衝突する額！「グワーッ！」打ち負けるニンジャスレイヤー！　15

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(((鎖を断て！マスラダ！)))ナラク・ニンジャが教唆する。(((奴は奪った力を循環させてカラテをつけるぞ！イクサが長引けばジリー・プアー（注：徐々に不利）なり！)))（黙れナラク！）マスラダはナラクを黙らせた。（それが出来れば苦労はしない……！）　16

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「イヤーッ！」スーサイドはニンジャスレイヤーを引き寄せ、逆の手で殴りつける。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはスーサイドの拳を受け止めた。スーサイドは両腕に力を込める。「押し合いか？いいぜ……！」ミシミシと肉と骨が軋む音が響いた。「相撲といくか……！」　17

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二者は不穏な白い光に包まれる。「……ヌウーッ……！」ニンジャスレイヤーは押し戻そうとする。ナムサン……これは危険だ。ショーギめいて、スーサイド必殺の形に徐々に誘導されていった結果であろうか！　　18

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実際、スーサイドのカラテは巧みであった。マスラダは知る由もないが、彼は戦闘経験に恵まれたニンジャである。シトカにおいてはヨージンボめいたカラテ稼業。それ以前はヘイゼルとともに運び屋。月破砕年以前はアマクダリ・セクトのニンジャと渡り合い、その前は……。　19

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「ヌウーッ……！」ニンジャスレイヤーはそのカラテを減じてゆく。目に灯る炎は徐々に薄れてゆく。（いけるか）スーサイドは勝ちを急がない。ニンジャスレイヤー。過去とは別の人間。若いニンジャだ。だがニンジャスレイヤーである以上、油断は禁物。そして、（負けるわけにはいかねえ……！）　20

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「ゴボッ……！」二者の戦闘からやや離れた地点、ブルハウンドが看板の残骸から這い出た。「いけ……追え！」彼はサイバネ犬を胸部から解放した。猟犬は勢いよくストリートを走り去った。獲物を捕らえるために。ブルハウンドは仰向けに倒れた。「スーサイド＝サン……早くそいつを殺れ……」　21