国債≒統合政府の定期預金or金融債というアナロジー、及び累進課税の意義

国債は、単に後々に通貨と(新規発行で)交換してもらえることを約束しているに過ぎず、租税による償還を意味しているわけではない。 また、累進課税の本質は、反循環性にある。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

現実の運用を鑑みると、統合政府(財政+中央銀行)から見て、国債は類比的に言えば『定期預金』ないし『金融債』に近い構造を持っている。将来的に通貨currencyに(利子付きで)交換してもらえるという約束をされた債権というのが実態なのです。

2018-01-29 06:59:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

そうした財政金融政策上の実態を知っていると、「通貨発行currency-issuingは回収しなくても良いが、国債は租税によって返済する必要がある」とでも言いたげな経済学界隈の馬鹿げた言論には閉口するしかありません。 むしろ、直接的に租税と紐づけられているのは発行通貨の方です。

2018-01-29 07:00:45
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

国債は、統合政府単位で見れば「定期預金」ないし「金融債」に過ぎません。おまけに、ゼロ金利政策下では、額面通りの現金(MB)と適宜交換可能なわけです(in銀行間市場) もし国債が租税と関係するとしても、それは国債の償還形態=通貨を通じた間接的な関係に過ぎないわけです。

2018-01-29 07:03:52
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ですから、「国債を通貨に変換しておけば、租税による償還義務がなくなる」みたいな言論は完全に馬鹿げています。国債はそもそも、通貨(通貨発行)による償還しか約束していないわけで(その意味で、定期預金や金融債に近似的)、租税と直接紐づけられているのは通貨なのですから。(租税貨幣論)

2018-01-29 07:05:23
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

裏を返せば、財政出動の結果として銀行に(銀行負債である銀行預金の増加を伴って)引き渡される資産が、準備預金であろうが国債(≒定期預金・金融債)であろうが、総需要効果に違いが発生したりしません。唯一違うのは銀行間市場金利の変化ですが、特定の政策金利を設定しているのならそれも無関係。

2018-01-29 07:14:10
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

最近は、累進課税にはあまり格差是正効果を期待していないというか、必要ではないかもしれないと考えている。仮に完全にフラットな税であっても、きちんと支出が必要なポイント(例:失業者や、悪い労働条件を強いられている労働者)に配られれば良いと。というか、むしろ逆に、

2018-01-29 07:35:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

累進課税をきっちりやっていても、その分だけ高所得者優位な支出ばかり組まれるようでは意味がない。例えば、育児費用の安易な無差別援助は、結婚・育児が可能な一定以上の所得・地位の層を却って有利にするばかり、みたいな話がありますよね。 それでも尚、累進課税は必要だとも思っていて、

2018-01-29 07:35:22
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

なぜかというと、それが反循環的な効果を持つからです。要するに、総需要亢進時の物価高騰を自然に抑制し、総需要低下時には低下スピードを自然に緩める効果があると。法人税にも似た効果がありますね。もしそうした自動安定化装置が取り外されれば、総需要の変動は今よりさらにひどくなってしまう。

2018-01-29 07:35:29