恋愛体質 ~セカンド体質~

ゆいない @yuunayokoyama

~セカンド体質~ 1 え？ 嘘やろ？！ #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

2 それは昨日の夜。 昨日は私の彼氏の弘樹の誕生日 でも弘樹は仕事が遅くなるから、誕生日会はまた今度にって事になったんだけど… そんな事やだよ！誕生日はその日に祝うもの！ 誕生日はリア充がラブラブする！これが王道！ #恋愛体質

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3 って事で、こっそり弘樹のマンションへ 弘樹が帰ってきたらプレゼントを渡すサプライズ 弘樹の部屋のドアが見える物陰に隠れる すると弘樹の部屋のドアが開いた #恋愛体質

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4 まさかの私が来る前に帰ってきてたパターン？！ でも出てきたのは弘樹じゃなくて、白いコートに身を包んだ美女。 え？ こいつだれやねん！？ 「凜々花！忘れ物」 次に部屋から弘樹が出てきた #恋愛体質

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5 「あ！ひろくーん❤ありがとうね💕誕生日プレゼントもね♡来月は私が忠義にお祝いする番だよぉ」 「楽しみにしてるでー💕」 そう言って二人はキスを交わした #恋愛体質

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6 「って事があったの！」 「そんな男、はよ別れたらええねん！」 「何でそーなるの！？なんか事情あったかも知らんじゃん！」 「じゃあ付き合ってもない女とキスするか？」 うっ…それは… そう言うのは私の幼馴染のすばる。 #恋愛体質

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7 マンションの部屋も隣でお互いに一人暮らしだから一緒に食事したり遊びに行くこともよくある 今日みたいに私の愚痴を聞いてもらう事もあるし、なんとなく気分みたいな感じで会う事もある はたから見たら付き合ってるって思われるけど、そんなことはなくて、ほんとにただの幼馴染なの #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

8 「だから、そいつの思惑はこーや！前から本命の彼女はいて、紗奈恵はただ、誕生日プレゼントもらって別れようってことや！」 確かにすばるの言う事は筋が通っている 「そんな男はよ別れろよ」 「そんなの無理！」 すばるはいつも私が彼氏の愚痴言うとすぐ別れろって言う #恋愛体質

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9 「私には弘樹しかいないの！」 「その台詞、前の男んときも言ってたよな笑」 うっ… すばるがこう言うのも無理もない 「だって紗奈恵、今年だけで6人付き合って、全員他に女がいてフラれたやろ？笑」 それも紛れもない事実で… 私はいわゆるセカンド体質。 #恋愛体質

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10 でも私には2ヶ月ぶりにできた彼氏。 別れたくないもん 「別れろ」 「別れない」 ﾌﾞｰｰｯﾌﾞｰｰｯ 私の携帯 電話の相手は弘樹だった 「ほら！弘樹は私に毎日電話してくれるんだよ？こんな優しい彼氏いないよ」 #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

11 「もしもーし！紗奈恵だよ」 『紗奈恵、今どこ？』 「家だよ」 すばるの家だけど隣だから私の家も同然 『ご飯食べた？』 「まだだよ」 『じゃあ、今から思ったご飯食べ行こ！駅前のファミレスで待ってるから！』 #恋愛体質

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12 「うん！今からいっ…」 すると後ろからすばるが私から携帯を取り上げてその電話を自分の耳にあてた 「お前なんやねん！紗奈恵をなんだと思ってんねん！」 「ちょっと！すばるっ」 「紗奈恵は俺の女や」 #恋愛体質

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13 「すばるっ何やってんの！」 私が電話を奪い返したときには電話は切れていた 「なに勝手な事やってんの！」 「別にいいやん。あんな男別れりゃいいんだから」 「私の恋愛にすばるが勝手に割り込まないでよ！それに私、いつからすばるの女になったの？ふざけないでよ！」 #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

14 私が怒ってすばるの家から出ようとすると腕を掴まれて壁際に追いやられ、私の顔の左にすばるの手が …壁ドンってやつ？ 「紗奈恵の事、幸せにできんのは俺だけや」 心臓が高鳴るのがわかった 「好きや…紗奈恵」 すばるの顔が私の顔に近づく #恋愛体質

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15 「だめっ！」 私はすばるの手が置かれた反対側に逃げて、すばるの家を出た 「…私が好きなのは…弘樹だけだもん」 #恋愛体質

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16 「弘樹！お誕生日おめでとう！」 それから私は弘樹への誕生日プレゼントを持ってたつの待つファミレスへ 弘樹はさっきの電話がなかったかのように普段通りでちょっとびっくりした さっきの電話聞いてなかったのかな？ #恋愛体質

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17 外は粉雪が降っていてロマンティックな雰囲気 雪の降る駅前を2人は歩く 「なぁ…さなえ」 「…弘樹？」 「…さっきの電話の男だれや」 「え？」 さっきの電話聞いてたんだ #恋愛体質

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18 「あっ、あの人は私の友達…」 「男の友達を自分の家にあげたん？」 「ちが…」 「もう言い訳なんていらへんわ！別れるぞ」 は？ さっきまで怒ってなかのに急に別れるってどういう事？ しかも私は悪くないし 「違うの！それは誤解で…」 「もう決まりや。別れる」 #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

19 「いい加減にせーや」 私の背後から聞き覚えのある声が 「お前は他の女とキスしといても許されて、紗奈恵が他の男とおったら駄目っておかしいやろ？」 すばるだ 「すばる！何でいるの？！」 「へぇー、こいつがさっきの電話の男か」 「これは…」 「紗奈恵は俺の女やから」 #恋愛体質

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20 すばるは私の腕を掴んで走り出した 「…ここならもう大丈夫やろ」 そこは駅の近くの公園 「ほら、これであいつときっぱり別れられてすっきりしたやろ？」 「すばるの…ばか」 でもね 「ありがとう…」 #恋愛体質

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21 すばると共に私たちのマンションへ ………………………………… 2人の間で沈黙が流れる 「なぁ」 「…すばる？」 「俺、まだ返事聞いてないんやけど」 #恋愛体質

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22 横に並んで歩いていたすばるが私の前にきた その視線はまっすぐに私へ向けられていた 「…なんか、もう…」 ちゃんと伝えないと #恋愛体質

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23 「…いろんな人と付き合って、別れてやって、もう…恋とか愛とか…よくわからへんようになって…」 「…なんやねん、それ笑」 笑ってるようにみせてるけど、すばるの目は悲しそうに地面を見つめていた 「私、バカで尻軽で、すばるの言うこと全然聞かないやつやけどね、」 でも #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

24 「すばるとなら、幸せになれるかなって」 すばるの視線が再び私に注がれた 「…なんて思っちゃったんだよね」 すばるの目をみて #恋愛体質

ゆいない @yuunayokoyama

25 「すばると、幸せになりたいです」 「紗奈恵…」 私とすばるの距離が徐々に近づいていく 「大切にする」 大阪の夜空から降る雪と共に、すばるの甘い甘い唇が私の唇に降った ～END～ #恋愛体質