アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、蒼天航路13話脚本：魔王の魅力

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きというだけで始めてしまった、カイジのシリ構、高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。 今回は、蒼天航路13話脚本。 前回は同作12話脚本。 ブログ: makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/01/… 上記ブログ関連ツイートまとめ: togetter.com/li/1191896 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本蒼天航路13a アニメ・蒼天航路は、曹操の生涯を描いた同名漫画のアニメ化作品。高屋敷氏はシリーズ構成も務める。 監督は学級王ヤマザキや頭文字D4期などを監督した冨永恒雄氏。総監督は、バイファムやワタルなどのキャラクターデザインで有名な芦田豊雄氏。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13b 配信終了が迫っていたので、今回も詳細はブログにまとめました: 蒼天航路13話脚本:魔王の魅力 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/01/… #はてなブログ

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高屋敷氏脚本蒼天航路13c 話は、後漢を支配する董卓に対し、司徒(政務を執る役職)の王允(おういん)とその養女:貂蝉(ちょう　せん)、そして貂蝉の恋人となった呂布がクーデターを起こして董卓を討つも、その後王允と貂蝉も董卓の残党に殺されてしまうまでを描く。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13d 序盤、貂蝉が楽士として董卓に近づき、彼を暗殺しようとする。董卓はそれを難なくかわし、胆力が気に入ったとして貂蝉を后として迎える。 体格差をものともせず董卓に立ち向かう貂蝉はかっこよく、そして、高屋敷氏のど根性ガエル演出と重なる。 pic.twitter.com/m79k5uWk8R

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高屋敷氏脚本蒼天航路13e 中盤では、呂布と貂蝉の禁断の愛が描かれるのだが、偶然にも、高屋敷氏はベルサイユのばらにて、フェルゼンとマリーの禁断の愛の回のコンテを切っている。 どちらのラブシーンもイメージや暗喩が多め。 pic.twitter.com/YeO8g1YHTj

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高屋敷氏脚本蒼天航路13f そして、色々な根回しの末、王允、貂蝉、呂布の、董卓に対する反乱が始まる。 どちらが善で、どちらが悪かを明確に区別しない高屋敷氏のポリシーが出ており、死を覚悟する王允も、王允らの反乱を真正面から受け止める董卓も、かっこよく描かれている。 pic.twitter.com/DnDamEO22K

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高屋敷氏脚本蒼天航路13g 董卓と呂布は死闘を繰り広げ、その最中、董卓は「王の理」を説き、自由な戦士である呂布には、それが無いと言い放つ。ここの董卓は非常にかっこよく描かれ、かつ、カイジ脚本にて、(理念は異なるが)王の理を説く兵藤会長の姿と重なる。 pic.twitter.com/PAqkkCDN6Q

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高屋敷氏脚本蒼天航路13h 死闘の末、呂布は董卓を討つ。 その後、市中に晒された董卓の遺体に灯された火が何日も消えないという、三国志の有名なエピソードが描かれるが、「意思を持つような火」を描写してきた高屋敷氏の得意分野と言える。ど根性ガエル演出、コボちゃん・花田少年史脚本と比較。 pic.twitter.com/QYw3wzL5tf

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高屋敷氏脚本蒼天航路13i 董卓亡き後、呂布と寝ながらも、貂蝉は「王の器」があった董卓を恋しく思うわけであるが、原作よりキレイめにしてでも董卓を魅力あるキャラクターにしてきた積み重ねにより、貂蝉の気持ちが、視聴者にもわかるようになっている。 pic.twitter.com/XZHGUmLFxI

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高屋敷氏脚本蒼天航路13j そんな貂蝉も、雨の中、董卓の残党により殺され、王允も、董卓の部下により首をはねられてしまう。時を同じくして、董卓の遺体の灯火も消えてしまう…。 「雨」がキャラクターとして活躍し、ドラマを盛り上げるのも、高屋敷氏の特徴。画像はめぞん一刻との比較。 pic.twitter.com/a5Np9xcjMJ

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高屋敷氏脚本蒼天航路13k 今回は董卓の魅力が爆発しており、呂布達より董卓に肩入れしてしまうほど。 もともとの高屋敷氏のシリーズ構成方針として、「善悪を明確にしない」ポリシーが窺えるが、それが今回、多いに発揮されている。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13l 原作つきアニメにおける、高屋敷氏のシリーズ構成や脚本は、原作に寄り添いながらも、キャラクターの魅力や感動するポイントが原作と大きく異なることが多い。今回の董卓の魅力は、その好例。 いわば、高屋敷氏の好みに視聴者が巻き込まれる傾向があり、興味深い。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13m また、董卓の魅力と、その壮絶な死が描かれた今回は、シリーズの丁度半分の節目に当たる(13/26話)。ここから見ても、高屋敷氏は余程董卓に思い入れがあると見られ、かつまた、構成の計算力の高さが窺える。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13n リアタイで見ていた時は、物語の思いっきり途中で最終回を迎えた事を残念に思っていたのだが、今回の、シリーズ半分で董卓の死を持ってきた構成力の高さを考えると、最終回も改めて見れば、何か発見があるかもしれない。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13o ここまでで、「善悪を明確にしない」高屋敷氏のポリシーがシリーズ構成の柱の一つとして見えてきた。 また、高屋敷氏の好みに視聴者が巻き込まれる点では、ジョー2脚本のホセ、めぞん一刻脚本の五代、カイジ脚本のカイジ・船井・利根川・会長などが挙げられる。

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高屋敷氏脚本蒼天航路13p 高屋敷氏の「善悪を明確にしない」ポリシーについては、カイジ2期の沼編で、遠藤さんがカイジの味方になる展開でも発揮されている。遠藤さんが味方になる回も2期13話で、丁度シリーズの半分。シリーズ構成の肝を、丁度半分の節目に持ってくる構成力の高さを感じた回だった。